月夜のドライブ

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「あ」から「ん」をムーンライダーズで埋める その1

ずいぶん前に流行ってた企画(「あ~んを好きな曲で埋める」)を、今ごろ思い出したように。普通に「好きな曲」でずっと考えてたんだけど、書き出してるうちに「これ、ムーンライダーズだけでもできそうだよね…」と思い、やってみることに。やーヒマですな私。しかし、さすがライダーズ!50曲近く、いい曲ばっか並ぶ並ぶ。基本はとにかく私のフェイヴァリット曲、やってるうちに欲が出てきて“オリジナルフルアルバム(※1後述)は全部並ぶようにしようか”と、そんな意図で。ちょっとムリヤリで難のあるところも多いけど、コレ、めっちゃいいプレイリスト!でも全部聴くの3時間以上かかる(笑)。

 

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「青空のマリー」

(『青空百景』82年)

昨年4月の野音のライブで、「やっぱり名曲だな…」としみじみ感じてしまった「マリー」。何百回私たちにそう思わせれば気が済むんだライダーズ。それにしても、サエキけんぞうさん&ムーンライダーズのあきれるぐらいシンプルなこの詞が、いつになっても何度でも、こんなに心に刺さるのはどうしてなんだろうな。

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「いとこ同士」

(『NOUVELLES VAGUES』78年)

博文詞、岡田曲。ロマンシング・アドベンチャー・シリーズ、だっけ。細野さんのスティールパンのこのイントロは、イントロ界(そんな界あるのか)の中でも屈指の発明じゃないかな。名曲すぎる。

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「ウルフはウルフ」

(『ANIMAL INDEX』85年)

博文さん詞曲。好き。それにしても「あ~ん」を選んでたら、このアルバムから全曲入りそうになっちゃって(笑)、自分の『ANIMAL INDEX』好きにあらためて驚いた。

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「駅は今、朝の中」

(『ANIMAL INDEX』85年)

というわけで、これも『ANIMAL INDEX』から。しかも同じく博文さん詞曲。この曲、もういやってほど書いてるけど、入れないわけにいかない。私の始まりも、たどり着く場所も、ここにある。そんな歌。

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「O・K、パ・ド・ドゥ」

(『青空百景』82年)

もう、これも文句なしに好きー。昔、自分セレクトカセットテープの最後によく入れてた曲。“時はドアのむこう/ドアに鍵はない/心配いらない/恋はパ・ド・ドゥ”こんなおセンチな詞(かしぶちさんね)を、エアリーなユニゾンで歌う男どもってどうなのよ…って思わなくもないけど、そこに惚れてるんで仕方ない。

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「ガラスの虹」

(『最後の晩餐』91年)

これはまーそんなに好きな曲でもないんだけど(ってそんな…笑)、『最後の晩餐』からひとつ入れておきたいなと思いここに。『晩餐』あんまり思い入れないんだよね。いやそれはアルバムのせいじゃなくて、私がそのころ音楽を大切にできてなかったというだけだけど。この「ガラスの虹」はエッチなPVあったよね、パワステのお土産でもらったVHS持ってるな。

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「kissin' you till I die」

(シングル『kissin' you till I die』01年)

好き。大好き。こんなにエロティックな曲、世の中にあるかなって思う。“雨降る朝に 地を這うような/君のキスする仕草は 泥にまみれて”…こんな詞に、私は一生跪いていくしかない。慶一さんから武川さんへと回す吐息のようなボーカルが甘くてクラクラするし、そこから良明さんにいくとこがまたメチャカッコイイ。

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9月の海はクラゲの海

(『DON'T TRUST OVER THIRTY』86年)

で、無意識に選んでいくとなぜだか、あんなに好きなアルバム『ドントラ』から、これ1曲だけという不思議な現象が起きる。「あ~ん」の特殊な力学が働くみたい。

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「月曜の朝には終わるとるに足らない夢」

(『dis-covered』99年)

『dis-covered』からはこの1曲。DMBQが演奏するラウドでバカうるせー『月面讃歌』バージョンもいいんだけど、こっちも好き。『月面讃歌』(他人のリミックス)と『dis-covered』(オリジナル)を聴き比べると、ムーンライダーズってバンドの本質がよくわかるよね。よくいえばロマンティックで叙情的。悪くいえばおセンチでウェットで夢見がちでしょうがねえなあと(笑)。でも、そこが果てしなく好き。

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「工場と微笑」

(『マニア・マニエラ』82年)

今さら言うまでもない、ジャパニーズ・インダストリアル・ミュージックの最高傑作。これを超えるものは、後にも先にも出てこないでしょ。っていうか、こんなことをやろうって物好きも他にいないだろうし…。

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「さよならは夜明けの夢に」

(『Istanbul mambo』77年)

博文詞・岡田曲のロマンシング・アドベンチャー・シリーズ、これがたぶん第一弾だね。岡田さんのロマンティシズム全開。この曲とか「くれない埠頭」とか「大寒町」とか、このバンドが擁する名曲の多さよ。ヒットはしてないんだけどね…。

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「渋谷狩猟日記」

(『ムーンライダーズの夜』95年)

この「し」が、大変な激戦区だった(笑)。「ジェラシー」「週末の恋人」「ジャブ・アップ・ファミリー」「親愛なるBlack Tie族様、善良なる半魚人より」「静岡」…うわ、ムリ!でもそこを無理してひとつ選んだのはコレ。この、ありえない重量級サウンドかっちょええーーー!!博文詞&良明曲の組み合わせはヤンチャで乱暴で大好き。良明さんのボーカルも最高!

「Sweet Bitter Candy」

(『月面讃歌』98年)

ムーンライダーズの全何百曲かのキャリアの中で、ひとつだけ代表曲を選べという(そもそも無理な)命題に答えるとしたら、私はこの「Sweet Bitter Candy」じゃないかなって思ってるんだ。このバンドの孤高なオリジナリティと、世の中が求めるポピュラリティが、どちらも少しも損なわれることなく、高い場所で結晶してる曲だと思うから(タモリみたいなもんか?)。この曲のありかた、奇跡的だと聴くたび思う。ま、ヒットはしてないんだけどね(笑)。奥田民生がゲストボーカルで唄ってるシングル盤バージョンも悪くはないんだけど、慶一→良明とつなぐこのボーカルの恍惚にはまったく太刀打ちできない。

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「Serenade and Sarabande」

(『MOON OVER the ROSEBUD』06年)

よほど飛び道具使ってはちみつぱい「センチメンタル通り」にしようかと思ったけど、やはりここはムーンライダーズで。このアルバムの曲は、まだ記憶が生々しすぎて、聴くとドキドキするね。ライブのこととかリアルに思い出す。

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「卒業」

(『BYG High School Basement 1』95年)

「そ」は、ムーンライダーズに限らず意外にないんだけど、かろうじて、カバー曲のこれ。この曲の慶一さんのボーカルはひときわ女々しくていいなー。

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「D/P」

(『AMATEUR ACADEMY』84年)

かしぶちさんほど耽美って言葉が似合うアーティストもそうはいないような。前にも書いたけど、「ダムとパール」って、それだけでもう文学。かしぶち詞で博文・良明曲っていう組み合わせは、(ちゃんと調べたわけじゃないけど)たぶん珍しいよね。

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「Cheなんだかなあ」

(『Dire Morons TRIBUNE』01年)

好きだ!このイントロ前のよくわかんないかけ声とかも好き(笑)。ものすごくウェットで深刻なバンドなクセに、ときどき吹きすさぶこの軽薄な空っ風がおっかしいんだよね。それを博文さんがよく吹かせてるってとこも。

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「月の爪」

(『A.O.R.』92年)

ああ、好きだ…。『A.O.R.』もあんまり思い入れはないアルバムなんだけど、この曲には、なかば暴力的に心を奪われる。この鋭さ。この冷たさ。この哀しみ。

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「天罰の雨」

(『Dire Morons TRIBUNE』01年)

今まであまり気にとめてなかったけど、この曲のドラム、重たくてめっちゃカッコいいなーーー。すっげー音してる。博文詞で岡田・良明曲っていうのは、「ニットキャップマン外伝」と同じなんだね。

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「銅線の男」

(『P.W Babies Paperback』05年)

「と」で、「ドントラ」とどっちか散々迷ったけど、こっちに。ああ、やっぱり好きだ…。この曲聴くといまだに、05年春ごろのあの感じがリアルによみがえる。生温かく不穏な風。それに支配される愉しみ。

 

記事を投稿しようと思ったら、なんとブログの文字制限に引っかかってしまった(そんなのハジメテだ)!なので、二つにわけます。「な」から先はその2で…。