月夜のドライブ

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青山陽一さんと「BTOF」

画像タイツ『GIRLIC REPLICA』Disc2についても語り倒すキカイをうかがいつつ、その前に、もうちょっと野音ムーンライダーズライブの話。ゲストの出演順でいえば、みうらじゅんさんに続くふたりめと、めっぽう早かったのだけれど、その意外でありつつピッタリの選曲で、私を昼の日中からメロメロにしちゃった青山陽一さんのパフォーマンスが忘れられない。「BTOF(森へ帰ろう~絶頂のコツ)」。

 

もうね、青山さんが左ソデからギター抱えて出てきて、ギターにシールド差し込んで(青山さんがこの動作をするところメチャ大好きなのだー、なんでだかわかんないけど)、そして始まったイントロが「BTOF」だとわかった瞬間、頭の中ではすぐさま青山さんのあの声が「きみに出会ったその日から」という歌詞を歌うところ想像して、絶対いいにちがいないってドキドキしちゃってた。そして、歌われたその歌は、想像以上の衝撃。ドキューーーン。あ~、すっごくいい…。

 

そもそもゲストが何を歌うかなんて考えもしないで臨んでいたけれど、しっかり予想をしたとしても、青山さんが何を選ぶかは思いつかなかったな。青山さんと鈴木兄弟の縁は深いけれど、青山さんが直接ムーンライダーズとかかわった作品は参加曲もカバー曲もたぶんなかったと思うし。でも、「BTOF」ね~。なんて青山さんに似合った歌なんだろう!

 

「BTOF」が入ったアルバム『AMATEUR ACADEMY』のことは、以前にココで書いたのだけれど、その文章の中で、「BTOF」と、青山さんがいたグランドファーザーズの「ないしょの茂みにて」を、並べてる。そう、私の中では、青山陽一さんとムーンライダーズのこの世界は、裏通りでしっかりつながっていて。ふだんはそんなこと忘れてたけど、あの野音のステージで、この曲が青山さんの歌とムーンライダーズの演奏といっしょくたになってナマで襲ってきちゃった瞬間、いろんな思いで卒倒しそうになるしかなかった…。

 

その後の、青山陽一さんの日記でこんなことが書かれていた。

 

(前略)で、ワタシの場合なんでこの曲を希望したかというと、まずこれは10年くらい前の自分も参加したThe Suzukiのツアーでやったことがあった、というのがひとつ。 あと、ムーンライダーズの曲の中でもエロ度の高い歌詞なので、エロ歌詞にはつい反応してしまうワタシとしては(なんじゃそりゃ)歌ってみたかった。(後略) ~青山陽一さんの06/05/02の日記より~(…このあとにもっとグッとくる記載がありますが、それはリンク先で読んでみてね)

 

The SUZUKIで演ったことあるのは知らなかったなー。そして、「エロ度の高い歌詞なので」のくだりに頷く。そう、青山さんとムーンライダーズを裏通りでつなぐもの。青山さん自身の楽曲は、ムーンライダーズのエロスとは出現の仕方がちがうけれど、この熱っぽくて不用意に脈拍が上がる感じ、確実に共通するものがある。野音で「BTOF」聴きながら思い出していたのは、博文さんのソロライブでゲストだった青山さんが、博文さんのナンバー「Fence」を歌ったときのこと(ココにちょっと書いた)。ああ、この感じ、あのときと同じーーーって。ふだんの青山さんだと表立っては出てこない秘めたエロティシズムが、慶一さんや博文さんの曲を歌ったときに、その距離感ゆえに、思い切り引き出されちゃうのかなって思う。見慣れない角度から見ると、ものすごくドキッとしちゃうような、そんな感じ。

 

…と、妄想気味に「BTOF」1曲で語っちゃいました。ホントよかった、野音で聴いたこの曲。

 

あ、あと今気付いた。青山さんがギターにシールド差し込むシーン(昨年12月のカーネーション「HURRICANE NIGHT」のゲストで青山さんが登場したときも、この絵に悶えた…。)を私が好きなのは、たぶん、控えめで飄々とした青山さんが、狂気の人に変わる瞬間を感じるような気がするからかも。ギターの音を鳴らせる状態になった瞬間に、青山さん普通の人じゃなくなって別のフェイズへ行っちゃうような気がするもん。って、ますます仔細に妄想気味ですが…。

 

*『AMATEUR ACADEMY』ムーンライダーズ