月夜のドライブ

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ムーンライダーズ"NEW YEAR DASH 2009 Vol.3" @ 新宿LOFT

画像やべぇ、出てくる曲出てくる曲好きなのばっか!!!!ムーンライダーズの2000年代に入ってからのアルバム3枚はどれも大名盤だと思ってるし大好きなので、選曲がこの時代からだという今日のライブも相当楽しみにしてたんだけど、それにしてもよすぎた…。2000年代ライダーズ、そうだろうとは思ってたけど、やっぱ最高だーーー!

2009年03月18日Wed.
MOONRIDERS
NEW YEAR DASH 2009 Vol.3
@新宿LOFT
[出演] ムーンライダーズ / 相対性理論
開場18:00 / 開演19:00

 

相対性理論

トクマルシューゴさん、ベースボールベアー、ときて、シリーズ3度めの対バンは噂の相対性理論。私はまったく音を聴いたことなくて完全にはじめてだったんだけど…。何、このカッコよさ!もういきなりクギづけになる。やーほんとビックリした、なんちゅー演奏のうまさなんだこの若者たちは。すっげーな~…。ドラムとギターとベースの音から耳が離せなくなる。でもテクニックだけならうまいバンド他にもいるだろうけど(いやこれだけでも十分すごいんだけど)、このセンスの突き抜け方は、ちょっと半端じゃないよね。こんな切実にブッ飛んだ音、国内で今売れてる音を「標準」と思ってるようなバンドじゃ到底出せないだろうな…。もうこのドラムとギターだけずーっと聴いてたい、と思うぐらいイイ。予想どおりボーカルタイプはちょっと私のストライクゾーン外だったけど…、でも、やくしまるさん直立不動でおもしろい人。なるほど、コレは売れるのわかる気がするね。バカテクオケにウィスパーボイス、これまでもいくらでもあった組み合わせだとは思うけど、双方がここまで極端に突き抜けてるのはコロンブスの卵かも。いいバンドだー。ナマで観れてよかった。

 

ムーンライダーズ

セットチェンジ時間はさんでムーンライダーズ。またしても「5分前でーす」のかけ声とともに流れる楽屋トーク(笑)。今回はあの大名曲「kissin' you till I die」をBGMに(ほんとはこの曲をナマで聴いてみたかったんだけどなー…)。メンバーがボソボソしゃべって、最後にまたサポート夏秋さんに「そろそろ行きますよ!」とせかされるいつもの展開(笑)。で、ステージの幕が上がる。

 

1曲めはソレを受けて「pissism」!インスト演ってるときのライダーズって職人ぽくてカッコイイなー。今日もステージ後方はほとんど見えず。並びは、前列4人はいつもどおり左から武川、慶一、博文、良明、そして後方がまた前回とは変わってて、左からかしぶち、岡田、夏秋。2曲め「We are Funkees」!良明さんのこの詞、私大っ好きなんだけど「レス&ポンスとビリティあんだけど」って、なんか相対性理論みたいだなと思った(笑)。「ムチャ&クチャかな?ってあーたま掻いちゃう若者ポーリポリ」ってホント最高、いいよねえ~。そのあとアルバム『dire morons TRIBUNE』のオープニング「Headline」が流れて、そこから「Morons Land」のド重いイントロダクションが始まる、うわ、今日のライダーズカッコよすぎねえ? そして武川、慶一、とボーカル回したあとの2コーラスめで「天国の…」わーーーかしぶちさんのボーカルが!!わーん、待ってたよかしぶちさんの歌…。もう、たった何フレーズかで破格の存在感。そう、やっぱりライダーズにはこれがなくちゃ。じーんとしてしまう。『dire morons TRIBUNE』は、私が現役リスナー・現役ムーンライダーズファンに復帰したアルバムなので、思い入れひとしお。あの時代にこのアルバム、ほんと震撼としたからね。(ここにちょっと書いたことがある。)

 

『P.W Babies Paperback』から「スペースエイジのバラッド」。うはは、慶一さんのウラで岡田さんのロリ声ヴォコーダーヴォイス、カワイイっちゅーの、アラ還なのに(笑)。ポップで変な曲だなー、岡田さんのメロディってやっぱりいちばん「ムーンライダーズっぽい」かも。そこからサイケなギターがどろりとこぼれて、わーーーヤバい、「銅線の男」だ…。博文さんの凄みのあるボーカル。この日、かなり平均して6人が歌ってたねー、こんなバンドムーンライダーズしかいねーよなあ。サイケシリーズ続き「11月の晴れた午後には」。夏秋さんのドラムが乾いた空気の中を疾走する。メインフレーズの3人ボーカル、バーズみたい、ちょうカッコイイ!

 

「Rosebud Heights」また聴けてうれしい。去年の12月AXで演ったときよりも岡田さんのピアノが立ってて、メロディアスでメランコリックだった気がする。すごくよかった。「Cool Dynamo, Right on」、慶一さんと良明さんのツインギターのユニゾンフレーズがキマリまくってた、こんなの今までになかったんじゃない? 構成がまたカッコよくてね、いちど曲が終わって楽器の音がやんだところで、慶一さんのリードで客席とステージ上に「♪ダイナマイト持ったならフリーウェイでジャンボリー…」と声だけのコーラスが響き、そこにまた楽器が雪崩れこんでくるの!ツンデレファンと無愛想アーティストのあいだにもこういう瞬間がときどき生まれるんだから、おかしくって、そしてちょっと泣けちゃう。

 

本編最後「ヤッホーヤッホーナンマイダ」。このズッコズッコ…っていう和のリズムと、ズッズッズッズッ…って前のめりのビートがめまぐるしく入れ替わるの、ほんと何度聴いてもおっもしろいね。左(武川)、真ん中(博文)、右(良明)、と、客席をわけての「ヤッホー」コールもひさしぶりで楽しい!さらに間奏でメンバー紹介に突入、これがすんげーカッコよさ。良明さんのタメをきかせたフレーズと客席の応酬、すげー盛り上がり!かしぶちさんのお茶目でそれでいて気迫を感じるドラムソロ、いい!そしてそのあとの夏秋さんのドラムソロ、確実に相手を狙い打つ銃弾のような鋭いヒット。もちろん息もできずに散り果てました…。最後の慶一さんのギタープレイは圧倒的な迫力。

 

アンコール1曲めは2月配信だった「You & Us」。慶一さんが取り出したのは(栗コーダーカルテットもよく使ってる)アンデス25!お~、曲の中で笛だと思って聴いてたのはじつはこれだったのかな? さらにキターーーー、良明曲「果実味を残せ! Vieilles Vignesってど~よ!」!!イントロ聴いただけでカラダに電流走る、激かっちょえええーーーー!!!!そしてこの歌詞にバンドを重ね今日もやっぱりジーン…。特に今日は「蝶チョや小鳥が来ますように!」のとこでふっと泣きそうになっちゃう。このバンドがポップさやキュートさをぜったいに忘れないのは、そうか、「切なさも絞り出して苦しんで」の壮絶な闘いの一部なんだなー…とか思えて。そっからの「WEATHERMAN」が、とろりんこイントロからピキピキビートが突っ走り始めて、もうカッコイイのなんのって!こんな音楽演ってる50代、マズイでしょヤバイでしょ、どーなのよ!? アンコール最後の「マスカット・ココナツ・バナナ・メロン」相対性理論のやくしまるさんをデュエットボーカルに迎えて。これまで30年以上、慶一さんはありとあらゆる女性とこの曲を歌ったことがあるはずだけど、その中でもとりわけおあつらえのお相手だったのでは。それにしても、こうして見るとじつは慶一さんとやくしまるさんのボーカルのヘンさって質が近いと思えて、そういう意味で年齢とかキャリアを超えて妙に納得度の高いカップルでした。

 

これで今日は終わりかなと思いながらも「NEW YEAR DASHシリーズ最後」という思いに後ろ髪引かれてオーディエンスが拍手してたら、また出てきてくれたムーンライダーズ!で「When This Grateful War is Ended」。最後、武川さんと良明さんだけを残してメンバーが去って、ふたりの弦の音色でしっとり終わるのかと思いきや、ふたたび全員が戻ってラストのワンストロークだけを弾くエンディング。カッコよすぎ。

 

そうだとは思ってたけど、やっぱ2000年代のライダーズ、最強だよ!そりゃ70年代はすごいし80年代はとんでもないし90年代もかっこいいと思うけど、今のムーンライダーズの底知れないおそろしさにはぜんぜん勝てないと思う。若さという武器を失ってるってのに、こんなアグレッシヴなロックを最前線で平気な顔して連発してるなんて、どっか人として大事な機能が壊れてるとしか思えないもん。ああ、おっかねー。

 

*セットリスト(だいたい)

01. Pissism
02. We are Funkees
03. Headline~Morons Land
04. スペースエイジのバラッド
05. 銅線の男
06. 11月の晴れた午後には
07. Rosebud Heights
08. Cool Dynamo, Right on
09. ヤッホーヤッホーナンマイダ

(encore1)
10. You & Us
11. 果実味を残せ! Vieilles Vignesってど~よ!
12. WEATHERMAN
13. マスカット・ココナツ・バナナ・メロン

(encore2)
14. When This Grateful War is Ended
15. Round Midnight

(※公式サイトにセットリストが出たので少し修正しました 09/03/20追記)

 

好きな曲、いい曲ばっか。2000年代、ほんとキライな曲があんまない。通底する、ある種の「凄み」。若さを捨てたロックの恐さってこんなかなと身震いしてしまうような。今こんな場所にいるのは、シーンをどう見回してもムーンライダーズしかいない。

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