月夜のドライブ

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ジャック達/東京ローカル・ホンク『GOLDEN POPS VOL.11』@吉祥寺MANDA-LA2

画像ほんとにいいライブだった。で、そこで鳴ってた音への感激と、一色進のたぐい稀なるMCへの驚愕をなるべく文字に残そうとしてみたら、あきれるぐらい長い文章になっちゃった…。

『GOLDEN POPS VOL.11』
出演:ジャック達/東京ローカル・ホンク
スペシャル・ゲスト:鈴木祥子
日時:2008年11月3日(月/祝)
場所:吉祥寺MANDA-LA2
http://www.mandala.gr.jp/man2.html
開場/開演:18時/19時
前売り/当日:3,000円/3,300円(ドリンク別)

 

■開演前

この日は個人的に学保連大運動会(子どもが通ってる市内学童保育が一堂に会しての運動会)なんていう強力な行事があったのだけど、ハハとしての責務をこなしつつ片付けも打ち上げもすっ飛ばしてなんとか吉祥寺に駆けつける。開場の18時までには並ぶ列がかなり長くなり、しかも中に入ったらあっというまに後ろの立ち見までびっしり人が入っちゃって、ほんとにビックリした!去年10月のジャック達セカンドレコ発のときも相当混んでたけど、それ以上。こんなマン2初めて見た…。さすがのしょこたん効果。

 

■東京ローカル・ホンク

はじめて観る東京ローカル・ホンク。いい評判をいろんなとこで聞いてたので、かなり楽しみにしてた。ボーカルギター、ギター、ベース、ドラムス。ジャック達とまったく同じ無骨極まりない編成、見ためもボソッとしたサエナイ(笑)4人。やだもー、これだけで好きな感じ!その4人が放つ音は、なんというか、グレイトフル・デッドが風街ではっぴいえんどを歌ってるような、巧さと初々しさが交錯するじつに魅力的な音楽。快活でのびやかな歌とどっか一筋縄でいかないメロディ、そして、このボソッとした(ホメてますよ)4人が放つハーモニーがうつくしくて驚く。楽器も巧けりゃコーラスも自在、こんな音楽をこんなふうに演れたらミュージシャンとして楽しくてしょうがないだろうね~。2つのギターがまたそれぞれに目を奪われるほどすばらしくて、途中で何度か突入していった長尺ジャム、スリリングでカッコよかったなあ。

 

■祥子さん登場

中盤で鈴木祥子さんがセッションに登場。私ははじめてナマで見る(…正確には04年カーネーション@九段会館のアンコールでタンバリン持って出てきたのをごく遠目に見て以来の)祥子さん。やーもう何でしょう、この圧倒的な姫オーラは!激カワユス…。でも、このときのしなやかでさらりとした祥子さんもよかったけど、あとのジャック達セッションで飛び出した、はじけまくりのロックなしょこたんに、私はすっかりマイッてしまったのだ…。

 

■ジャック達オープニング

休憩はさんでジャック達。正直、東京ローカル・ホンクのステージがあまりにすばらしかったので、ジャック達、大丈夫か?(笑)とも思ったんだけど、そんな心配が要らないどころか、MC・演奏ともにいきなりレッドゾーンに突っこんだままドライヴしまくってて恐いぐらいだった!「こんばんは~、ジャック達です!」と一色さんが私の大好きなひとことを放ったあとすぐに雪崩れこんだイントロは「禁断のチョコレート・エンジェル」!うはは、また新曲からやってるし!ほんと冒険好きなバンドだなあ、対バンありのこんなライブのときぐらい、やり慣れた鉄板な曲から始めるのが王道ってモンだろうと思うのに(笑)。続けてスーパーソニック・トースター」!うあ~…マジかっけーよ!夏秋・大田の、鋭く重たく確実に命中していくリズムの上で、ギュンギュン走るキハラさんのギターの、キモチいいこと!

 

■最初のMC

2曲やったとこで、一色さんのMC。いやもーこの日の彼のしゃべりが破壊的なすごさ!一色MC歴でいえば、あの伝説の05年バンブルビー・クリスマス・ディナーショウを超える、史上最強のMCだったね。“祥子さんが20周年”という話を始めて「20周年すごいよね。オレたちは何年?」 キハラ「5年です」 一色「5周年か~、先は長いねまだ…。じゃあ、大田くんが入ってこの4人になってからは?」 キハラ「2カ月。」…と、ここでいちど笑いを起こしつつ、一色さん「あ、ゴメン、大田くんはまだ入ってないんだ」うははは!そうだよ入ってないよ(笑)!「今仮契約中だから」わはははは!仮契約かよ!さらに、苦笑いする大田さんそっちのけで「でももう、このメンバー以外ではちょっと考えられないねッ!!…とか言っちゃったりして(笑)」と、たたみかけるたたみかける(笑)。直枝さんに怒られるよ~、ほんとに(笑)!まだあるよ、「このあとゲストで祥子ちゃん出てくるんだけど…ボーカル祥子ちゃんっていうのはアリかなあ?」爆笑!!!!そこで一色ガンバレの声が客席からかかると「オレだってスタジオじゃ上手に歌えるんだぜ!科学の粋を集めて…」わ・笑い死ぬ…。そのあと「40年鳴かず飛ばず」で「オレは0発屋」でと強力な自虐ギャグから米のとぎ汁の話までさんざん炸裂させたあと「ハイ、ここのしゃべりはもうじゅうぶんなんで」って…(笑)。どんなロックバンドだよ!いやほんとこの夜の一色進のMCは神がかってたな。たとえば野球で完全試合を達成するときってこんな感じなのかも…と思うような、ミラクルに近いキマリ具合。

 

■コメディエンヌ

そんな爆笑MCをはさんで、また新曲、「コメディエンヌ」。たしかこの曲で、一色さんが間奏後の歌、入り忘れた(笑)!そのあと演奏を続けながらもキハラさんと夏秋さんが笑いをこらえきれてないのが、また見てておかしくておかしくて。曲終わってから一色さん「ヒロムの間奏がカッコよくて聴き惚れちゃったよ」って言ってたけど、ジョークじゃなくホントにそうなのがすごい(笑)。「キャンセル」とかでもよくキハラさんのギターソロのあと歌に入り忘れるもんね。どんだけ自分たちの音楽にうっとりしてるんだよっていう(笑)。

 

■ロッカバラッド・クロック

さらに「ロッカバラッド・クロック」。やーこの曲ヤバかった!前回の再起動ライブのとき、このナンバーのあまりの過激な甘さと重たさにクラクラしたけど、この日も凄かった。大田さんのベース、こういう曲やらせたら絶品だねえ。この鉄の塊みたいなベースが一方にあることで、点対称の反対側で、キハラさんのギターが思いきり遠心力をはらませられる。その演奏の軌道のデカさがもう、桁外れで。このあいだのライブのとき私やあやさんが感じた、「キハラさんのギターと大田さんのベースが直で話し始めたらおそろしいことになるんじゃないか」って予感は、まさしく今、進行中だと思ったよ!ゾクゾクしたなー、ヤバイってほんと!

 

「ロッカバラッド・クロック」での自分とキハラさんの激しいプレイを「ギタリスト、ギター叩きすぎ!」と自分でツッコんで「カツオじゃないんだから…」でまた客席爆笑!キハラさんが思わず「今日冴えてるね…」と言ったら一色さんが「バカ、お前、今日冴えてるとか言うなよ、オレがいちばん傷つく言葉。」で、「だいたいジャック達はホームのときとアウェイのときじゃ、しゃべりがちがうんだよ!今日はどっちかっていうとアウェイぎみのちゃんとしたMCでいってるんだよ」わはははは!!!!アウェイぎみ!ふだんホームではグダグダなしゃべりをしたほうがお客がよろこんでくれるんだから、って(笑)。もう、一色進サイコーすぎる(泣笑)。そこから「MY BEAUTIFUL GIRL」。この間奏の一色さんのギターの音色はあまりにせつなくて、いつも泣けちゃう。

 

■セッションwith祥子さん

さ~ここでゲストコーナー!ギターリフのイントロにのって登場した祥子さん、大きなブリムの黒帽子に黒手袋、イカすぅー。この曲はいったい?と思ったらランナウェイズの「Cherry Bomb」だって!下世話でB級であばずれた感じがジャック達に最高に似合ってたなあ!そこから、祥子さんの新譜に入ってる「ELECTRIC FINGERZ」、このつながりのカッコよかったこと!「ELECTRIC FINGERZ」甘くて色っぽくていい曲だねえ。私、祥子さんのことをまったく知らず新譜も旧譜も1枚も持ってないんだけど、やー祥子さんカッコイイなー、ステキだなー。また祥子さんと一色さんのズレ気味に延々と続く会話がサイコーにおかしかった。(MCのこと書いてるとぜんぜん書き終わらないのでほどほどにして先に進みますが。)

 

さらに次のカバー曲はナント!あの素晴らしい愛をもう一度…ええええ!? 1コーラスめアルペジオバックに牧歌的に始まったこのカバー、2コーラスめでキハラさんのギターがうなりを上げ、夏秋さんのドラムスがパンキッシュに走り出す!うわ、何これーーー、カッコよすぎーーーっっっ!!!!10代のエモコアバンドかっていうハードな演奏、最高!一色さんと祥子さんが口を揃えて「これは売れちゃいそう」と言うの、わかるわかる。でもそこで一色さんが「エイベックスに売り込んじゃおうか?」「…あ、でもエイベックスは大田くんが嫌がるか…」で(特にカーネーション方面の)客席が大ウケ!!一色進ウマすぎる…。

 

セッションコーナー最後は祥子さんがエレピでジャック達のナンバー「謎の帽子屋」に参加。この曲の前振りで、「これはどういうときに作ったんですか?」という祥子さんの質問に一色さんが「ポールの曲にジョンがちょっと入ってる、っていうパターンの曲が好きで、そういうのを作りたかった」って答えてたのだけど、祥子さんのエレピの音がまさにビートルズ中期な感じで、ものすごくよかったなあ…。

 

■本編ラスト

祥子さんコーナーが終わり、また元のはなやかさゼロの4人に戻って「東京一悲しい男」!キハラさんのギターのファニーな音、夏秋さんのドラムの鋭く重たいフレーズ、ああ、好きだー。♪池袋♪この曲に夏秋さんのコーラスまで入ってたのはもしかするとはじめてかな、なんだかカワイくって悶える(笑)。カットアウトの曲終わりからそのままキハラさんのギターの印象的な音がピーンと鳴り響いて、本編最後は…「水溜り画廊(ギャラリー)」。水滴のように音符は静かに滴り落ち、いつしかそれが集まり大河となって激しくうねり出すのを見るような、息をのむ演奏。キハラさんの情動ほとばしるギターソロ、そして大田さんのベースの激しい絡み具合が、なんだかキュンとして泣けた。

 

■アンコール

盛大な拍手で4人がステージに戻りアンコール。一色さんのお決まりのMC「今のボクの気持ちです」に導かれ、「今すぐ帰りたい」!あーなんど聴いてもかっけーな、このリフ、このメロ、この演奏!これまた萌えるキハラさんと夏秋さんのコーラス、キハラさんがちょっとまちがえてたのもかわいかった(もうなんでもステキなのだ!)。

 

そして最後の最後、東京ローカル・ホンクと祥子さんを呼び入れて、全員でセッション!祥子さんが黒のジャック達Tシャツにチェックのスカートというカッコで出てきて、そのかわいさに客席クギづけ。そこで一色さんも上着を脱いでジャック達Tシャツになり並んだんだけど「同じ値段に見えないのはなぜだろう…」って(笑)。で、ジャック達のナンバー「ハイランド」。客席も♪LALALALA-LALALALA♪って、ハミングで参加。夏秋さんの色っぽいハイハット、迫力のタム、は~熱出る…。ホンクのボーカル氏のギターとキハラさんのギターの絡みが、またゾクゾクするほどのよさ。いいミュージシャンの音を聴くってなんてシアワセな体験なんだろう…。大ラスは、これまた「私、商業ロック大好きなんです」な祥子さんの選曲で、スターシップの「We Built This City」。ロックど真ん中のストレートな曲をこれだけカッコよく演れるってさすが!(一色さんによる日本語詞はココに。最高!)

 

■後記

とにかく“ロックのカッコよさ”をとことん堪能できた3時間。ジャック達と東京ローカル・ホンク、音楽性はかなりちがうけれど、音の密度と演奏のテンションは、ともに抜きん出た存在だと思う。その粗く素っ気ないバンドサウンドを引き連れて、蝶のように自由に舞う祥子さんがまた力強くステキだった。いいライブだったな…。

 

そして、「ジャック達」というバンド単体で見たときに、前回の“再起動”ライブからのいっそうの進化を感じてうれしかったし、すごくワクワクした!また次のライブ(1月)もベースは大田さんという記載があったし、まあ大田さんには一色さんの「仮契約」なんてMCはテキトーに聞き流しつつ付き合ってもらって(笑)、さらに先の「今までに見たこともないジャック達」を見せてほしいなって思った!このすばらしい4人でできたジャック達は、人が足を踏み入れたこともない地平に、行ける力量と行こうとする好奇心の両方を兼ね備えてる稀有なバンドだと思うから。

 

…あ、そうだ、前記事で書いた「ワイルドなだけ」の説明し忘れた!どこのMCでだったかな、一色さんが自分たちを指して「このワイルドなだけのバンドに祥子ちゃんが入るとすばらしくきらびやかに」みたいなセリフ言ったときに、ギターのキハラさんが「ワイルドな“だけ”…。だけ!?」って反応してたのがもーおっかしくっておっかしくって。そうそう、ワイルドなだけのジャック達、その「だけ」のとこがもうほんとに最高にステキでイカシててカッコよくて大好き!!!!

 

*ジャック達セットリスト(サンキュー、ジャック達BBS


01 禁断のチョコレート・エンジェル
02 スーパーソニック・トースター
03 コメディエンヌ
04 ロッカバラッド・クロック
05 MY BEAUTIFUL GIRL

06 Cherry Bomb with 鈴木祥子
07 ELECTRIC FINGERZ with 鈴木祥子
08 あの素晴らしい愛をもう一度 with 鈴木祥子
09 謎の帽子屋 with 鈴木祥子

10 東京一悲しい男
11 水溜り画廊(ギャラリー)

E1 今すぐ帰りたい

E2 ハイランド with 鈴木祥子 東京ローカル・ホンク
E3 We Built This City with 鈴木祥子 東京ローカル・ホンク

 

【追記】

いろんな方のこの日のliveレポ、勝手にリンクしちゃいます!ほんと、いいライブだったよねー。

★東京ローカル・ホンクもジャック達も大好き!な「サブカル思い出し日記1980-2008」の眼福さんの記事。
http://d.hatena.ne.jp/momongah/20081103/1225722853

★祥子さんファンでホンクファン、「From The Saturn Hotel」のgarsonさんの記事。生ジャック達はお初だったそうです~。
http://garson.at.webry.info/200811/article_2.html

★そのお友だち、「Paradise and Lunch」のpalさんの記事。うふふ、ホント濃密でしたよねえ。
http://paradise.jugem.cc/?eid=730