月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

カーネーション『WILD FANTASY TOUR 2006』@恵比寿リキッド・ルーム

画像楽しかったなーーー。昨夜行ってきました!カーネーションのライブ。

LIQUIDROOM 2nd Anniversary
「CARNATION WILD FANTASY TOUR 2006」
2006年 9月3日(日)
恵比寿LIQUID ROOM

バンブルビーのライブや、ライダーズ関連ライブ、西村哲也さんのライブなんかで、直枝さん大田さん矢部さんそれぞれは何度も見てるのに、カーネーションとして観るのは実はすっごく久しぶり、ナント12月の「HURRICANE NIGHT」以来だった…!私は初めてだった恵比寿リキッド、大きさもちょうどいいし、どこからも見やすくていいハコだねー。けっこう後ろのほうで観てたんだけど、会場が一体になって盛り上がってるのがすごくよくわかってホント楽しかった。怒涛の3時間、記憶飛んじゃってて詳しいこと書けないんだけど…。ほんのちょっと、メモ程度に。

 

直枝さん大田さん矢部さんは、スーツじゃなくてシャツだったね。そしてサポートギターの西池さんも(さすがにAC/DCのTシャツではなく・笑)黒系の上下だった。1曲めは意外なことに『WILD FANTASY』からではなかったんだけど、その後アルバムの曲はたぶん全部やったよね。「Echo Park Lakeの衛星ステイション~(Wild Fantasy)」とか「全体から見ればマジック~(MAGIC)」とか「え、なんで?(Midnight Kangaroo)」とか、私がたまらなく直枝政広らしさを感じちゃうコトバをナマでブチかまされて、もうそれだけで悶え死にそうだった…。ああ本当に、なんて驚くべき詞とメロディに満ちたアルバムなんだろう、『WILD FANTASY』って。名曲しかないじゃん!

 

いつもわりと、直枝さんの色っぽさとか、そういうとこにばっかり気を奪われがちな私なんだけど(笑)、昨日は彼らの演奏に真っ正面から撃たれちゃったな。ポップで強靭な矢部さんのドラム、もーほんと何あれ…!矢部さんの両腕のあいだにはまるでゆるやかな風が吹いてるみたい。涼しげに叩いちゃってて必死さがちっともないんだけど(笑)、でも実はいちばんおそるべきことがあそこで起こってる。ハイハットを叩くときの矢部さんカッコイイーーー、見惚れたー。大田さんのベースの迫力と底力は、言わずもがな。そしてね、直枝さんのギター、ヤラれたーーー。めっちゃカッコよかった!「ギタリスト・直枝政広」の魅力をこんなに感じたの初めてかもって思うぐらい。たしか「Wild Fantasy」で、間奏の直枝さんのソロに入るとき、直前から会場がグワーッと盛り上がって、ソロ弾き終わった途端拍手喝采だったとき、あー、ここにいる人たちみんな今回のアルバムの魅力をとことん共有してるんだなーと思って何だかじーんとしちゃった。ほんと、ギタリスト直枝政広、今凄いことになってる!それと、西池さんのサポート、どストライク!!めっちゃイイよ!もしかしたら人によって好き嫌いはあるのかもしれないけど、私は今のカーネーションのサポートとして最高だと思ったなー。「巧い」タイプのギタリストじゃないと思うんだけど(私に言われたくねーな)、いい意味で大ざっぱでヤンチャな勢いがあるんだよね。こういうアメリカ大陸的なワイルドさを持つギタリストって、意外にこの周辺いないような気がして、今回カーネーションが西池さんにサポート頼もうと思ったのすごくよくわかった。だって「WILD」「FANTASY」だもん!直枝さんと西池さんのギターの絡み、なんども快感が背筋を駆け抜ける場面があったな…。ホント、最高だった!

 

それにしても、ロックバンドとしてあれだけの“完璧”なアルバムを完成させちゃったあとの「レコ発ライブ」となったら、さぞや気合入りまくりで、ステージ進行とかもキメキメなんだろうなと想像してたら、衣装もスーツじゃなかったし、特別奇をてらった演出もなかったし、直枝さんのMCとか相変わらずのボソボソな感じで、そこがむしろ愛しくてたまらなかったな。ああ、カーネーションはやっぱりカーネーションなんだなって。だって、最初のMCが、ライダーズ@野音のときのDVD(たぶん今ライダーズが編集中の)を直枝さんが見た感想で、「アンコールのときのゆるずがすっごく楽しそうなのが印象的でねー。ああ、ゆるずが死んだら、オレこれを見て泣くんだろうなって」って(笑)!たしかにあのとき私もそう思ったけどね、直枝さんと青山さんがギターでライダーズへの仁義切ってる脇で、大田さんただひたすら楽しんでるよって(笑)。その話題で、大田さんが「そんなこと言ったらまた博文さんに怒られちゃうよ…」って、博文さんの似てないモノマネしてたのも、湾岸バカ的にはひそかにウケまくりました(笑)。

 

ただ1曲1曲をぶち放していく愚直で誠実でそれゆえカーネーションらしい進行の中で、ひとつサプライズだったのは、大田さんが1曲、メインボーカルをとったこと。直枝さんの曲紹介がまたおかしくて「この曲ねえ、オレ自信あるんだけど、いちばん人気ない曲だと思うんだよね。絶対みんな飛ばして聴いてると思う」って(笑)。自分の曲のことそんなふうに言うか(笑)。「でも、ゆるずが自分でこれ歌いたいって言ってくれて、すごくうれしかった」大田「うん、なんかね、この曲すごく好きなんだよね」、で、なんと「蜘蛛のブルーズ」。でも、大田さんが下に置いた歌詞が自分の影でまったく見えなかったそうで、途中で歌止まっちゃった(笑)。目の前に譜面台置いてもらってやり直し!あーでも、大田さんの歌、すっごくよかったなー。大田さんのボーカルに直枝さんがコーラスをつけるシーンなんて、なんかキュンとしちゃった。

 

「Edo River」もやったんだよ、「REAL MAN」もやったんだよ、「ハイウェイ・バス」も「PARADISE EXPRESS」も!他にもあんな曲やこんな曲やいっぱいあって、感想書き出したらキリがないんだけど…。この日の個人的なハイライトは、ラストに巡ってきた。ライブ始まったときからなんとなく「今日もしこの曲やってくれたら、私泣いちゃうな…」って思ってたんだけど、まさか最後にくるとは思わなかった。「The End Of Summer」。崩れ落ちた…。前にも書いたけど、ほんとにヤラレちゃうんだ、この歌。こんな夏の終わりに、この詞、このメロディ。あーダメだ…。

 

アンコール。直枝さんひとりが出てきて、ピンスポットの中、アコギでひとり歌う「ANGEL」。シビレた…。あやさんなんかから「直枝さんの最近の弾き語り、スゴイことになってる」って噂聞いてたけど、これがそうなのね…。直枝さんの声と歌、デビュー20年を超えて、今まででいちばん艶があるんじゃないかなって思うぐらい、圧倒的。ため息。

 

そのあと、この日初めて西池さん抜きの3人のカーネーションで、「やるせなく果てしなく」っていうのも、グッときたなあ。そして、また西池さん呼び入れて「夜の煙突」!これ、楽しかったーーー。何より、演奏してるメンバーがいっちばん楽しそうだった!最後、ドラムのセッティングされてる台の端に飛び乗ってベース弾く大田さん、赤いエレキをかき鳴らしながらステージ上を右に左に走りまくる直枝さん、もーあなたたち幾つよ(笑)!ほーんと今日の4人、終始めっちゃ楽しそうで、こっちも最高にウレシくなっちゃったなー。

 

『WILD FANTASY』というアルバムはロックとしてあまりに最高で完璧で圧倒的で、そんな場所にまで辿り着いてしまったカーネーションというバンドにただ驚愕してたんだけど、ライブは、最高の演奏と背中合わせの、彼らの情けなさやすさみや歪みや荒くれがやっぱり感じられて、すごくすごくいとおしかった。そいつを内に抱えてるからこその「最高」なんだなって、当たり前だけど、あらためて確認した。

 

カーネーションはたぶん、ここにさえ、とどまっていないんだろうな。3人の視線は、きっともう先を見つめてるんだろう。どんな理想郷に至ったとしても、さらに困難な旅を続けずにいられないのが、険しい道に向く足を止めずにはいられないのが、カーネーションってバンドなんだ。昨日の彼ら見てて、そう思った。


他にもいっぱい書きたいことあるんだけど、それはまたねー。


(追記)nakamura8cmさんからのTBが入らなかった!らしいので貼っときます、こちらへどぞ~。nakamura8cmさん、どもねー。