月夜のドライブ

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esq “The Trio”Tour '08 @ 千葉 LIVE HOUSE ANGA

画像土曜日に、esq(元スターダスト・レビュー三谷泰弘さんソロ)の“The Trio”ツアー千葉公演に行ってきました!三谷さんが、ベースのBARAさん、ドラムの夏秋さんと繰り広げてきた「週末ドライビング・ツアー」も、8カ所めのこの千葉でとうとうファイナル。そんなライブだけあって、やっぱり、この日の3人の演奏はいつも以上の特別な熱さと輝きに満ちているようだった。それにしても、私はたった2公演見ただけだけれど、このesq “The Trio”、心底いいバンド・いいライブツアーだった!これで終わってしまうのが寂しくてしかたないです…。(以下、感激しすぎて長文)

 

esq “The Trio”Tour '08
メンバー:三谷泰弘(Vo,Key)・BARA(榊原雄一)(Bass)・夏秋文尚(Dr)
千葉公演
日時:2008年8月2日(土) 開場 16:30/開演 17:30
場所:千葉・LIVE HOUSE ANGA
料金:前売:¥5,250(税込)/当日:¥5,500(税込)

 

■千葉へ

というわけで1カ月前の江ノ島公演に続き、「こんなとこでライブ観ることになるとは思わなかったなあ」シリーズ。またしても週末の遠路を電車に揺られ、こんどは千葉駅へ。花火大会もしくはお祭りがあるのか浴衣姿の女の子であふれる駅周辺を抜けて、会場「LIVE HOUSE ANGA」へ。

 

ANGAは地下一階にあって、少し縦に長いほぼ長方形のハコ。ステージ奥にはドラム台があり、スピーカーはデカく、照明はばりっとセッティングされ、ミュージシャンもちゃんと舞台ソデから出られるようになってる、しっかりしたライブハウスでした。個人的なハナシだけど、私、esqのライブではわりといつも「ドラマー・ビュー」(どんなビューだ)に恵まれていて、今回もドラムがすごくよく見える位置に座れてしまった…。おかげで夏秋さんの手元までかなり堪能、…うっとり。視界の神様(そんな神様がいればだが)、ありがと!

 

■前半

前回の江ノ島公演では、意外なアレンジや意外な選曲が特に印象に残ったのだけれど、この日はそれに加えて、スタンダードな曲や王道ポップなナンバーのよさがじーんと心にしみこんできた。ツアー観るのが2度めで、ライブの最初からトリオの音にスッと入れたからかな。それに何しろ、3人の演奏、この日は明らかにいつもより熱く激しかったと思う!「Ride on a bus」やスターダストレビューの「夜間飛行」「Whisky A Go-Go」あたりのナンバー、強く高く空にはじかれてキラキラしてた!このあいだはその繊細さにドキドキした「砂の上のBlues」も、この日は相当ロックな感じで。後半に至って「この曲、こんなに激しかったっけ…?」ってびっくりしちゃうぐらい。ああ、カッコよかったー…。

 

ふ~。それにしても、夏秋さんのドラム、だ…。良好なドラマー・ビューを手に入れたおかげで、夏秋さんのスネア(たぶんいつものsonor)の手元がよく見えて、もう、すいこまれるようだったな…。彼の左手を見てるといつも、まるで魔法のよう、と思う。どうしてあんな動きをして、あんな信じられない音を出すんだろう。ハイハットを叩く仕草も、いちいち胸が痛くなるほどカッコよかった…。ときどき、BARAさんと夏秋さんが目を合わせてふっと笑顔になる瞬間があり、それがまた微笑ましくてこちらまでニヤニヤしてしまったり。

 

■カバー曲リクエス

中盤、三谷さんのライブではいつも、観客のリクエスト曲を弾き語りで歌ってくれるコーナーがあるのだけど、ここで個人的に忘れられないデキゴトが。そう、この日カバーリクエストの1曲めに歌ってくれたのが、私がリクエスト用紙に書いた「La La Means I Love You」でした(他にも同じ曲を書いた方いたかもしれませんが)。この曲、直前にふっと思いついて用紙に書いたのだけど、「ララララ…はアイ・ラヴ・ユーってことさ」って、すごく三谷さんっぽいなあと思って、ね。三谷さんのファンへの"I Love You"は、いつも何気ないハミングやメロディでできていて、とてもさりげないけれど、いちばん深く相手の心に届く。三谷さんのそんな飾らない人柄や音楽をこそ、みんな愛してるんだよね…。なんて、そんなことを勝手に思いながらリクエストした曲だったので、実際に三谷さんの声で聴くことができてすごくうれしかった。私の身には余るようなデキゴトでした。それにしても、Delfonicsのこのソウルナンバーが、三谷さんにかかるとまったくNYのシンガーソングライターの歌のように聞こえてびっくりしちゃったな。カバー曲の醍醐味。

 

■メンバー紹介MC

さらに曲をはさんだあとにメンバー紹介MC。おっかしかったー。三谷さんが「今回のツアーで印象に残ったことは?」と振ったら、夏秋さんが「おもしろくなかった日は一日もないですね(笑)」って。そしていくつか目立った事件(魚屋事件やそば事件など)を語ったと思ったら、おもむろに「で、このツアーはまたやるんですかね?」と夏秋さんから三谷さんに鋭いツッコミが。観客の大拍手の中、三谷さんが笑いつつ「やりますやります」と答え「…それ、べつに楽屋で言ってもいいじゃない(笑)」すると夏秋さん「いや、ここで約束したほうがみんな聞いてるし…」って(笑)。ほんとこのツアーすばらしかったから、いつかと言わずまたすぐにでも観たい!たぶん、Trioライブを観た人すべてが同じ思いじゃないかな。

 

BARAさんの話は、待ってました!の夢の話。パチンコ屋にBARAさんと、なぜかパチンコなんかやりそうにない三谷さんまで並んでいたのだけど、その日入る新台がナント「フィーバー・スターダストレビュー」という台だったと(爆笑!)。しかも三谷さんがそれをフィーバーさせたから、「スタレビの曲が流れるんだろうな」とBARAさんが思ってたら、なんと流れてきたのはJ-WALKの「ジャスト・ビコーズ」だったって…(笑)!もーBARAさんの夢、おかしすぎー。でもそれに対して三谷さんが「まあ、同じようなポジションですからね~」と身も蓋もないつぶやきを返してたのもけっこうおかしかった。

 

■後半

MC後はもう、ただただピークに向かって全力で駆け上がっていくような演奏。三谷さん、熱かったなー。私は、ヘッドバンギングしながらキーボードを弾いていたというスタレビ時代の三谷さんを知らないのだけど、それをほうふつとさせるような立ち上がってのプレイ!すごい!ふだんの穏やかな三谷さんとぜんぜんちがう(笑)!「R.E.A.L.」のラスト、3つの楽器の激しい応酬、ちょっと鳥肌立つようだった。さらに「太陽の下で」「Melody」のポップナンバー2連発、もう圧巻!しかもこんな激しい演奏をしながら、三谷さんの歌はますます伸びやかに、空にかかる虹のように遠くまで駆けていくんだなー…、凄すぎ!大好きな「Melody」、江ノ島で聴いたときよりもずっとずっと、演奏がはじけててロックだった!でもこのあたりではもう、Trioツアーも最後なんだな…って気持ちが(2度しか観ていないにもかかわらず)押し寄せてきて、楽しいと同時に、寂しくて寂しくて。

 

■アンコール

拍手で出てきてくれた三谷さん、アンコールの最初は、オリジナル曲のリクエスト弾き語り。このとき2曲めに歌ってくれた「Stardust~微笑みとダンス」が、その場に貼りつけられて動けなくなるぐらい、すばらしかった。ピアノ弾き語りというスタイル、ましてしっとりした曲に反応しにくい私には、ほんとうに珍しいことなのだけど。三谷泰弘という歌い手の芯にある、まさに「魂」を感じる歌だった。まるで、三谷さんのもとから無数のキラキラときらめく絹糸がなびいて、そこにいる聴き手ひとりひとりと、やわらかに結び合うのが見えるようだったんだ。とてもうつくしい光景だった。

 

ラストはトリオの演奏に戻って「One And Only」。この3人の並び、ほんとうにラストなんだな…、となんともいえない思いに包まれながら聴く。さらに、名残惜しさにやまない拍手は、三谷さんをもういちど引っ張り出して、たぶん他の会場ではなかったダブルアンコールまで。三谷さんがキーボードで「Charming」を歌い、ステージを去って、そしてとうとうライトが消える。

 

■Trioツアー感想

メンバー紹介MCのときに三谷さんが「ナッチーから昨日来たメールに、『なんかさびしいですね』って書いてありました」と明かしていたのだけど、そうだね、観る人以上に、演る人のほうがもっと寂しいかもしれない。約2カ月のあいだに8カ所も一緒に回ったら、カンペキひとつの「バンド」だもんね。(BARAさんが「もうこのバンド、名前つけてオーディションでも受けちゃいましょうか」って言ってたけど。笑)

 

はじめてこのTrioライブのことを聞いたときは、フルバンドの演奏を3つの楽器で何とかカバーする…というような、ディフェンシヴな感じをイメージしてたのだけど、まったくそうじゃなかった。このバンド、むしろとんでもなくスケールが大きくアグレッシヴだった。三谷さんとBARAさんと夏秋さん、腕の立つ3人のミュージシャンシップと真摯なトライアルが、まったく新しいesqサウンドを生んだんだなーと思う。ナマの音が生まれて、ツアーの中で時間を経て生き物のように変化していく、そんなダイナミズムを味わわせてもらったことも、大変なシアワセだった。

 

このツアー用の「esq "The Trio" Tour '08ブログ」に投稿された、ファンからの大量のコメント(…ファンだけじゃなく、夏秋さんやBARAさんのコメントまである!)を読んでいても、みんながこのTrioライブに感激した様子が伝わってきて、やっぱりいいツアーだったんだなー、と思う。

 

私なりにがんばって2カ所に参加できて(ほんとは水戸や柏も行きたかったけどね)、よかったな。江ノ島も、千葉も、夢の中のようなフシギな感じで心に残るライブ…だった。

 

三谷さん、BARAさん、夏秋さん、すばらしいライブをありがとうございました!そして、灼熱を走破するドライビングツアー、ほんとうにお疲れさま。このTrioライブは、ぜったいぜったいまたやってほしいな。この3人の、やわらかな空気とダイナミックな演奏に、ふたたび出合えることを心待ちにしてます。ほんとうに楽しかった!

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