月夜のドライブ

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秘密のミーニーズ、The Pen Friend Club @ 高円寺JIROKICHI

2月の終わりの『Our new town』レコ発ライブが本当にすばらしかった秘密のミーニーズ。その余韻に浸りながら次のライブを楽しみにしていたら、トツゼンのお知らせが舞い込んできた。

https://x.com/Secret_Meanies/status/1766418654004953591?s=20

 

2021年からサポートを続けていたmayugenさんが、3/17のライブでラストになると。そっかーーーーーーーーーー(←ここの気持ちを語り始めると長くなるので最後に…笑)。すっごくすっごく残念…だけど、mayugenさんがサポートする秘密のミーニーズのラストをしっかり見届けて、mayugenさんの卒業を笑って見送らなければ!

 

というわけで春の嵐吹き荒れる(強風だった)日曜日のお昼、高円寺へ。JIROKICHIは今まで来る機会がなく、なにげに初めて!

 

2024年3月17日(日・昼)
『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』
高円寺JIROKICHI
OPEN:13:30 START:14:00
ADV 3,000円 / DOOR 3,500円(+1DRINK)
【出演】
The Pen Friend Club
秘密のミーニーズ

 

 

■秘密のミーニーズ
ややL字に広がるステージに、すでに先行ミーニーズの楽器がセッティングされてる。ベースの相本さんが今日はこっち側(上手)だ!青木さんはエボニーカラーのレスポール、たもつさんは今日も2台持ち!(たぶんOvationと、あとでSNSにあげてくれたエピフォンカジノかな。)メンバーがそれぞれ位置についてゆるっと音を出し始める。この、曲のかたちをとる前の音がすでに、目を閉じて聴いてもまぎれもない「秘密のミーニーズ」成分でできているな…と思う。

 

たもつさんのきりっとしたアコースティックギターの音から「イディオムズ」。うーカッコイイー。アルバムやレコ発ライブですっかりキーボードのフレーズ入りのこの曲が耳慣れていたけど、松野さんのいない今日は、グッとフォークロック寄りのナンバーに聴こえた。青木さんのソロはいっそう自由自在感が増して。そして視線と気持ちはやはりmayugenさんに向かってしまう、透明でひんやりしたコーラス、これを聴けるのも今日がラストか…(寂)。次の「午前0時2分」、聴けば聴くほど完成度の高い名曲。2コーラスめで強めに出てくるmayugenさんボーカル、3声が駆け上がっていくサビ、たもつさんのストロークからのU太さんのリムショットと青木さんのフシギエフェクト…はーーー好きだ。

 

もしかすると今日もアルバム曲順通りなのかな、次に演奏されたのが「さよならジンジャー」。淡路、mayugen、というボーカリストの魅力が輝く新譜の中でも、この曲はひときわ光彩を放つ1曲。いきなりトップギアで入ってくる淡路さんの艶やかなボーカル、その声ときれいな距離をとりながらモビールのように旋回するmayugenさんのボーカル、ふたりの声の軌跡が夢のような美しさ。以前にこの曲のふたりをニノ・テンポ&エイプリル・スティーブンスみたいと言ったのだけど、たぶん作り手のたもつさんの思惑をさらに超えてバック・トゥ・ザ・ベーシックというか、ポップスの原初的な輝きを生み出す声の組み合わせだと感じるのだよね、淡路さんとmayugenさん。それがよく表れているナンバーだと思う。この曲もこの響きも(少なくともライブではしばらくは)聴けないのかな…と思いながら、大切に大切に聴く。たっぷたぷのツインギターの音もよいなあ…。

 

やっぱりアルバム曲順通りだ、「雲の影」キタ!青木さんがエフェクターボードにかがんでフシギ音炸裂させるイントロダクション。淡路、たもつ、mayugenの複雑な3声ボーカル、この独特に不穏な感じがたまらない…。ソロパート青木利文劇場の開幕、重くドライブしながら激しさを増す青木さんだけの音とプレイに撃たれまくる。U太さん&相本さんのリズム隊がすばらしいし、青木さんが遠い旅に出ているあいだ、たもつさんのギターがテンションを高めながら曲をしっかり守っている感じも優れたツインギターの醍醐味。私のいっちばん好きなバンドサウンドが、まさに目の前の秘密のミーニーズの中に全部ある。8分超の曲が終わると、いつも『ハッ…ここどこ…?』と呆然。会場中からやんややんやの大拍手!

 

mayugenさんメインボーカルの「春は間近」。わーん、この曲もしばらくライブで聴くことはないのかな…。この、やわらかくもきりっとブレないmayugenさんのしなやかなボーカル、彼女を取り囲む5人、今日までの“この6人の”秘密のミーニーズのかけがえのない音と姿を、目と耳にしっかり焼き付ける。「さすらい人」は淡路さんがアコースティックギター弾きながら、トリプルギターで。それにしてもジンジャー、雲の影、春は間近、さすらい人と、同じメンバーで演っているのに曲調笑っちゃうぐらい幅があって、今の秘密のミーニーズのバンドとしてのスケールあらためて凄いな。

 

ラスト1曲というところでmayugenさんがひとこと。(サポートで3年間欠かさずライブに出演しながら、mayugenさんがマイクをとってしゃべったの初めてじゃないかしら。)元々ミーニーズのファンとしてライブを観にきていたので、歌ってくれないかと声をかけられたときは正直不安だったけれど、温かく迎え入れられて楽しく活動できた、と。ありがとうございました、そして秘密のミーニーズをよろしくお願いします…との卒業の言葉。うう、うるうるしてしまう…。たもつさんが、mayugenさんが自分のアーティスト活動にこれから力を入れたいということなのでそちらも楽しみに、今度対バンやりましょう!と。そうだね、いつかまたどこかで。そう思えば少し寂しさもやわらぐ気がする。ラストは「ひとみしり」を楽しくにぎやかに。3声が並んで気持ちよく走っていく歌、大好き。mayugenさんがいた秘密のミーニーズのことずっと忘れない。mayugenさん、3年間ありがとう!

 

<公式SNSよりセットリスト>
01.イディオムズ
02.午前0時2分
03.さよならジンジャー
04.雲の影
05.春は間近
06.さすらい人
07.ひとみしり

 

■The Pen Friend Club
今日のライブ主催のザ・ペンフレンドクラブ。私は昨年8月の上野恩賜公園ワイキキイベントで初めて観て、すごく楽しかった記憶が新しい。こちらも大人数よね、セッティングしてるの見ているだけでもワクワクする~。VoのNiinaさん、今日はミニスカートですらりとしたスタイルがより印象的!「Got to Get You into My Life」から始まり「Pleasant Valley Sunday」へ、思わずカラダが揺れるゴキゲンサウンド。Niinaさんの歌、パンチがあってカッコイイなー。今日はこのあいだよりも黒っぽいナンバーが多かったかな、曲名思い出せなかったけど、ボーカルとともにコーラス(主にagとkeyのお二人かな)もマーサ&ザ・バンデラスみたい!と思ったり。大好きな「Reach Out I'll Be There」も聴けた!あと、ベースの方が作曲したと紹介していたオリジナルナンバー、これたぶん上野でも聴いて「ジェファーソン・エアプレインみたい」と思った曲。すごくいいよね。びゅんびゅんサーフロックみたいなアレンジのチャイニーズ・スープにもビックリ。鳴りまくるエレキギターやポイントポイントでいい味出してくるグロッケンなどなど、大人数バンドは観てて楽しいなー、アンコールの「Darlin'」まであっというま!大盛り上がりで終了!

 

前回のミーニーズのライブで次回ライブを紹介するときたもつさんもそう言ってた気がするけど、秘密のミーニーズとザ・ペンフレンドクラブ、西海岸の香りのするとっても親和性の高いツーマンだったね。ちょうど数日前に映画『モンタレー・ポップ』を観たばかりだったせいもあって、モンタレー・ポップフェスの観客みたいな気分で2バンドの演奏を楽しんだ。2024年のこっちのステージも最高だった!

 

先述したようにmayugenさんの声に私は50~60'sのスタンダード・ポップスみを感じるので、女性ボーカリストフィーチュア視点でも今回の対バンピッタリだなと元々思ってたんだけど、mayugenさんを送り出す卒業ライブとしても、あらためてふさわしい場だったかもしれないなって。秘密のミーニーズ&The Pen  Friend Club、両バンドのみなさん、素敵なライブありがとうございました!

 

 

秘密のミーニーズのYouTubeチャンネルで、この日の演奏を公開してくれてるので貼っておこう!

 

youtu.be

 

youtu.be


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ここからはほぼ自分語り。Twitterにも何度も書いたのだけれど、遅く来たファンの私は2021年の『down in the valley』発売記念LIVEが秘密のミーニーズとの出会いで、私にとっての秘密のミーニーズは、mayugenさんと淡路さんのいるこの6人だった。もちろんさかのぼってアルバムも聴いてそれらも全部好きだけれど、目の前に立ち上がるこの6人の歌とサウンドが、聴けば聴くほどまた時を深めれば深めるほど、素晴らしさを増していたので。果たしてこの6人(+ゲストの松野寛広さん)で磨きあげて録音した音は、『Our new town』という、想像をはるかに超える珠玉のアルバムとして形になった。今思えば、この最高のメンバーで最高のアルバムを残してくれてよかったなと思う、バンドの歴史にとってもリスナーにとっても。

 

mayugenさんはあくまでもサポートという立場なので、いつかはこの日が来るのかなと心のどこかでは思っていて、でもなるべく考えないようにしていたけれど、やはりそれが現実となった寂しさったらない。でもたもつさんも言っていたように、mayugenさんのアーティスト活動という発展的なフェイズを迎えてのひと区切りなので、寂しいのはそれとして、がんばって!と笑顔で送り出したい!

 

ソロアーティストは生まれてから死ぬまでがその人そのもので変わることはないけれど、バンドは一瞬一瞬が奇跡なんだなーとあらためて思う。好きなバンドを好きと思っているあいだは、「このメンバーが最高」と信じているし、全力で「このメンバーよ永遠であれ」と願っているので、形が変わってしまうことは衝撃でないと言えば嘘になる。mayugenさんの卒業を聞いてからずっとメソメソしているのも事実だけど…、でも、永遠、がないことこそ、バンドなんだよな…とも思う。その危うさやはかなさも含めて、そして常にそれを乗り越えて驚くべき強い輝きを放ってくるからこそ、私はバンドという存在に魅かれ続けているんだろうなって。

 

次のライブから当面は「野郎5人の(byたもつさん)」旅を続けることになる秘密のミーニーズ。でも、たぶん、きっと、私それも好きに違いないんだろうなーと思う。たもつさん、青木さん、U太さん、相本さん、淡路さん、このメンバーでできた秘密のミーニーズに、絶対的な信頼をおいているので。mayugenさんを欠くことは相当ドラスティックな変化なので、この先の旅路もまた一筋縄ではいかないのかもしれないけれど、たもつさんとメンバーなら絶対大丈夫とも思ってる。次も、この先も、やっぱりいちばん楽しみでいちばん大好きなバンド。

 

“秘密のミーニーズ featuring mayugen”を聴けたこの3年間の記憶を大切にしながら、リスナーも前へ進むのだ。mayugenさん、3年間本当にすばらしい歌声をありがとうございました!秘密のミーニーズのメンバーのみなさん、これからもよろしくお願いします…!

 

【2024/03/24記】