月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

イモヅルずるずる

画像 蝉を拾いに行ったところから「Semi-Detached Suburban Mr.James」を思い出し(バカですね)、同じManfred Mannの「My Name Is Jack」にあらためてシビれ、私がこの曲を初めて知った大好きなムーンライダーズバージョンなどもアタマを巡り、そしてどーしてもオリジナルが聞きたくなってやっと見つけて買いましたよサントラ「You Are What You Eat」。ここにJohn Simonのオリジナルの「My Name Is Jack」が入ってます。

 

68年に全米公開されたというこの映画については知る由もないのだけれど解説を読む限りではかなりストレンジでフリーキーなものだったよう。うん、それはこのサントラにもあらわれている。でもスゴイよ、タイニィ・ティム(ウクレレ片手にポップミュージックをジュークボックスのように繰り出す60年代最大の吟遊詩人らしい…)とやらのいかにも怪しげな歌の後ろで演奏しているのがあのザ・バンド(と名乗る前のザ・ホークス)だっていうのだから。こういうキワモノとホンモノの、何かの役に立つとは思えない邂逅っていいなあ。無駄で無益で不経済。これをひたすら愛してしまう。

 

John Simonの「My Name Is Jack」は、Manfred Mannやムーンライダーズのバンドっぽいサウンドとは違って、ぼっそりとシンガーソングライター的手ざわり。歌もうまくないしね。でも歌がうまきゃ魅力的かっていうとそうでもないところに音楽のマジックがあるのだなあ。エレピの音が、とっても良くって耳に残る。ここ何日かふと気付くとこの最後のフレーズが頭の中で鳴ってる。ウーリッツァーの音なんだって。すっごくいい。

 

そしてここにきてほんとに今頃気付いたのが、ムーンライダーズバージョンの「マイ・ネーム・イズ・ジャック」は、訳詩とレコードにはクレジットされているけどほぼ慶一さんのオリジナル詞だということ。アメリカの匂いがいっぱいのこんな訳詩的世界を舞台の書割のように作り上げる、慶一さんの夢の見せ方に惚れてしまう。ますます好きになっちゃった、この曲。

 

ちなみに「You Are What You Eat」というこのサントラ、97年にCDで再発されたものなんだけど既に廃盤のようでなかなか見つからない。あの今よく売れてるらしい「カフェ・アプレミディ」のシリーズに「My Name Is Jack」が入ってるのを知ったんだけど、どうもこのカフェ系コンピレーションって苦手で買うのを迷ってた。無論カフェにもコンピレーションにも責任はなくて、ただ私のおしゃれ系全般に対する言われなき後ろめたさのためなのだが…。

 

*「You Are What You Eat」