月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

「あ」から「ん」をムーンライダーズで埋める その2

続き。「な」からです!

 

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「夏の日のオーガズム」

(シングル『夏の日のオーガズム』86年)

この12インチシングルを聴いたときのショックったらなかったな。この詞も、この曲も。リミックスバージョンがまたカッコよくてね。そうそう、12インチだからプレーヤーに載せるときに回転数を変えなきゃいけないんだけど、いつもそのままかけちゃって、のびたテープみたいな音になったのもよく覚えてる(笑)。

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「ニットキャップマン外伝」

(『Bizarre Music For You』96年)

「ニットキャップマン」もじーんときていいんだけど、やっぱりすさんで荒れ狂ってる「外伝」にひかれちゃう。11月、渋公のライブで聴けてうれしかった。

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「春のナヌーク」

(『Bizarre Music For You』96年)

って、ぜんぜん「ぬ」じゃないけど…「ぬ」で始まるタイトルは、一般音楽界にもなかなかないのだー。ということでここはナ「ヌ」ークで勘弁してもらう。良明さんのメロディはほんとに、地と空にわたっていく独特の広さがあって素晴らしい。

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「マイ・ネーム・イズ・ジャック」

(『NOUVELLES VAGUES』78年)

これもぜんぜん「ね」じゃないね…ムーンライダーズでは、見つからなかった。苦しまぎれだけど、マイ・「ネ」ーム・イズ・ジャックでムリヤリ埋め。「My Name Is Jack」のことは大昔この記事に書いたりした。

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「NO.OH」

(『AMATEUR ACADEMY』84年)

この曲とか、『ドントラ』の「超C調」を聴くと、良明さんって変な人だなーと思うよね(笑)。このヘンテコさ加減と、ライダーズの中でももっともストレートなロックミュージシャンっぷりの幅がおもしろくってしょうがない。

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「バックシート」

(『MODERN MUSIC』79年)

イントロの甘美。不穏な場所へ堕ちていくメロディ。どこまでもかしぶちワールド。相当変な曲だと思うけど、でも名曲。4月の新宿ロフトで思いがけず聴けたときは、クラクラして倒れそうだったな。

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「BTOF」

(『AMATEUR ACADEMY』84年)

「し」以上に大変な騒ぎだったのがココ、「ひ」!「Beep Beep Beオーライ」「羊のトライアングル」「Bitter Rose」「Vintage Wine Spirits, and Roses」、ぎゃー好きな曲ばっか、ムリムリムリ!…でも、選びました「BTOF」を。もうこの曲はこれまでもシツコイぐらい語りまくってるね。好き、とにかく。(でも、そもそもこの曲タイトルの読み方「ビートゥーエフ」でいいの?)

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「服を脱いで、僕のために」

(『月面讃歌』98年)

これも大好きな曲。元の曲もよいのだけど、『月面讃歌』での桜井秀俊さんの解釈が秀逸だなあ。ポップスの快楽のありかを熟知してる人なんだなーと思う。あ、今気付いたけどこの曲GO GO KING RECORDERSの加納さんの録音&ミックスなんだ!

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「Heavy Flight」

(『ANIMAL INDEX』85年)

セーブしながらもやっぱりまた入ってしまった『アニマル・インデックス』。よく切れるナイフが12本収められてるような、そんなアルバムだよね。ひとつひとつが、他に依存せず独立して有能な武器である、と。

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「僕は負けそうだ」

(『Bizarre Music For You』96年)

「僕」タイトルがめっぽう多いムーンライダーズ、この「ほ」地域はおのずと激戦区に。「ボクハナク」「僕は走って灰になる」「僕はスーパーフライ」「ぼくはタンポポを愛す」…。ね。すごく悩んだけど、やっぱりどうしても好きなこの曲を。“そんなに近寄るな きみにはかなわない 花のようなにおいがして 僕は負けそうだ”…これで、崩れ落ちないわけにはいかない。「ボクハナク」ほどライブではやらないけど、この曲での直枝さんのボーカルもすごくいいよね。

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「マスカットココナッツバナナメロン」

(『MOONRIDERS』77年)

赤いアルバムからはこの1曲かな。ライブでこの曲を唄うときの慶一さん、いつもな~んかエッチな感じで好き(笑)。

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「水の中のナイフ」

(『カメラ=万年筆』80年)

そうか、この曲も博文詞・岡田曲コンビなんだね。ロマンティックな作風の一方でこのパンキッシュな表現もあり、それは最新作の「WEATHERMAN」につながるんだな…。

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無防備都市

(『カメラ=万年筆』80年)

そういえば、映画「マニアの受難」の中で私がいちばんうつくしいと思ったシーンが、メンバーが「自分にとってのパンク・ニューウェーヴ」を次々に語る場面。たたみかけるように編集されたその細切れのシーン、そこに映し出されたこのバンドメンバーの音楽へのあまりにもピュアな感情は、比喩ではなく、眩しくとびきりうつくしかった。

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「名犬ロンドン物語」

(『BYG High School Basement 1』95年)

地味なアルバムなのに、「そ」とか「め」とか、候補曲があまりないところで活躍してくれる『BYG』(笑)。1曲めのこのトラックの、しっちゃかめっちゃかな疾走ぶりは楽しい!

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「物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、眼をつぶれ」

(『青空百景』82年)

タイトルはもう、ヴェリイヴェリイ慶一さんだなー(曲は岡田さん&ライダーズ)。明るいイメージのある『青空百景』にこの曲が入ってるって、今さらだけど意外な感じ。

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「ヤッホーヤッホーナンマイダ」

(『P.W Babies Paperback』05年)

ヤッホーヤッホーヤッホー!ライブで、左、中、右と客席もコールに参加させてもらえて楽しかった。ホンモノは、良明→博文→武川、だよねたしか。

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「夢が見れる機械が欲しい」

(『ANIMAL INDEX』85年)

この曲とか、「ワンピースを、Pay Dayに」とか「親愛なるBlack Tie族様~」とか「物は壊れる~」とか、慶一さんのある種の詞はいつも、アルバムに仕込まれた謎かけのよう。

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「酔いどれダンスミュージック」

(シングル『恋人が眠ったあとに唄う歌』98年)

オリジナルははちみつぱいにさかのぼり、ライダーズでも『火の玉ボーイ』で録音してる曲だけど、ここはこのシングルカップリングのバージョンで。ライダーズのグランジサイド(なのか?)が炸裂しててめちゃカッコイイ。

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「Love Me Tonight (Huge Garage Mix)」

(シングル『海の家』95年)

またまたシングルカップリングバージョン。これはね、nakamura8cmさんのこの記事で散々話題になってるんだけど、演奏、特にかしぶちドラムにブッ倒れる!!カッコイイなーーーーーっ。「Huge Garage Mix」の名の通り、ガレージバンドみたいなハチャメチャなうるささ。サイコー!

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「リラのホテル」

(『Damn!moonriders』97年)

コレ…かなり苦しいですが…。「リラのホテル」はご存知のようにかしぶちさんのソロ曲なんだけど、このマニアックなCD+CD-ROMの中に、77年の久保講堂のライブ音源ってのが収録されてて、一応ライダーズ名義になるので入れさせてもらいました。ホントは「リラのホテル~釣り糸~砂丘」のかしぶちメドレーになってる。

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「Frou Frou」

(『ANIMAL INDEX』85年)

「る」もね!ないんだよ!なので、フ「ル」・フルで許してもらう。それにしてもほんとにかしぶちさんってば…と言いたくなるなー。オトコマエすぎるし甘すぎる…。この曲は昔、電車の中でウォークマンで大音量で聴いてたら怒られた経験アリ(笑)。爆音で聴くとちょっとトリップする。

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檸檬の季節」

(『マニア・マニエラ』82年)

この曲かしぶちさんぽいけど、佐藤奈々子さん作詞、慶一・博文・武川作曲、なんだよね。この辺が混然としてるのがこのアルバムの魅力かなとも思う。過激なほどコンセプトが疾走してる。

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「Rosebud Hights」

(『MOON OVER the ROSEBUD』06年)

名曲でしょ。名曲だよね。このちょっと安っぽいテクノ歌謡っぷりが素晴らしすぎる。

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「ワンピースを、Pay Dayに」

(『MOON OVER the ROSEBUD』06年)

図らずも新譜から2曲続く。ものすごく不可解だけど、なんか心の変なとこに入り込んでなかなか離れないタイプの曲。良明さんのギターカッコイイ。

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「ぼくはタンポポを愛す」

(シングル『HAPPY/BLUE '95』95年)

で、「ほ」に入れられなかったこの曲を、ムリヤリ「を」に持ってくると(笑)。これ、なんでアルバムに入ってないのかなー。博文詞&岡田曲の、ものすごい名曲。“考えすぎなのは きみも同じなんだ/あのときに ちゃんとした さよならをして”…この世界を、このバンドにユニゾンで歌われたら、私は倒れるしかないわけです。

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「スカンピン」

(『火の玉ボーイ』76年)

そして最後は「スカンピン」で「ん」ってことにして、慶一さん&ライダーズの出発点となる『火の玉ボーイ』で締めくくるっての、どうでしょ。これもせつない、名イントロだね…。しかしさ、赤貧を歌ってもこのロマンティシズム。今聴いても驚愕だけど、70年代の世にはそりゃ異端だったろうね。慶一さんが映画の中で言ってた「フォークに行ってもロックに行っても異端扱い」、そうだろうなと。でも、そこがムーンライダーズなんだな。ああ、愛してる。


あー、永遠に書き終わらないかと思った(笑)。バカみたいにいちいちつまんないコメントや感想つけるんじゃなかった…。この記事書くのにいったい何日かかってるんだっていう…一回徹夜しても終わらなかったよ(笑)。でも、この機会にライダーズの曲ランダムに聴きまくって、つくづく私はこのバンドが好きなんだなって、あきれるぐらい思った。私っていう個人からこのバンドが奪ってるキモチ×時間の総量は、私の中で最大級かもな。今も青春預けっぱなし。

 

もともとやろうと思ってた「あ」から「ん」企画(ライダーズ縛りナシ)は、いずれやろうと思いまーす。

 

(※1) ムーンライダーズの最新作『MOON OVER the ROSEBUD』のオビ文に「30年・19作目のオリジナル・フルアルバム」と書かれていて、ということはつまり、「オリジナル・フルアルバム」は以下のように数えられているのだと思う。参考までにリストアップ。個人的には99年の『dis-covered』はここに入れてもいいんじゃないの?と思うんだけど、ね。

『火の玉ボーイ』(1976)
MOONRIDERS』(1977)
『Istanbul mambo』(1977)
『NOUVELLES VAGUES』(1978)
『MODERN MUSIC』(1979)
『カメラ=万年筆』(1980)
『マニア・マニエラ』(1982)
『青空百景』(1982)
『AMATEUR ACADEMY』(1984
『ANIMAL INDEX』(1985)
『DON'T TRUST OVER THIRTY』(1986)
『最後の晩餐』(1991)
『A.O.R.』(1992)
ムーンライダーズの夜』(1995)
『Bizarre Music For You』(1996)
『月面讃歌』(1998)
『Dire Morons TRIBUNE』(2001)
『P.W Babies Paperback』(2005)
『MOON OVER the ROSEBUD』(2006)