月夜のドライブ

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esqの新譜『Sing-A-Ring』

画像esqエスク)の2年ぶりのNewアルバムが発売になり、通販で届いたので聴いてます。ここ月ドラではこれまでもけっこう書いてるけど、esqとは元スターダスト・レビュー三谷泰弘(みたにやすひろ)さんのソロプロジェクト。今回のこのアルバム『Sing-A-Ring』にも、私の大好きなドラマー夏秋文尚さんが参加してます!

 

esqは、三谷さんがスタレビを辞めた翌年の95年にファーストアルバムを出しているので、もう活動歴は12年にもなるんだね。そしてそのあいだに、ライブ盤も含めたアルバムをこれで13枚(たぶん)もリリースしているのだから、三谷さん、とても勤勉だなー。esq自体は三谷さんのソロだけど、初期から基本のレコーディングメンバーはほぼ固定していて、それがドラムス夏秋文尚、ギター飯塚昌明、ベースBARA、パーカッション山口とも、サックス山本公樹(こうじゅ)、というメンツ(もちろんキーボード類はぜんぶ三谷さん)。ものすごい実力者ぞろいで、すげー贅沢です。今回の『Sing-A-Ring』も、基本はこの5人+三谷さん+ときどきホーンの小林太さん、という演奏。

 

三谷さんの音楽はいつもそうだけど、今回も、その妥協のない王道ポップ職人ぶりに目を見張る。本当に、クオリティの高いポップスを作り上げることに情熱を捧げてる人なんだなー。それに(私はホントに歴史の浅いリスナーでしかないのだけど)、三谷さんますます歌が上手くなってる気がする。ミュージシャンキャリア25年を越える三谷さんが、この期に及んで歌の面でも音づくりの面でも、まだまだレベルアップする余地を見つけて、その努力を惜しまないことがすばらしい。音楽界を担う若者たちはスピッツくずれみたいな歌ばっかり歌って「ポップス」とか言ってる場合ではないよマジで。(あ、スピッツは悪くないんですけど…。)「ポップス」を標榜するならこのレベルまで追求してから一昨日おいでという感じ。

 

夏秋さんのドラム、飯塚さんのギター、BARAさんのベースはやっぱりカッコいいなあ。…と、ロック好きなのでついこの3ピースを聴いてしまう。まあこのところ、ありえない近距離で夏秋さんの爆裂ドラムを聴き続けてきた身としては「ドラム、ずいぶん遙か彼方だなー!」(笑)って思ったりしなくもないんだけど、そこと比べちゃダメだよね…(笑)。三谷さんらしいライトな80年代風味ポップの中で、夏秋さんのドラムもいつになく軽やかなんだけど、シンバルの色っぽい音とかイントロやブレイクでのちょっとしたクセとか、やっぱりどうにも夏秋さんらしくて、音の向こうに叩いてる姿が浮かんじゃいます…(熱)。飯塚さんのギターが空気を切り裂くハードな印象の「Mirage」は、ライブで聴くのが楽しみだなー。

 

画像と、アルバムの曲たちもよいのだけれど、同時発売のシングル盤『しじま』にしか入っていない「Freebird」という曲があって、これが私すっごくお気に入りです。イントロ、夏秋さんのドラムで始まるんだけど(だから気に入ってるってわけじゃないよ…まあ少しはあるけど・笑)、これがえらいカッコイイーーー(泣)。ひんやりした手ざわりの曲調の中、熱っぽさを押し隠すように淡々と鳴るドラム、ドキドキするほど素敵だなー…。これを聴いて気付いたけど、私、映画のエンドロールのようにアンチクライマックスに淡々と流れていくエイトビートの曲、ってのに弱いみたい。この曲もそうだし、チューインガム・ウィークエンドでいちばん好きかもしれないぐらい好きな「WATER PISTOL」とか、山下達郎でいちばん好きかもしれないぐらい好きな「BLOW」もこのタイプだ…。シングル盤まで買って聴く人はあまりいないかもしれないけど、この曲はおススメです、うん。そういえば青山陽一さんにも「Free Bird」という曲があって(『ODREL』収録)、それ叩いてるのも夏秋さんだったね。

 

esqはいつも(といってもここ2~3年のことらしいですが)、このレコーディングメンバーをそのままバンドに据えたライブをやってくれていて、一昨年去年観たのだけど、夏秋・飯塚・BARAという強烈にロックな3名がナマ音をぶっ放すステージは、ちょっと三谷さんのイメージをくつがえすぐらいスゴイ(笑)。三谷さんのキーボードもそれに呼応するかのごとくヒートアップしちゃうし。山口ともさんヘンだし(笑)。今年もきっとバンドライブはやってくれるよねー、ああ激しく楽しみ。

 

*『Sing-A-Ring』esq / 『しじま』esq