月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

夢見る港『5月のスリーマンライブ』 @ 神保町試聴室

昨年の12月の、夢見る港×秘密のミーニーズという心惹かれるライブをやむを得ない事情で見逃がしてしまっていたので、次に機会があったら足を運んでみたいな~と思っていた夢見る港のライブ!当初対バンに予定されていた Spoonful of Lovin’も楽しみにしていたのだけど、メンバーさん体調不良とのことで残念、こちらはいずれまた次のチャンスを楽しみに!でも急遽決まったゲストのお二方もとってもステキでした。いやしかし…夢見る港がよすぎてびっくりしたな…。そうじゃないかとは薄々思ってたけど…。

 

『5月のツーマンライブ 改め スリーマンライブ』
5月21日(土)
神保町試聴室
開演16:00
予約2,800円(1ドリンク,スナック込)
(15席 予約優先)
出演:
夢見る港
さっちゃん(THE FOWLS,ヨットヘヴン)
中村竜+ナカムラハヤト(空中カメラ)

 

 

■中村竜+ナカムラハヤト
というわけで、代打ゲストの1組め、空中カメラから中村竜+ナカムラハヤト、の中村ご兄弟。弾いて歌う方が弟さんで叩くほうがお兄さんなのですね。空中カメラは、私ちょこっとだけど加納エミリさんのライブのゲストで観ていて、そのときめちゃめちゃよかったのだよね。若いのにこんなに手の込んだドリーミーバブルガムポップを!って驚いた記憶。その印象は、今回のアコースティックギターカホン、というミニマムな2人セットになってもまったく変わらなかった。中村竜さんのなんともポップでゴキゲンな歌!吾妻光良さんのカバーだというワインの歌、おっかしかったなあ。その次にやった曲が、まあポップにもほどがある素敵メロディで、心の中で『(大瀧さんプロデュースの)ラッツ&スターの“SOUL VACATION”にでも入ってそうな曲だなー』と思いながら聴いてたのだけど、家に帰ってからサブスクで探したら(「わがままな魔法」という曲だと思う)カバーアートがナイアガラオマージュのようだったので、聴き方外れてなかったかも!とちょっと嬉しい。なみきまみさんのトロンボーンを迎えた2曲もよかったなあ。短めの演奏時間の中で、おふたりの魅力大爆発。ポップの渦に巻き込まれまくった!(あとから気づいたけど空中カメラは矢部さん支援CDにも参加してるよね。)

 

■さっちゃん
演奏が始まる前のMCでは、ゆるやかほんわかという感じだったのが、歌い始めたらトーク時とはまったく違う鋭さと迫力が声に宿っていてびっくりしたさっちゃん。ぽつりぽつりと置いていく言葉とギターの音から、ふわっと周辺に、揺るぎのないさっちゃんワールドが広がっていく。それにしても同じ「歌+アコギ」でも、さっきの中村竜さんとはぜんっぜんキャラも音も違ってて、(当たり前だけど)音楽ってそれぞれでおもしろいなー。聴きながら、(似てるってわけじゃないんだけど)中島みゆきという名前が思い浮かんだりしていたら、MCで「夜中にリビングで中島みゆきが爆音で流れてるような家だった」という実家のお話が(笑)。さっちゃん、心に強力に引っかかる歌声だった。

 

■夢見る港
夢見る港、名前は知っていたもののどんな編成かもつい最近まで知らなかった。現在のメンバーが長坂雅司さん(vo,ag)、アダチヨウスケさん(banjo,mandolin,cho)、松野寛広さん(key)、並木万実さん(trombone,flute,cho)。そしてサポートに青木利文さん(eg)、木下正樹さん(bass)、先ほど空中カメラ中村兄弟で登場したナカムラハヤトさん(dr)。え、なんか豪華メンバーじゃない…?ていうか7人…!大所帯バンドだしバンジョーとかフルートとか入ってる謎編成だし、もう好きな予感しかない状態でこの日を迎えたのだけど。実際、7人がセッティング始めた時点ですでにそのたたずまいがよくてよくて参っちゃって。で、長坂さんが挨拶をしたあと出てきた1曲目の初めの音で、「カッコイイ~ッ…!」ってつい小さく声が漏れてしまった。好き!もう、好き!

 

はーーーホントカッコイイドキドキする。エレクトリックギター、アコースティックギター、キーボード、ドラム、ベース、バンド的な楽器のそれぞれが目を見張るようなとんでもない職人芸をかましているところに、アダチさんのバンジョーマンドリンが絡み、なみきさんのトロンボーンやフルートがのっかる、それらが一体となってえも言われぬ音となって降り注ぐ、なんという至福!

 

ていうか、スーパーバンドすぎませんかこの7人?演奏される曲々のあいだ中、美しいキーボードの音にビックリしたり、かと思えばゆらめくギターソロに心奪われたり、フルートのふくよかな音にじんわりしたり、バンジョーとアコギの絡む音にうっとりしたり、あちらこちらで見せ場がありすぎて大変!この音数の多いバンドサウンドを支えるベースとドラムの頼もしさも半端ない。そして長坂さんの独特で魅力的なボーカル、なみきさんやアダチさんの絶妙なコーラス。全員のありとあらゆる音がセンスよすぎる…。

 

どの曲もとてもよかったなあ。サブスクで少し聴いていたセカンドの曲も、新曲ですと言って演った曲(「真冬の病」かな)も。緻密なアンサンブルによるめちゃめちゃ完成度の高い音楽なんだけど、きれいにまとまりきってしまわずに、どっかやりすぎちゃうというか、変な音が入ってたり、歪んで壊れて破綻していっちゃうようなところにすごく魅かれる。そもそもバンジョートロンボーンが加わった編成って時点でやりすぎちゃってるもんね、はーーー好きー。

 

あと、バンドの見た目がもうカッコイイ。あの試聴室の狭いスペースに7人ドンと並ぶ迫力!なみきさんがおっきいトロンボーン構えたりするのもめちゃカッコイイ。人数と楽器が多いせいで一番手前にいる長坂さんが(フロントマンなのに)ライトの当たる範囲から半分はみ出て一人暗かったりするのも含めてよかった(笑)。向かって左側に位置するKeyの松野さんとバンジョーのアダチさんが、地味にぼそぼそ会話してたりするのもイイし、そのくせ弾き始めるととんでもなく美しい音なのも最高。ちなみにこのとき松野さん「脂肪が冷えて寒い」という話をアダチさんにしてたらしいです(笑)。来るとき雨に当たってしまったとツイートしてらしたもんね。(話はそれまくるけど、私、松野さんって「birch」っていうソロ名義や素敵なジャケの印象から、お洒落系の人のイメージを勝手に持ってたのだけど、脂肪が冷える話をするような方だとわかり親近感増し増し。ライブで実際に観ないとわからないことたくさんあるー。)

 

夢見る港、ほんとうにすばらしいバンドサウンドで、あとから思い出してもドキドキするほど。こういう音を聴くために私は生きてるんだなーとしみじみ思う。まあそう言う割には私のアンテナ感度が低くて、またしても出会うまでに時間かかってるけど…。こんなエンジンのかかりの悪いリスナーがたどり着くまで、よい音楽をずっと奏で続けててくれてありがとうと思う。なにしろバンドって奇跡だから…。

 

それにしてもギターの青木利文さんが参加してるバンド、百発百中でよいな…。(秘密のミーニーズもフライダーズも私は超初心者ファンだけど。)今回、青木さんのギター聴きたいなというのも足を運ぶきっかけだったけど、やっぱりすさまじくいい音。あのプレッピーな感じの外見から、ギュンギュンに歪んで荒んだ音や、めちゃ太くてアーシーな音が出てくるの、フッシギだなーと思いながらいつも聴いてるけど。

 

ライブ終わってもあの幸福な音の記憶が消えなくて、早くまた次観たいな…ってなってる。本当に、いいバンドって人類みんなの宝だと思う。長坂さんが今年は新作を作りたいともMCで言っていた。そちらも楽しみ。いいライブ観られてよかった。中村兄弟、さっちゃん、夢見る港のみなさん、素敵な音と時間をありがとうございました!

 

*長坂さんがSNSにあげてくださってた夢見る港セットリスト

サンダークラップニューマン
一滴
run run run
真冬の病
ロージー
紅いクチバシ
白い部屋
Tears
香りと全て

(en)コーヒー