月夜のドライブ

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ジャック達「再起動」 @ 新宿ニューベリー

画像はー。ほんとにカッコよかったなあ、ジャック達…。弱いとこ以外は最強のバンド・ジャック達に、最強のバンド・カーネーションのベーシストを呼んじゃうんだもん、そんなのカッコよくならないワケがないって、もちろん理屈ではわかってた。でも、こんなにスゴイなんて、想像以上。

 

Newbury presents 2008
ALCOHOLIDAY SHOW TIME Vol.37
[ジャック達 再起動]
9月28日(日)
at 新宿・Newbury
http://www.newbury.jp/
18:00 open 19:00 start
前売3000円 当日3500円(ともに1drink付)

出演:ジャック達 (ISSIKI,KIHARA & NATSUAKI)
http://homepage3.nifty.com/jackjackjack/
ゲスト:大田譲

 

■オープニング

いつものあたりに場所をとって開演を待つ。7時を回り、ステージに上がってきた(というか地続きだが)キハラさん、夏秋さん、そして、うわー…ほんとに大田さんだ!一色さんが「さあ、ジャック達のディフェンシヴな時間は終わって、オフェンシヴな時間になりますよ」と。ひゅー、カッコイイ!

 

1曲めは何をやるのかなとドキドキしてたら、なんと新曲!新生バンドのお披露目に新曲を持ってくるなんて、さっすがジャック達だなー…。と、あきれたり惚れ直したりしてたら、2曲めに「月光」で、またびっくり。もう、やるなあ。なぜって、これ、ベースラインがものすごく印象的な曲だから。もれなくピートさんのことを思い出してしまいそうな、ふつうならとりあえず避けておきたいようなそんな曲を、平気で演っちゃうジャック達。ほんと強気なバンドだなって思う。さらにここで「乙女座ダンディライオン」!もうあっさりと、ただドラムの音の矢に射られまくる。夏秋さん、シズルシンバル(っていうのかなあれ)が無遠慮にじゃんじゃん鳴りまくるのがえらいカッコよくて。クールで控えめな人柄の裏で、どっか大きく破綻しちゃってるような彼のドラムの音、やっぱりどうにも好きだ…。

 

■「スーパーソニック・トースター」

それにしても、今日のジャック達、やけにタイトじゃね?…とそこはかとなく感じてたことは、次の「スーパーソニック・トースター」でおそろしいぐらい思い知らされる。このときの「!!!!」ってショックに近い感じ、忘れられない。ほんとに驚かされた。ライブで毎回聴いてきて、知り尽くしてた曲だと思ってたのに、今まで聴いたどんな「スーパーソニック・トースター」ともまったくちがってたんだもん。この曲終わった瞬間の、虚を衝かれたように客席から湧き上がった拍手がそれを物語ってたと思うよ。そしてさらに次の「東京一悲しい男」がスゴイことに!こんなこと言ったら一色さんに怒られちゃいそうだけど、私これまで(といっても2回聴いただけだけど、)この曲のこと「カッコよさ」という面で今ひとつピンときてなかったんだよね。ところがあらまあどうしたことでしょう、もう、この日のこの曲のカッコよさったら!ああ、こういう曲だったんだ!と、その意味がスコーンと鮮やかに胸に蹴りこまれた。あーヤバい、今日のジャック達、これハンパじゃないよ…。

 

■「キャンセル」

さらに「My Beautiful Girl」を経て、第一部ラストの「キャンセル」が…。もう、あまりの壮絶さにその場に貼り付けられたまま息が止まるようだった。そうとしか言いようがない。ひさびさの、ザ「キハラヒロム・ショウ」!キハラさんのギター、まさにキターーー!って感じだった。重くて凄まじくてディープで激しくて、誰にも止めることのできない、ほとばしる激情のようなキハラさんのあのソロ。そうそう、これ!これが欲しかったの!!考えてみたら、前回のライブは「全曲演奏」だったぶん個々の尺はコンパクトになってたし、その前3月も2月も1月も12月もワンマンではなかったから、キハラさんのソロがいやってほど炸裂する場面って、ずいぶん長いあいだお預けだったんだ。待ってたよ、この「キャンセル」を。このキハラさんのソロを!一色さんもひさびさに、ギターソロのあと歌に入り損ねそうになってた(キハラさんのギターがあまりに凄いとき、一色さんはいつも呆然としてそうなりがち)。ああ、もう、最高だった…。

 

■第2部

ここでしばしの休憩をはさんで第2部。疾走する「Strange Move」!夏秋さんのドラムってどうして、あんなにさらりと淡々とこのフレーズを叩き出せちゃうのかな…。いつまでも解けない謎に包まれながら今日も聴く。「謎の帽子屋」、そして「ロッカバラッド・クロック」がまたよかったなあ。この曲の過激な甘さと重たさが、大田さんのベースでさらに強調されて、もはや危険域に…。そしてこの無敵のリズム隊をバックに、こうなるといよいよやんちゃさ5割増で暴れ出すキハラさんのギター、またしても最高!のひとこと。ほんと、サイコー!!!!

 

「WHAT'S NEW LOVE SONG」で、あいかわらずあきれるぐらい私はグラついて、そして第2部ラストは「水溜り画廊(ギャラリー)」「ハイランド」の2連発。「水溜り画廊」、イントロのキハラさんのギターの水滴のような音にぎゅんと心をつかまれたら、その先はもう、この曲が辿る旅にただ巻きこまれるだけ。間髪入れず「ハイランド」、今日のこれ、超カッコよかったー!(私は今日はじめて見た)一色さんの気迫のブルースハープは、CDバージョンの美尾さんのヴァイオリンに劣らぬ存在感。これまでなんとなく心もとなかった、ライブでの“4人だけ”バージョンだけど、今日の“4人だけ”のなんと強靭なこと!今日のが、今まででいちばんカッコイイ「ハイランド」だった!

 

■アンコール

アンコール、「今すぐ帰りたい」!重くうなる大田さんのベース。鋭く命中していく夏秋さんのドラム。のびのびと走り出すキハラさんのギター。この音たちが、それぞれの立ち位置で絶妙に絡みながら転がっていく、いわく言い難い風景。そして一色さんのメロディがふわっと甘く花開いて、キハラさんと夏秋さんのイノセントなコーラスが乗る。あーだから、それ、ダメだって…もう、熱出るから!

 

大ラスの「みみずく」で、とうとう粉々になった。一色さんのギターソロが反則だったもん。ふだん聞き手左手とか告知モモコとかばっかり言ってる人が、あんなせつなくもすさまじいソロを弾くのは、どう考えても反則だもん。あんな音聴いたら、心ビリビリに破かれて、泣いちゃうしかないじゃん。ぜったい反則だよ。そのソロから入れ替わってすべりこんできたキハラさんの音もまた泣けた。そしてふと振り返ると、そこで淡々と強くやさしく鳴ってる、大田さんのベースと夏秋さんのドラム。わーん、どうしよう…。ジャック達って…。

 

 

 

 

そんな、全15曲でした。一色さんのおとぼけMCとそれに戸惑いを見せる大田さん、とか(笑)、書き出せばキリがないのだけど、それはまた。15曲、ワンマンのセットリストとしては多い曲数ではなかったけど、まっさらからこれを覚えてあそこまで弾き倒した大田さんがすばらしすぎる。ほんとうにおつかれさまでした!

 

それにしても…バンドって凄いね。おもしろいね。メンバーひとりちがうと、ここまで音が変わるんだ。のほほんピートさんの、いい意味で無責任な、それゆえに生来のセンスが際立つ音も大好きだったけど、大田さんのベースの機動力を装備したジャック達のカッコよさ、もうシャレになんない。いったんこんな音聴いちゃったら、もう、このメンバーであの曲もこの曲も聴きたい!という欲望がふつふつとわいてくるよね。「オンボロ」や「EASTEND JUKEBOX」なんかも、おっそろしいことになるだろうな。聴いてみたい…。

 

で、前記事にも書いたけど、ジャック達+大田譲、たぶんまだ3~4回リハをしただけのバンドだからね、その伸びしろまだまだどんだけあるのよって話。それ考えると空恐ろしくなる。私の勝手な憶測だけど、たぶん今回のライブは、大田さんと付き合いの長い夏秋さんを通訳に、大田さんと一色さんキハラさんが会話してたところもあるんじゃないかなと思うんだけど、これがね、キハラ宙のギターと大田譲のベースが直で話すようになったら、それはもうおっそろしいことが起こるだろうと、予想してるのだ。予想というか、根拠はないけどほぼ確信に近い。で、そうなったら、たぶんこのふたりを止めることは、一色さんにも夏秋さんにもできないだろう、と(笑)。今回のライブでは、さすがにまだそこまではいってなかったと思うから、逆にこのバンドのポテンシャルが爆発していくのが楽しみでしかたなくて。いろいろな事情が許すなら、しばらく大田さん入りのジャック達を見てたいなーって思う。というわけで、11月のライブが超楽しみ!

 

 

*セットリスト(ジャック達BBSより拝借)

(第1部)

01. 禁断のチョコレート・エンジェル
02. 月光
03. 乙女座ダンディライオン
04. スーパーソニック・トースター
05. 東京一悲しい男
06. MY BEAUTIFUL GIRL
07. キャンセル

(第2部)

08. Strange Move
09. 謎の帽子屋
10. ロッカバラッド・クロック
11. WHAT'S NEW LOVE SONG
12. 水溜り画廊
13. ハイランド

(アンコール)

14. 今すぐ帰りたい
15. みみずく