月夜のドライブ

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祝・アルバムリリース!秘密のミーニーズ『Our new town』(感想メモ初号)

私が今、一番好きと言ってもいいぐらい好きなバンド、秘密のミーニーズの待ちに待ったニューアルバム『Our new town』が1月24日にリリース!書きそびれちゃわないうちに、聴いたばかりのホットな印象だけ自分用メモしとこ。

 

特別に好きなアーティストの新譜は、できればリアル店舗で手に入れたいなあなどという昭和的価値観があって、フラゲはできなかったけど、発売日当日(仕事のなりゆきで完徹になってしまいフラッフラで、でも「今日、リアル店舗で手に入れるのだ」という強い気持ちで)、夕方4駅隣のディスクユニオンまで出かけて購入!特典のCD-Rも無事入手。(ちなみに店舗ごとに曲目が違うCD-R、悩ましいけど、大好きな「イディオムズ」の別テイクが入ってる盤がやっぱり欲しいなと思ったのもあってユニオンで買った。)

 

 

やっと時間ができて今日(1/27)、開封。ピーッとフィルムを切って毛塚了一郎さんイラストのジャケットを広げる。端から端までじっくり眺めて風景のひとつひとつに思いを馳せたくなるジャケ。(なりすレコードの看板もあるのがいいよね!)

 

全8曲。ラストのたもつさんの「シングルマン・ワウワウ・フリースキャット」以外は、これまでライブで少しずつ披露してきてくれてた曲で、そのたびに私深く深くマイッてたので、すでに各曲に思い入れがあってそもそも客観的な感じでは聴けないんだけど。

 

1曲目の「イディオムズ」。たもつさんの力強いアコースティックギターストローク、たもつさんのボーカルで始まる。オープニングのこれに強く「渡辺たもつここにあり!」を感じるというか、淡路さんとmayugenさんというすばらしいボーカリストも青木利文さんというとんでもないギタリストもいるけれども、やっぱり秘密のミーニーズはたもつさんのリーダーバンドなんだという自負と自信が、アルバム通してバッキバキに伝わってくる感じがしたなー。それにしても、忘れもしない2022年の春、SNSにあげてくれたリハの短い動画で初めてその断片を耳にして、一発でノックアウトされてしまって以来、ライブで聴くたび「好きすぎる」と何度つぶやいただろう?それがこうしてアルバムの1曲目に収まるのを聴くの、感慨深い…。


「イディオムズ」から「午前0時2分」、この2曲をのっけから並べてるの、もういきなり私の息の根を止めにかかってますか?という…。こんな好みにドンピシャの2曲が連続して襲いかかるアルバム、一生音楽聴いててもそんなにないのよたぶん…。「午前0時2分」は、発売日数日前に公開されたMVで、あまりのよさに倒れこんで地面を突き抜けて向こう側に出ちゃうぐらい参りまくってたけど、アルバム購入して歌詞カード見ながら聴くと、とってもはちみつぱいイズムを感じる詞と思った。「令和のはちみつぱい」とは言い得て妙で、サウンド的にももちろんそうだけど、このバンドの中には、そして渡辺たもつさんの中には、はちみつぱいが脈々と生きてるんだなーと思う。そこからの「さよならジンジャー」、いい曲よね、2024年のアメリカングラフィティ。こういう正攻法のポップス王道曲って、今意外に出会えない。淡路さんとmayugenさんというボーカリストふたりの個性と才能を得てこそ生まれた、秘密のミーニーズの新しい魅力と思う。

 

文句なしの白眉、「雲の影」…。10分の大曲、イントロだけで2分半って(笑)。ライブで聴いたときも思ったけど、淡路さんとたもつさんのダブルボーカルが男っぽくて超超超よい。青木さんのギターとguest 松野さんのキーボードの一歩も引かない取っ組み合い、U太さんと相本さんのリズムも恐ろしいことになっていて、CDプレーヤー壊れるかと思った…。いやとんでもないバンドだよ、ほんとに30代なのか…!?そして今までライブで聴いたバージョンにはなかった、ラストの淡路さんのパートがとてもよい。このあたりも、はちみつぱいを感じる…。こういうのをいいよねってちゃんと思える人がプロデューサーなのは何よりだなあ、夏秋さんがミーニーズの魅力をこれでもかって引き出して盤に刻んでくれてると思う。

 

この地球3つ分ぐらいブルドーザーで破壊みたいな曲が終わってほとんど息絶えてるところへmayugenさんの愛らしい歌声が吹きわたる「春は間近」へのつながりが、別の意味ですさまじい!なんちゅー高低差、なんちゅー温度差、なんちゅー振り幅。荒廃の後に芽吹く花みたい。このダイナミズムをバンド内に持ててるタテヨコ奥行きのとてつもなさよね…。唯一淡路遼さんの手になる「さすらい人」、今ではテレビから消え去ったタバコのCMに似合いそう。歩くロードムービー(と私が勝手に呼ぶ)淡路さんの声の個性が活きるなあ。この曲もそうだけど、全体にゲストプレイヤーの松野寛広さん(from夢見る港)の鍵盤が大活躍でこれは嬉しい驚きだった。ゲストというか、クレジットを見ると全曲弾きっぱなし(笑)。そしてどれもこれもが100%松野さんの音してて最高。“これぞ秘密のミーニーズ”という曲調の「ひとみしり」では、松野さんが初めて弾いた(キーボーディストでもアコーディオンは必ず弾くわけじゃないんですね…!)というアコーディオンも聞こえるー。バンジョーやらマンドリンやらラップスティールやらのにぎやかなジャグ・バンドっぽいミーニーズの演奏、楽しさいっぱい!

 

「令和のはちみつぱい」という呼び名はサウンド面でも納得だけれど、それ以上に、このバンドの“スピリット”に宿ってると感じるのだよね…そここそが秘密のミーニーズのすばらしいところだし、その良さをプロデューサーの夏秋文尚さんが十分に理解してくれているんだなってことが、完成した音から伝わってくる気がする。

 

…と、とりあえず、感じたままの感想メモ第一弾。奥の深い音、聴きこんでいくとまた追いつかないぐらい語りたいことが出てくると思うー。ひと月めに本命アーティストの本命アルバムが出ちゃって、私の2024年はまちがいなく『Our new town』の年になりそう。ヘヴィーローテーションからたぶん逃れられない…!