今作ってますよという話を聞いてから、ずいぶん長ーく待っていて、まだかまだかとやきもきしていた西村哲也さんの新譜『ORANGE』が晴れて発売！めでたい！レコ発ライブは、大盛況でした～。
2010/11/12 Fri.
西村哲也『ORANGE』発売記念ライブ
@吉祥寺MANDA-LA2
開場～18：30/開演～19：30
前売～3000円/当日～3500円（ドリンク別）
■出演
●西村哲也＆MARCY'S HOTEL
西村哲也 Vo, EG
伊藤隆博Key
美尾洋乃(From Mio Fou) Vl
大田譲(From CARNATION) B
夏秋文尚(From ジャック達) Drs
●ジャック達
一色進 Vo, G
宙GGPキハラ G
夏秋文尚 Drs
with大田譲(From CARNATION) B
でも、レコ発だからって「イェーイッ！」って感じにはならないのが西村さん。いつもの照れ照れボソッ、とした感じで登場。場をゆっくり温めてゆくように「ひまわり」、そしてMCで「今日はがんばって新譜の曲を多めに」と言ったとおりに「蛙」や「赤いスーツケース」といった曲を。
西村さんの曲はロードムービーみたい。特定のどれというわけじゃないのだけれど、映画に現れたどこかの街と、その奥のストーリーが、次々に思い浮かぶ。乾いた砂が巻き起こるすさんだ国道だったり、朝もやのかかる冷たいモーテルの部屋だったり、少年と少女の森の奥の秘密の隠れ家だったり。幾つかの楽器の音がライブハウスの中で鳴っているという、それだけの事象なのに、どうしてこんなことが生まれるんだろう、なんてゆたかな音楽なんだろう…、と思う。
ここでジャック達を呼びこむ西村さん。といっても夏秋さん大田さんは既にステージにいるので「ジャック達の2人です～」と呼ぶと、客席が “ええっ2人～？”と反応し、西村さんあわてて「あ、2人じゃない、ジャック達の4人～」って、それもちがーう（笑）！大田さんすっかり入っちゃってるバージョンで（笑）。
あいかわらずの一色さんの爆笑MCに早くもお腹痛くさせられつつ、西村さんのナンバー「HEY HEY」。西村さんのギターとキハラさんのギターが炸裂するこんなバージョンが、カッコよくないわけがない。
ここでマーシーホテルはいったん下がり、ジャック達コーナー。いやー演奏もさることながら一色さんの「嘘発見器ネタ」、お腹の底が抜けるほど笑ったーーー。大田さん、「これカーネーションでも使っていいよ」とか一色さんに言われて困ってた（笑）。これは文章では説明できないので、いずれ出るであろう（ホントかよ）一色進MC集に収録されるまで待つべし！そして一色さんが「他人のレコ発でこんな名曲やっちゃっていいのかな～。悪いな～。でも手抜きせずにやっちゃうけど、西村くん、ごめんね！」とかさんざん振って振って（笑）演った「エルドラド」、やっぱり名変曲（変わった曲でしかも名曲）だったなあ…。「ニセモノ」も、ヘンな曲なのにせつない。キハラさんのギターの重たい音色…。ジャック達の音って（とりわけジャックフルーツシングルズ以降の音って）、ポップさと重さが驚くような同居をしていて、ほんとうにすごい。重金属的な意味で、重ポップ。さらに一色さん「セカンドでぼくのいちばん好きな曲。よくこんな曲が書けたなという」と言い、うわーっ「キャンセル」キタッ…。もーーー、思いが、ぶわっと。ほんとに「名曲」ってこんな曲のためにある言葉だよね…。キハラさんのギターから目が離せなかった。激情と哀愁。はーーー……。最後に「禁断のチョコレート・エンジェル」どかーん！
と、ここでマーシーホテルのメンバーがステージに戻り、さらに呼びこまれたゲストのヨタロウさん、そして鈴木祥子さん！ゲストそれぞれパンチありすぎだろうっていう（笑）。祥子さんのあいかわらずのカワイさもさることながら、ヨタロウさん、カッコよかったーーー。この日はいつもの金髪ではなく、服もラフで、しかも超間近だったから、ドギマギ度数倍増し。しぐさのひとつひとつに宿るどうしようもない色気。はああ惚れ直した…。で、そんなマーシーでジャックでメトロな総勢9人で、「ハロウィン」！西村さんでもジャック達でもない、タイツのナンバーってとこがおもしろい。祥子さんの ♪かかとshow me show me さすがのうるわしさ。
マーシーホテルの演奏に戻り、じわじわ、そしてドーッと！今回はステージに近い席だったので、西村さんのギターの手元にうっとり。西村さんって、特に自分のバンドのときは派手なソロとかあまり弾かないんだけど、手元すごいことになってるもん、よくあんな複雑そうな指使いを事も無げな顔でできるな～。個人的には、08年のライブではじめて聴いたとき「なんていい曲！」と一発でブッ飛ばされ、その後聴けるのを楽しみにしていたのに去年のライブで遅刻逃しをしてしまった「GHOST」が、やっぱり最高だった。もーこのイントロのコードのメロウさったら世界最高峰。はああ、もーダメ…。西村さんこれだけで女口説けるよなあ…。（じつはこの曲に絡むたかたかのエレピもとってもエロい…。）そしてラストの「ROCK'N OLD MAN」が、すごいことに！まさに火を噴くような演奏。このマーシーホテルというツワモノバンドの真骨頂を見る思い。クールな技術と技量の先のスパーク！途中、演奏しながらの西村さんによるメンバー紹介があったのだけど、たかたかを「この人は天才です」、夏秋さんを「この人も天才です」ときて、大田さんを「長い友だちです」わはは、笑った！次の美尾さんも「天才です」って紹介したのに（笑）。西村さんのギター、最後の最後で炸裂！ぐいんぐいんにねじれて歪んだ果てのうつくしい世界…。うわこれ何だろう…。いやーすげかった…。
アンコールでもう一度ヨタロウさん＆祥子さんを含む全員、さらには青山さんまで引っ張り上げて、ヨタロウさんに「アンコールでこんなダウナーな曲って哲ちゃんらしいね」と言われながら「Tonight's the night」。拍手鳴りやまず、西村さん弾き語りで「CANDY」。
私にとってはこんなスペシャルな組み合わせはないマーシーホテル×ジャック達。夏秋さんと大田さんをたっぷり観られて（「いつかのメトロトロンイベントをほうふつとさせる板付きの2人…」by一色・笑）シアワセ。でも、贅沢を承知で言うんだけど、どっちも大大大好きなバンドだけに、どっちもやや！物足りない～、もっと見たーい！西村さん16曲も演ってくれたわけだし、贅沢はわかっているんだけどね。あいだをおかずに、すぐ次を見たいなーマーシーホテルの演奏。それまでに『ORANGE』聴きこもうっと！
*セットリスト
（マーシーホテル）
1.ひまわり
2.蛙
3.失われた日曜日
4.赤いスーツケース
（マーシーホテルwithジャック達）
5.HEY HEY
（ジャック達）
ア・イ・ノ・チ・カ・ラ
My Beautiful Girl
エルドラド
ニセモノ
キャンセル
禁断のチョコレート・エンジェル
（マーシーホテルwithジャック達、伊藤ヨタロウ、鈴木祥子）
6.ハロウィン
（マーシーホテル）
7.キッチンミュージック
8.夜の光
9.POOR BOY
10.暴君物語
11.ウォーターガン
12.悲しみのキトゥン
13.GHOST
14.ROCK'N OLD MAN
encore（マーシーホテルwithジャック達、伊藤ヨタロウ、鈴木祥子、青山陽一）
15.Tonight's the night
encore2（西村哲也）
16.CANDY
