月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

大変なグランドファーザーズ・ブームでどうしよう

画像いやもう大変だー。何がって、私の中に吹き荒れるこの「グランドファーザーズ」ブーム!今の時代にグラファンブームが巻き起こってるのなんて私だけだろうけど(苦笑)。(ちなみにどうでもいいことだけど私のMS-IMEは「ぐ」で「グランドファーザーズ」に一発変換。)これはね、もう明らかに昨年9月の西村哲也さんライブでの、思いもかけぬグラファン再結成状態に端を発してるわけですが。さらに12月になってカーネーションのDVDでそのときの「TRAVELING MOOD」の映像を見ちゃうわ、『Broken Words And Music』発売で青山さんへの発熱はさらに増すわ、引き続き夏秋さん祭りも加速してるわで…。ああ、もうどうしよーっ!私の音楽生活の原点に、やっぱり、グランドファーザーズってこのバンド、どうしようもなく存在してるんだよーーー。今もなお、私をグラグラ動かすぐらいに。

 

で、画像のCD『GOLDEN HARVEST』。青山陽一さんが徳間ジャパンに移籍した99年に、それ以前の青山さんの仕事のまとめ的な意味で出たグラファンのベスト盤だけど、私つい最近やっと、これ買ったのです。グラファンの2枚のオリジナルアルバムはもちろん持ってるし、サクラレコードのアナログもナゴムのシングルもリアルタイムで買って聴いてたから(まさにグランドファーザーズバカ…)、ベスト盤はいいかなって思ってたのだ。発売の99年ごろはちょうど音楽から離れちゃってた時期でもあったし。でもここに来て、2曲だけ入ってるライブバージョンが気になって、やっぱり欲しくて欲しくてしょうがなくなっちゃってね。でもこれ、HMVなんかで相変わらずカタログには載ってるんだけど、注文してもちっとも入荷しないんだよ。たぶん、もうないんだろうな…。そう思いながらダラダラ待ってたら、別のとこで発見。神様、ありがとー(泣)。

 

で、聴くわけですが。もうなんだか、いきなり大泣き。比喩じゃなくてほんとに涙こぼれそう。1曲めの「TRAVELING MOOD」は言うまでもなく大大大好きな曲、っていうだけでなく、もうこれは日本のルーズ・ギターロックの名曲として、他の追随を許さないでしょ。2005年に西村さんライブで聴いたこれもカッコよかったし、50年先にやっても変わらずカッコいい曲だと思う。「SOY BOYの悩み」は“青山陽一の5曲”にも書いた、勝手に私にとっての運命的メロディ。「ないしょの茂みにて」、これを聴くと、私は自分の卒論を思い出すのだ、以前この記事の最後のほうにちょこっと書いたのだけど。…とまあ、最初の3曲から、曲自身の今なお失せない輝きと個人的記憶が絡み合って、とんでもないことに…。マジ身動きできない…。そして、サクラレコードのオムニバス『Blue Turns To Grey』に入ってた「きかん坊」と「WHITE STEAM」は、持っているとはいえ、さすがに聴くのはものっすごい久しぶり!うわわーまたしてもいろんな記憶が一挙に押し寄せるううーーー。こんな曲だったっけ、「きかん坊 early version」。そうそう「WHITE STEAM」は、このねじれたポップさが気持ちよくて、よく人に贈る自分編集テープに入れてたっけなー。

 

このベスト盤を手に入れて心底よかったと思うのは、セルフ・ライナーが充実していること(また青山さんのライナーネタだ・笑)。すべての曲に、青山さん・西村さん・大田さんのひとことがついてる~。メンバーの、録音やライブについての記憶や、曲への思い入れを読んでると、いろんなことをまざまざと思い出してまた泣きそうになったり、知らなかったことを知って新鮮な気持ちになったり。

 

そして聴き進めていくと、問題の2曲のライブテイクに行き当たるんだけど…うわ、ヤバイヤバイ、まじヤバイです…。「にんじん」ライブバージョンで、あー私の20代の記憶がーーーっ!どどどっとあふれて止まらないーーーっ(泣)!この曲今聴いてもすんげーカッコイイよな…!そう、ライナーノーツにも書いてあるけれど、この曲、ライブでやると異常に盛り上がったんだ、青山さんのボーカル、大田さんのコーラス、演奏もものっすごい緊迫感で。20代の頃から40代の今まで印象変わってない感じする青山さんだけど、これとか聴くと、やっぱり若い!って思うよね。若さゆえのCRAZYでRAGEなブチ切れた感じが、すごくある。次の「石のうさぎ」も、盛り上がる曲だった、だいたい最後のほうに演ってくれて、キャッチーなサビをみんなで(といっても多くはない人数だが・笑)いっしょに歌って跳びはねてた記憶。たぶんね、カーネーションにとっての「夜の煙突」みたいな曲かなーって、これはだいぶ前に、私は勝手に位置づけてた(笑)。あのころ、グランドファーザーズのライブっていうと必ずラ・ママで会う、千葉から来てた2人組の女の子たち、今ごろどうしてんのかなー。ひとりは、ホントはグラファンより田島くんの「ラブ」(彼女はオリジナルラブのことそういう言い方をしてた)のほうが好きなんだとか言ってたっけ。って、私の記憶、どこまで突っ走って行くんだよ!いやしかしこの「石のうさぎ」もホント名曲。ライナーで青山さんも大田さんも口々に言ってるけど、イントロの西村さんのギターフレーズが凄い。普通の人は絶対考えつかないよ。あーもう、私、西村さんのこういうギター本当に大好きなんだ!それは今もまったく変わらない。このどっか狂ったギターが私のスタンダードになっちゃってるんだよーーー、あのころどんだけナマで浴びたかわからない西村さんのギターのせいで!ああ、やっぱ大好き、グランドファーザーズ(泣)!!!

 

ちょ・ちょっと興奮しすぎた…。ここまで書くあいだに、きっと細い血管何本か切れたな…。えっと、長くなっちゃったんで、最後に入ってる「流れ星老人」のことは、また別に書こうかな。いやホント、手がつけられないよ、私の中のこのブーム。どうなっちゃってんだ、まったく…。でもさ、80年代終わりのこのバンドの音を語ることが、あながち年寄りの繰り言ばかりにも陥らず(私の書いてるのは繰り言でしかないけど…)、今への軌跡を感じることにもなるのは、青山さん、西村さん、大田さんが、今も素晴らしい活動を続けていてくれるから、なんだよね。何というしたたかさ。

 

ああ、20代の私は、偶然かもしれないけど本当にいいバンドに巡りあえてシアワセだった。でも、今の私の方がもっとずっとシアワセ。今の青山陽一、今の西村哲也、今の大田譲を聴けてるんだから。

 

*『GOLDEN HARVEST』グランドファーザーズ