月夜のドライブ

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夢見る港 3rd Album『やあ、おはよう』発売記念ライブ @ 渋谷7th FLOOR

6月28日に発売となったサードアルバム『やあ、おはよう』が(絶対イイに違いないとは予想してたけど)本当にとんでもなくよくって、楽しみにしないわけにいかなかった夢見る港のレコ発ライブ!天気のいい土曜日のお昼、渋谷セブンスフロアへ。

 

夢見る港 3rd Album『やあ、おはよう』発売記念ライブ
渋谷7th FLOOR
2023年7月15日(土)
11:45op/12:15st
予約¥2,700
学生ディスカウント¥1,700
当日¥3,000
※共に+1ドリンク
ささやかな来場者特典あり
出演
夢見る港 guest:安延沙希子
星ト獣

 


やはり記念すべきレコ発ということで大盛況の店内。たぶん出演者のお子さんなども混じった昼間の客席が、ファミリー大集結のゴッドファーザーの宴っぽくてよい(なんでもゴッドファーザーっぽく考えがちなゴッドファーザー脳)。華やか&にぎやか。めでたい!!!!

 

 

■星ト獣
先行は、お初に観る「星ト獣」。ボーカル&ギターの方を中心に、ベース、ドラム、トロンボーン、フルート、という(今日の)編成。事前の知識何もナシだったのだけど、とーーーってもエキサイティングでよかった!ボーカルの方が途中のMCで「静かか激しいかの曲しかないんです」的なことを言ってらしたけど、フォークでもありジャズでもありプログレでもありどのジャンルにも収まらないような、想像をぐいぐいはみ出る音だったなー。ボーカルの方のギターは、アコースティックだと思って聴いてたら途中から激しいエレキ音をさせててすごかったし(エフェクターでそうなってるのかな?びっくりした~)、ドラムとベースはまさに「獣」でトロンボーンとフルートが「星」のようにも聴こえたなあ。獣が優しくしとやかなときも星が牙むくときもあるのを含めて、まさに「星ト獣」だーーー!と思った。ほんと、キャンプ場にいるような気がしたもん。あと、ドラムの方が裸足で(!)演奏していたのにもついつい目を奪われてしまった(笑)。ドラムの方やフルートの方のところから出てくる多種多様な鳴り物、トロンボーンの方のコーラス、ベースの方が弾くバイオリンなど、音の多彩さにも驚きながら楽しんだ。星ト獣、すげーかっこよかったです!

 

■夢見る港
本日の主役、夢見る港。ひゅーひゅー!もうこの7人がステージでセッティングしている図だけでうっとり。演奏する前からかっこいい…(タメイキ)。ベースのマサキさんが、長坂さんの顔がバーンとでかくプリントされたTシャツを着用してたので、ステージ上8人いるような感じもあった(笑)。また、なみきさんがちゃんと「夢」と「港」のピアスをしているのを確認して安心するなど(ライブ前日に「ピアスつけ忘れてたら誰か教えて」と全世界に向けてツイされてたので、全員気になってたと思う 笑)。

 

1曲目「サンダークラップニューマン」。アルバム発売以来、長坂さんなみきさん松野さんの全曲解説とマサキさんの全曲解説ツイートをプリントアウトして読みに読んでいる私としては、この曲のイントロはマサキさんのベースの「8分音符12個」につい注目して緊張感を勝手に共有(笑)。それにしてもアルバムを聴いてても毎回毎曲驚くけど、7人の楽器から出てくる音がすべてよくって、それが互いを損なわずどの瞬間も絶妙に位置取りし合いながら最上の響きを鳴らすさま、すごすぎて身震いする。これが、録音だけでなくライブで聴けるなんて、本当に奇跡だよ…。

 

なみきさんのトロンボーンが鳴ったり、アダチさんのバンジョーがつま弾かれたりするのを、目の前で実際に観られるの至福…。と思うと松野さんの鍵盤からえもいわれぬ美しいエレピの音がこぼれてきたり、青木さんの魅惑のスライドギターが流れ込んできたり。後方の濃いめイケメンのマサキさんとナカムラハヤトさんのプレイからも目が離せないし、もちろん長坂さんの歌も聴きたいし、目と耳が足りなすぎる(いつも)!!!!この日、整理番号早めだったので前方に陣取ったんだけど、左端の松野さんから右端の青木さんまでステージの全部を同時に見たすぎて150度ぐらいの視界が欲しかった…。

 

「summer in the rain」はこの編成でライブ演奏するのははほぼ初めて、との長坂さんのMC、わーそうだったっけ。水面を滑るようなメロディ、青木さんのワウギターの響き、松野さんの雫のようなエレピ、セブンスフロアにサーッと夏の風が吹くようだ。アルバムでも大好きな、2コーラスめのなみきさんのソロ歌パート、なんと間奏でフルート吹いてー、からの瞬時のボーカル。強靭な肺&かわいらしい声!!!!

 

ライブで聴くのすごく楽しみにしてた「ロージー」(以前のライブでも披露してくれているけど、アルバム聴きこんでからあらためてまた聴きたくて仕方なかった)。詞もメロディも大好き。2コーラスめの入りのアダチさんのボーカルに、ナマでますます撃ち抜かれる…。甘い憂いを帯びたなんともいえずよい声。アルバムの中のたったこれだけで、アダチさん全部持ってっちゃう感あるよね。この日、終始目と耳が足りないながら各メンバーのことも掴んで離さない勢いで見てたけど、アダチさんて色白で顔立ち整っててふわふわの髪の毛で、おとぎ話の王子様みたいだよね…って思いながら見てた。格好はTシャツサンダル姿で近所のコンビニ行くみたいだけれども。

 

「紅いクチバシ」アルバムで逆回転ぽい音と思ってたところ、ふつーに青木さんがギターで弾いてて、どう弾けばそんな音が鳴らせるのかナゾすぎて目を丸くしてしまう。まあ青木さんのギターはだいたいいつも、どう弾けばそんな音が鳴らせるのかナゾと思いっぱなしだけど。夢見る港は、全員おそろしいまでの音楽性をぶちかますくせしてそんなこと1ミリも感じさせずにさらっと軽やかに演奏しちゃう人ばかりで、ナマで観てるとそのギャップにくらっくらしてしまう。かっこいいなーーー。

 

不穏なインプロビゼーションからの「真冬の病」。本編の淡々とくぐもったようなギターの音も、抑えぎみなキーボードの音も、ぽつぽつとパンくずを置いていくような長坂さんの歌も魅力的…と思ってると、閉ざされた小部屋のドアがいきなりバン!と開いて、無限の宇宙空間に吸い出されて永遠に帰ってこれなくなるような展開がたまらん…!サイケデリックボヤージュ!そして青木さんの寂しげですさまじいギターの音。はーーーカッコイイイイ…(沈没)。

 

ゲストボーカルにさっちゃん(THE FOWLS)を迎えての「loving lalala」すごくよかったな…。さっちゃんが書いたこの曲の詞、いつもグッと来て泣きそうになっちゃう箇所がある。さっちゃんの声の個性も、生で聴いてますますこの曲にぴったり、と思う。前にツイートもしたけど、今回の『やあ、おはよう』で長坂さん以外(なみきさん、アダチさん、さっちゃん)がボーカルパートの一部をとる3曲、どれもこの曲のここでこの声が入るの最高すぎでは?というぴったんこ具合が神の領域ですごい。それをすべてライブで聴けるなんてシアワセこの上なかった。

 

楽しい時間はあっというまで、本編ラスト。アルバムきってのキラーチューン「香りと全て」を最後に!件の全曲解説でふれられていた、Aメロでぶりぶり鳴ってるマサキさんのベースを目で確認できてうれしい。ドラムのハヤトさんが、さりげなくつねに長坂さんや他のメンバーの様子に目を配ってるのも頼もしくて感動しちゃう。いっや!それにしても!ほんっとーに!いい曲だなー!!!!イントロのギターのフレーズといい、エレピの音色(おんしょく)といい、歌とユニゾンで鳴るフルートといい、バンジョーの旋律といい、王道にしてこんなにも最適解で、複雑な立体パズルがぴたーっと美しく完成されてるような楽曲ある!?聴きながら、地球上のポップスの完成形として何かに刻まれて宇宙船に乗せられてもいい曲だなーと思ってた。夢見る港、最高すぎる…。

 

メンバーが捌けるとともに会場中からのアンコールの拍手。ステージに戻ってきたのは長坂さんと松野さん。なんと、松野さんのピアノのバッキングだけで、タイトル曲の「やあ、おはよう」を長坂さんが歌唱。まるでフランク・シナトラのようだったなあ…。終わってから長坂さんしきりに恥ずかしがってたけど(松野さんはSなので「そういうプレイ」だそうです 笑)。アルバムの弦楽奏とは違う松野さんのピアノも、長坂さんの歌も、めちゃ素敵だったー聴けてよかった!さらに再度メンバーを呼び込んで、みんな大好き「コーヒー」。客席も一緒にシンガロングする。会場を満たすたまらない多幸感。こういう、バンドの顔になるスタンダード曲があるのって素晴らしいよね。いったん客出しのBGMが流れ始めたけど、やまぬ大きな拍手によりダブルアンコール。わーーー「時間」やってくれた!かっけえ!!!!この緩急。泣く…。

 

はー最高だった。演奏もセトリもゲストボーカルも、何もかもが素晴らしすぎた。こんな音に今この瞬間、生で囲まれてる…って思ったら感動でちょっと泣きそうになっちゃった。このメンバーが集まってせーので出さないと生まれない唯一無二のサウンド。それをライブで聴けるって奇跡だよね。生まれた端から消えてしまうこの生の音を、耳とからだで受けとめてる一瞬一瞬がほんとうに尊い

 

夢見る港、次はWAIKIKI RECORDの野外ライブ、でもサポメンは全員いるけどこの2人(松野、アダチ)がいないんです、という変則編成で、ototogiの音璃さんと空中カメラ中村竜さんが参加するのだそう。わー、どんなになるんだろ。それに10月にたぶんワンマンもあると!

 

アルバム発売以来心の底から楽しみにしていたレコ発ライブ、本当に素晴らしかった。今の夢見る港、最強では…!? 指折り数えて心待ちにしていたライブが終わっちゃって寂しくもあるけど、また次を楽しみに。星ト獣のみなさん&夢見る港のみなさん、ありがとうございました…!

 

【長坂さんが上げてくれたセットリスト】

01.サンダークラップニューマン
02.一滴
03.run run run
04.summer in the rain 
05.ロージー
06.紅いクチバシ
07.真冬の病
08.loving lalala (w/さっちゃん)
09.tears (w/さっちゃん)
10.香りと全て
(en)
11.やあ、おはよう(長坂+松野)
12.コーヒー
(en2)
13.時間

 

 

夢見る港の初心者ファンとして前から欲しかった1stと7インチと2ndのリリックシートを物販でやっと買えた~ウレシ。あとグッズのメガネ拭きと缶ミラー。入場特典のステッカーと、特典の音源DLコードもいただいた♪

特典ステッカーと、下2枚はグッズ購入のオマケでいただいた“残念なステッカー(byなみきさん)”。真ん中のは透明に近くて台紙から剥がすと絵が見えない、下のはキラキラ過ぎて絵が見えない、という試作段階品だそう(笑)。でもこうして3枚並べるのもキレイ。

 

夢見る港

長坂雅司(vo,ag)
アダチヨウスケ(banjo,mandolin,cho)
松野寛広(key)
並木万実(trombone,flute,cho)
support
青木利文(eg)
木下正樹(bass)
ナカムラハヤト(dr)