月夜のドライブ

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ワイキキと雨のお花見コンサート @ 上野恩賜公園野外ステージ

ワイキキレコードとBar雨による上野公園野外ステージでの音楽イベントに、夢見る港がラインナップ!ということで、に引き続き行ってきました。つい数日前まで激しい風雨続きで大荒れのお天気だったけど、当日は最高気温24℃くらいの晴天で、野外イベントにはこれ以上ない日和。たぶんワイキキ坂本さんの人徳なのではないかしら…。お昼ごろの上野周辺はすごい人出。12時にいったん会場に入ってから、入退場自由なので開演まで公園をひと巡り。桜の開花はまだちらほらだったけど、花見客、そして外国からのツーリストでにぎやか。

 

さて、あらためて会場へ。

 

“ワイキキと雨のお花見コンサート”
2024年3月30日(土)
上野恩賜公園野外ステージ
開場:12:00 開演:13:00 終演予定時間:18:30
出演:あがた森魚 / ELEKIBASS / Orbiting Human Circus featuring THE MUSIC TAPES / 田所せいじ with からすぐち / 渚十吾 with Watermelon Sugar / 夢見る港
Bar雨ステージ:ナカヒラミキヒト / 法橋ハジメ
¥3,800(+1ドリンク代別途)
小学生 ¥1,000 / 未就学児童無料(ともに保護者同伴)

 

 

■夢見る港
夢見る港はトップバッター。だいぶ前からこの日はキーボードみんみんさんがゲストで入ると聞いていたのだけど、その後松野さんも含め全員揃うことになったとのことで、松野さん&みんみんさんのW鍵盤でまさかの8人編成の夢見る港!豪華すぎる!全員でのリハ動画チラ見せなども公式から流れてきて、テンション高まりつつ迎えたこの日。一番手なので入場したときからメンバーの楽器がすでにセッティングされててワクドキ最高潮。時間になりメンバー入場、ほんとに!8人!いる!広いステージにドンと並んだ絵面がもう最高にカッコイイ~。

 

1曲目「spring」、まさに“春真っ最中”のイベントの幕開けにぴったりの曲だ!柔らかな光そのもののような夢見る港の演奏が会場を満たしていく。今日はマサキングさんもいて安心(前回のライブ急な体調不良でお休みだったので)の「サンダークラップニューマン」。青木利文さんのスライドギターが気持ちよく鳴る。みんみんさんは鍵盤はもちろんコーラスにも参加で、いつにも増して音が厚い、港スペシャル編成。この日私の席からだとちょうど譜面台に顔が隠れてた松野さん、途中でイスから立ち上がったのでやっと顔が見える~と思ったら、次曲「グッデイ」でのトツゼンのボコーダーvoiceにビックリ!えー!そんなワザもアリなのか、めっちゃカッコイイ!!!!この曲に限らずだけど、松野さんがキーボードとシンセ2台重ねでいつもとちがう音ブチ込んできてたせいもあって、W鍵盤の音が厚&厚でなんか妙にプログレみ増してた気がしたな~爽やかなのに宇宙!楽しすぎる!ラストの青木さんのギターがまたとんでもないことになって、全楽器でなだれ込むカオティックなエンディング(&冷静ななみきさんのタンバリン 笑)!はーーー最高~!

 

静かめな「ロージー」が野外イベントのセトリに入るのは少し意外だったけど、まぶしい光あふれる中で聴くこの曲、とてもよかったなー。2番のアダチさんの歌がこのちょっと古い野外ステージに響くの、ことさら合っててよすぎた…。曲の合間のMCで長坂さんがメンバー紹介して「今日は“この8人”で夢見る港です!」と。今日のスペシャル編成観られてよかった。「香りと全て」、青木さんのギターから放たれるリフのなんと美しく強靭なことよ…一気に大気圏外まで届きそう!このポップス王道曲も松野さんのシンセのフレーズでフシギ感加わり、みんみんさんの鍵盤のフレーズは新鮮で、はー楽しい~!(願わくばこのW鍵盤もうちょっと狭い会場でも聴きたいなと思っちゃった。)あっというまのラスト曲はみんな大好き「コーヒー」。楽器の音がパラパラと木漏れ日のようにさざめく中、長坂さんの歌が始まり、そこに容赦なくブッ刺さってくる青木さんのギター、心の準備しててもカッコよすぎて即死する!このひとフレーズに込められた複雑な音色(おんしょく)がやっぱり青木さんのギターだけのトクベツな音としか言いようがなくて、毎回私に対する殺傷能力が高すぎる…。演奏にのせてここで長坂さんがしゃべるのも大好き。みんなでシンガロングする「コーヒー一杯」しあわせだったな。夢見る港大好き、最高だー!

 

この日を区切りに、キーボードのみんみんさんは怪我後の回復のためなどもありいったんライブ活動はお休みとのこと。休業前のラスト演奏を大勢で見届けられてよかった。みんみんさん、どうぞゆっくり休養&(でもなるべくなら遠くない未来に)復活してくださいね、全力で待ってます!

 

<夢見る港 セットリスト>
01.spring
02.サンダークラップニューマン
03.グッデイ
04.ロージー
05.香りと全て
06.コーヒー

 

夢見る港

長坂雅司(vo,ag)
アダチヨウスケ(banjo,mandolin,cho)
松野寛広(key)
なみきまみ(trombone,flute,cho)
support
青木利文(eg)
木下正樹(bass)
ナカムラハヤト(dr)
special guest
みんみん(key)

 

■法橋ハジメ
バックのセッティング替えを行う傍ら、前方でギター一本で歌うシンガーのステージも、という無駄のない進行で、Bar雨から法橋(ほうはし)ハジメさん。ギター左利きの方なのですね!フィンガーピッキングの繊細かつ力強いギターの音にビックリする、そしてめちゃめちゃ声がいい!詞の端々にナイフのように刺さる鋭い言葉があって、その時々、聴き手が自分を振り返らざるをえないような強さを持った、心に残る歌だった。

 

渚十吾 with Watermelon Sugar
渚十吾さんの名前は野田幹子さんの80年代終わりのアルバム(『蒼空の一滴』など)で知ったから、出会ってからかれこれずいぶん経つけれど、ライブを拝見するのはたぶん初めて。ともに演奏する“Watermelon Sugar”が、ドラム張替智広さん、Voiceとリコーダーで小貫早智子さんとOraNoaさん、ベースKOSMICさん、ギターにELEKIBASSのJPさん、と豪華メンバー。1曲めだったかな、曲終わりにちょうど上野公園の鳥の声のさえずりが重なって、渚さんも言っていたけど、まるでSEかと思ってしまうぐらいぴったりで。JPさんのギターが渚十吾さんの世界にすごく合ってて、小貫さんとOraNoaさんの声や笛の音とともに、フシギでポップな夢の中を漂うみたいだった。紹介文にあったようにまさに“Joy of a Toy”な音楽だったな~。

 

■ナカヒラミキヒト
Bar雨からナカヒラミキヒトさん。見た目もハードボイルドなら声も酒ヤケ声のような迫力で、ドブロギター(リゾネーターギター?)の音とともに独特の世界。なんか、チャールズ・ブロンソンの出てる西部劇とか思い浮かべた。浅川マキさんの曲だという「かもめ」すごかった。(あと、私が今まで見た中で五指に入りそうな口笛の巧さ!)圧倒されました。

 

■田所せいじ with からすぐち
前回のサマーコンサートでも観た田所せいじさん。今回はからすぐち(ヨシンバ吉井功さんと五目亭ひじきさんのユニット!)のおふたりとともに演奏。ワイキキレコードから23年前に出た作品の再現演奏を。再現ってことで、ひじきさんが、当時やったのと同じように畳をほうきで掃く音とかその場で出しててオモシロかった。とぼけててでも芯は揺るがない田所さんワールドに招かれてゆらゆらりの数十分。

 

■Orbiting Human Circus featuring THE MUSIC TAPES
エレキベースのお友だちの外国勢、Julian Koster(Elephant 6, Neutral Milk Hotel)さん!私もof Montrealに激ハマりしたときにエレファント6周辺もちょこっと聴いててニュートラル・ミルク・ホテルもCD買って聴いたりしてたんだけど、まさかそのメンバーさんのライブを上野で観ることになろうとは。といっても何の事前知識もないまま臨んだら、キュートなおじさんがひとりで出てきて、「ロミカ」と「ノース」という名前のミュージカルソー(っていうのかな、アレ)を私たちに紹介し、物語とともに不思議な音を聞かせてくれたり歌ったりのパフォーマンス。ミュージカルソーの音って初めて生で聴いた。途中からトランペット吹くシロクマさん登場(会場の子どもたちに大人気)。さらに後半はELEKIBASS(+αのスペシャルバンド)がバックをつとめ、にぎやかでシアトリカルなSHOW!まさにサーカス観るようなワクワク感あふれるステキ体験だったー!

 

あがた森魚
あがたさんを生で観るのはかなり久しぶり~。なんてのんびり構えてたら、思った以上にやられてしまったよ…。前半はギターに残像のブーケ大森元気さん、アコーディオンに大槻さとみさん、そしてあがたさん、の3人のセットだったんだけど、あがたさんアコギも力強くて、歌声もはつらつのびやかで、MCは大変お茶目で、そしてあいかわらず圧倒的に全部がオリジナルで。本当にびっくりするぐらい元気でカッコよかったなあ。大森さんの熱いギター(アコギなのにエフェクター通して超ガッツなソロ!)もとてもよかった。そして先ほどのELEKIBASSバンドがバックに入ってからの演奏が…「まりこさん」や「みどりさん」が出てくるのあれなんて曲だろ、大森さんや坂本さんやなみきさん、ステージ中に立ったマイクから出てくるシャウトぎみのコーラスとあがたさんの歌のかけ合いの多幸感がすごすぎて、知らずに涙あふれてきた。この空間を先導している、ステージで一番高齢なはずのあがた森魚って人の勇ましさがとんでもないと思った。ラス曲、ヴァージンVSっぽい?と思ったらたぶんそうかな、ロケンローでイカシてた、いつまでもほんとにすごいなあがたさんは!そして、持参した、世界堂の包装紙に巻かれた大きな白い紙を広げて、何をするのかなと思ったらその紙と戯れる?パフォーマンス、超かっけー。ああもう存在がアートなんだなーーー。ひたすらカッコよくてブッ飛んでたあがたさんのステージだった!

 

ELEKIBASS
(時間もちょっと押してたせいか)そのまま、ELEKIBASSのステージになだれ込む。ふと気づけば今日はベースの人がいないELEKIBASS(だからOrbiting Human Circusとあがたさんでマサキングさんがベースに入ったのだね)。耳なじみのある曲をファニーな声で次々かっ飛ばしていく坂本さん。自由自在で強力だ!このおっきなしあわせ空間をイチからつくりあげて、じゃんじゃん気前よくたくさんの人に分けてくれる坂本さんとバンドはすごいなー。それをさらっと平気な顔でやっちゃうのもかっこいい。会場中を巻き込んで、最高に盛り上がって終演!

 

はーーーたーのーしかったーーー!ありがとう、出演ミュージシャンのみなさん、スタッフのみなさん、そしてワイキキ主宰坂本さん。

 

コーフンぎみの帰り際、あがたさんが出口近くにたたずんでらっしゃるのをお見かけして、どうしようと思うより先にもう声かけちゃってた。「すごくカッコよかったです!いつまでも元気で続けてください!」というようなこと(舞い上がっててうろ覚え)を言ったら「そう?うれしいな。ありがとう」的なことを優しく返してくださった。あがたさんの笑顔で確実に10年は寿命が延びたと思う…感涙。

 

終演時間は夏のときと同じくらいなはずだけど、やっぱり日が短いぶん辺りは暗くなってて。夜の上野公園キレイだった。お昼から夜まで、一瞬のような永遠のような半日。巨大なハッピー持ち帰って心にしまう。

 

今ライブの出演者のことがよくわかる「ANTENNA」の坂本さんインタビュー特集記事、メモ。

antenna-mag.com

 



【2024/04/01記】