月夜のドライブ

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カーネーション「HURRICANE NIGHT」@渋谷AX

画像日付を2つ通り過ぎちゃったけど、12月10日、カーネーションのライブ「HURRICANE NIGHT」@SHIBUYA-AXに行ってきたー。もう、ブッ飛ばされポイント多すぎて、何が何だか。あまりの濃さに、記憶は直後で既に息切れ状態。あったことを、時間軸に沿ってしっかりと、なんてとても書けそうにないから、メモ程度に。他の人が読んでも役に立たないと思うけどゴメン…。

 

超個人的に、この日のハイライトは、3人での「やるせなく果てしなく」、それから、カーネーション+青山さん+香取さん、の「ハリケーン」でした。特に「ハリケーン」、超ヤバかった…。ライブで、あんな世界を描き出せるの、どう考えてもこのバンド、カーネーションしかいない。

 

何かね、去年の九段会館のライブが盛大なパーティーだったとしたら、今日は、同じ年末ライブでも、ホームパーティーみたい、って思った。だってね、ゲストが、直前に告知のあった青山陽一さん、ヴィブラフォンの香取良彦さん、の他に、鳥羽修さんだったのだ!直枝さんが「“元カーネーションの”鳥羽くんです!」って紹介するんだよ、くそー、何だか泣き笑いなキモチになるじゃん。ああ、青山さんと鳥羽さんだなんて、もう勝手知ったるというか同じ釜の飯食い続けてるというか手の内全部知り尽くしまくってるというか、とにかくそんなメンバーだものね。カーネーションの3人もすごくリラックスムードで、のびのび好きなことやってる感じで、よかったなあ。

 

予告されてた「ステージ前ステージ」(幕の前に設置)から、ライブはスタート。ナント3人ともタキシードに蝶ネクタイといういでたちで登場!(この蝶ネクタイが、実は歌うのにムチャ苦しかったらしい。笑) 矢部さんスティールギター、直枝さんアコギ、大田さんベースで。このコーナー(あとのMCで直枝さんが「生音を広く拾うタイプの昔のマイクで、あったかみのある感じでやりました」というようなことを言っていた)では、直枝さんの「歌」の力をあらためて感じたな。なんでもないシンプルな歌声が、ストレートに心に届く。「市民プール」「魚藍坂横断」…ああ、なんていい歌なんだろう、ね。

 

何曲かそのセットで披露し、拍手の中、幕の中に身体を滑り込ませて消える3人、幕が開いていよいよ本編へ!ここから会場も一気に総立ち、「Rock City」。で、ここでまずマイッちゃったのが、ゲストの香取良彦さんのヴィブラフォン!いやコレ、もうサイコー!!ゲストにヴァイブ奏者、と聞いたとき、正直その音像をうまく想像できなかったのだけど、うわ、こういうことなのかー!いやもう、サイコー。アシッド風味満点で、背筋ゾクゾクするカッコよさ。カーネーションサイケデリック・サイドが全部むき出しになっちゃって、ああ色っぽいったら…。またこの香取さんという人が、見た目サラリーマンみたいな折り目正しい雰囲気なのに、ひとたび演奏始まると、動きも音も超アグレッシブ、ヴィブラフォンってこんなヤバイ楽器なのかよ…!って、マジクラクラした。このあともね、ヴァイブの入った曲、どれも相当妖しくキケンだった。

 

何曲か演ったあと、直枝さんが「今、次のアルバムを録音してるんだけど、次はその新しい曲をやります。」「…コレ、難しいんだよね。カーネーション史上一番難しいかもしれない…」って笑って、「ソウル・パワー」。キャッチーなイントロ!ポップなメロディ!またしても、なんてイカす曲なんだー!すごい、すごい、フレットの上をこれでもかって動きまくる直枝さんの指!ああ、20年もキャリアのあるベテランバンドが、こんなフレッシュな力に満ちたポップチューンを放てるって、いったいどういうことなんだろう…。

 

5~6曲やって、かなり身体があったまってきたかな、ってとこで「じゃ、ここで10分休憩ください」。物販やトイレに行っておいで、と直枝さん(笑)。そして、ここからが、ほんとスゴかった…。3人がステージに戻ってきて、後半戦初っ端は「SUPER ZOO!」うをー!がおー!で、このイントロ、ああ、「やるせなく果てしなく」…。これを聴きながら、私、なんか勝手にいろんな思いを重ね合わせちゃって、この日一度めの崩壊…。大好きだったこのバンドの音から長いことずっと離れていて、ふとしたキッカケでふたたび足を止めた私を、迎えてくれたのが『LIVING/LOVING』の1曲めのこの歌だった。甘くて、せつなくて、そして強くて。どんなに生活が慌しくなっても、どんなに音楽から心が離れることがあっても、彼らはずっと変わらず同じ場所にいて、こんなメロディで迎えてくれるんだ。いつでも、きっと。…そんな勝手な思いが、この曲を聴きながらわーっとあふれてきちゃって、どうしようもなかった。さらにそれに続くのが、あの頃どんだけ聴いたか知れない「マイ・フェイヴァリット・ボート」で、余計に、もう。どうしたらいいんだろう。

 

そっから先がまた大変!イントロに乗っかって、珍しく大田さんがしゃべり出したと思ったら「じゃあ、ここで今日のゲストを紹介します。青山陽一~!」ああ、だから大田さんのMCなのねとそんな細かいところにまで勝手にじーんとしてるそばから、ギター抱えて青山さん登場ー!キャーーーーカッコイイーーーーッ!!黒スーツの3人に囲まれ、ステージの真ん中でギターにシールド差し込む青山さん、もーやっぱりステキステキステキーーー(惚)!!!「なにかきみの大切なものくれるかい」、直枝さん+青山さんのハモリがすんごくキマッててね。うわ、この二人、こんなに歌うまかったっけ?(笑・失礼)なんて思っちゃった!

 

で、その次の「Superman」もすごくよかったんだけど、さらに…。リズムボックスの打ち込みの音が聞こえてきて、矢部さんのバスドラが入ってきたと思ったら、「ハリケーン」!!うっわー…好きだよ大好きだよ、どうしよう…。もうね、この日聴くこの曲、とんでもないことになってた!ただでさえヘンな湿度のあるこの曲が、青山さんのギター+コーラスと香取さんのヴァイブで息苦しいほど妖しくなっちゃって、もう、その底知れない妖艶さに足元すくわれるようで。クルクル回る万華鏡の中に、身体ごとトリップしちゃったみたい…。ヤバイヤバイ、帰ってこらんないよ…。さらに後半に突入して、直枝さんと青山さんの、いつ果てるともないギターバトル。直枝さんの、融通が利かないってぐらいにまっすぐなギター。青山さんの、自在に音を縫う幻惑のギター。2つが絡み合って、重なり合って。ああ、どうしよう…シアワセすぎる…。たぶんこの曲、10分近く演ってたんじゃないかな。こんな圧倒的なギターサウンドを、日本のここで、ナマで聴けることに、涙が出そうだった。それは、直枝さんや青山さんたちが、飽くことなく10年も20年も音楽を愛し続けることで、ここに築かれてるんだと思ったから。この「ハリケーン」聴けただけでも、来てよかった…。最高。

 

もうここまでで十分に崩壊してるのに、まだまだ大変なことは続く。インスト1曲演ったあと、大田さんが直枝さんのアコギ抱えて直枝さんサイドに立ち、直枝さんが大田さんのベースしょって大田さんサイドに。真ん中の青山さんは相変わらず飄々と(笑)。で、何やるのかと思ったら、「グッバイ!夕暮れバッティング・マシーン」、しかも大田さんボーカル+青山さんコーラス~!!これが、すっごいよかったんだーーー(泣)。ああ、こないだの西村さんライブのグラファン「プチ再結成」に引き続き、また個人的な事情でキモチは大泣きだよーーー(泣)。たびたびうるさくてごめん、でももうこれ、しょうがない。大田さん+青山さんのハモりはうつくしく、この歌のせつない曲調とあわせて、また私の中に何かがぶちこまれちゃった。この人たちがずっと辿ってきてる道。グランドファーザーズを経て、ソロとカーネーションに軌跡はそれぞれ分かれても、追い求めてることは、あの頃と何も変わっていないんだ。勝手に、泣けてしかたない。

 

ここで青山さんはソデに下がったのだけど、会場どよめくどよめく。だって、大田さんがおもむろにドラムセットへ、直枝さんはピアノの前へ、そして矢部さんがベース担いじゃった!うははは、しかも「ハンバーガーですね」だよ!参った、日本最強のロックトリオがいきなり文化祭の高校生みたいな超ガレージな音鳴らすんだから!でもさ、カーネーションって、気持ちはいつもこうだよね。20年やってても、「熟達」なんて退屈な言葉は蹴り飛ばして、わざと人のいない道を選んでく。そんな彼らのやり方の、これはユーモラスな表明だと思ったよ。

 

はー。まだあるんだよ。大変だよ。次の「摩天楼に雪が降る」の間奏で、鳥羽さん登場しちゃったもの。そんときの客席の「うおーっ」ってサイコーに熱い反応も、忘れられない。あー、この鉈が腹に落ちるような重たいギター、鳥羽さんの音だーーーー。カッコいいなあ。そんで、うあー「愛のさざなみ」きちゃったよーーー!かっこえええーーー!!しみじみ、あらためて、ひたすら、カッコイイ!!この曲をこう演る感覚、これこそがカーネーションなんだよなあ。こんなバンド、他にどこにもいないよ。

 

こっから「ANGEL」「Runnin' Wild」「PARADISE EXPRESS」ってたたみかけられちゃうんだよ!とんでもないバンドだよ、あり得ない、この名曲の嵐。もう完全に、意識吹っ飛んでた、このあたり。ああ、もう、どうにでもして!

 

アンコールの拍手が続きステージが明るくなると、黒スーツから今回の「King Of Garage Soul」Tシャツに着替えた3人がふたたび登場。私は初めて聴く「Venture Christmas Time」、すっごいカワイイ曲だった。そして、ここで、(株)ハリケーン社長・本根さん呼び込まれ、設立の経緯や意気込みをご挨拶。で、直枝さんが「みんなでお祝いしたいと思って」と、4人で樽酒をステージ正面にて鏡割。客席のみんなのあったかい拍手。さらに「この酒、終演後ロビーでみんなにふるまいます」に大拍手。そして最後は、青山さん鳥羽さん香取さん全員呼び込んでの「夜の煙突」!30代後半女子も思わずがんばって汗かいちゃいました(笑)。ああ、もー何も言うことありません…。

 

すでにこの時点で10時近かったと思うんだけど、その後ほんとにロビーで、カーネーションの3人手ずから、こも樽のお酒を紙コップに注いでお客さんに手渡してくれて(私は矢部さんから。キャー♪)、直枝さんの音頭で「乾杯」と。なんて前向きで楽しい!こんな気持ちを味わわせてもらえる音楽ファンも、そうはいないよね…カーネーションのファンって、本当にシアワセだ。ここでお初のあやさんともお目にかかれて、乾杯できて、シアワセは増幅。

 

「HURRICANE」のフラッグにも書いたさ、「メイワクかもしれないけど一生ついてくって決めた」ってね。ついてくよ、いやでも。そうするしかないじゃん、こんなバンド。ああ、最高の夜。サンキュー、直枝さん、大田さん、矢部さん。サンキュー、カーネーション!!

 

 

(あー「メモ程度」どころか、長っげーよ…。もし読んだ方いたらスミマセン、自己満足で書いちゃった。書き始めたら書かずにいられなかったよ、やっぱ。書きたいこともっともっとあるんだけど、それはまた折を見て、ね。)