月夜のドライブ

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フライダーズ『LONG TIME AGO』発売記念ライブ @ 渋谷7th FLOOR

10/12にセカンドアルバム『Long Time Ago』を出したFrydersのレコ発ライブ。私事のバタバタで参加が危ぶまれたけど、なんとか行けてよかった。10月最後の土曜日、東京は快晴で、7階の窓から入る光が気持ちよい。

 

フライダーズ2ndアルバム「LONG TIME AGO」発売記念ライブ
2022.10.29(土)
渋谷7th FLOOR
開場11:30 / 開演12:00
出演:フライダーズ / ほたるたち
Special Guest夏秋文尚(ムーンライダーズ/ジャック達)
チケット: 予約2500円(+¥600 ドリンク代) 当日2800円(+¥600 ドリンク代)

 

 

入口でライブ特典のZINEを受け取る。ちゃんと表紙がついていて、パッチンとホチキス止めしてあって、想像してたよりもずっとしっかりしたつくりの1冊。開演までの合間にパラパラとめくると、メンバーによる新譜の曲紹介など読み応えがあり、フライダーズの成り立ちのことなど知らなかったこともたくさん。ライブで配布するなら特典音源よりも冊子のほうがよいのではと夏秋さんの助言があったそう。それでこんな素敵なZINEができて、夏秋さんナイスアドバイス

 

■ほたるたち
ライブ先攻は、フライダーズと同じくなりすレコードからセカンドアルバムを出したばかりのほたるたち。3人組ということぐらいしか知らなくて、どんな音なのか事前知識がまったくなかったのだけど、とっても意外でインパクトがあった。ステージに上がってきたVoさんがよいしょとその華奢な身体にベースを抱えたのも意外だったし、ドラム、ギター、ベースのスリーピースバンドということも意外だったし、歌は淡々としてるけどベースバッキバキ、ドラムビッシビシ、ギターギャンギャン、轟音オルタナ?エモ?なんだかそんな感じでおっもしろかったーーー。世の中にスリーピースバンドって星の数ほどあると思うけど、はたるたちみたいな個性はちょっとないのではと思えた。告知のあった今後のライブも精力的な様子(12月にはコルネッツとのツーマンもあるしね)!

 

■フライダーズ
ほたるたちと入れ替わりメンバーがセッティングを終えた後、ステージに佐藤ユウキさんだけが残りリッケンバッカーの弾き語りで「東から西へ」。せつなく素朴に歌われるその歌もとてもよかったのだけれど、曲ラスト近くになってメンバーがステージに上がってきて、複数の楽器が合わさってきて凄まじい「バンドの音」になったとき、ほんとうに鳥肌が立つようだった。開演前に読んだZINEに書かれていた、(たぶんけっして器用とは言えない)佐藤ユウキさんの音への思いのもとに、青木利文さんが相馬智さんが、そしてみんみんさんが近藤タミオさんが、一人また一人と集まって今のフライダーズになったいきさつ。それと目の前のステージの演出がぴったりと重なって思わず泣きそうになってしまった(まだ1曲目なのに)。この5人が鳴らす音がまた、すごくてすごくて…。バンドって独りではできないし、この音はここに集まった5人にしか鳴らせないもので、それをナマで今聴けていることはやっぱり奇跡なんだと思える。

 

2曲目以降はセカンドアルバムから次々と。最新のフライダーズの音、すごかった。広やかで深くて、なんともいえずやさしくて強い。2本のギターは無論のこと、ドラムもベースもキーボードも、ひとつひとつの音は相当強情で負けん気が強いと思うのだよね、でもそれらがお互い引かずに、激しさをたたえながら混じり合ったときに、見たこともないような美しい景色にたどりつく。バンドっていいな…バンドってすごいな…。

 

青木さんの前にもマイクが立ってて(いつもは立っていないことが多いような気がするけどどうだったろ?)、佐藤さんの歌+青木さんとみんみんさんのコーラス、広がりも厚みもあって素晴らしかった。またみんみんさんのキーボードがすっごいんだよね、涼しい顔してあんな轟音ギター×2に負けない強気な音をこれでもかって弾き倒してくる!(余談だけどみんみんさんのお洋服もいっつも素敵でほわーとなってしまう。昨日はかっちりめのカーキのワンピにヴィヴィッドなピンクの靴下!かっわいいー!)そしてバンドを支えるタミオさんと相馬さんのリズム隊のセンスと確かさ。相馬さんはいつになくニコニコと楽しそうに弾いていて微笑ましかった。

 

途中からスペシャルゲストの夏秋さんがin。フライダーズを見守る目線がやさしくて親のよう。ミュージック・マガジンのレコ評で『Long Time Ago』が「傑作」と評されたことに、「ムーンライダーズの新譜でも『傑作』とは書いてもらってないのに!」と(笑)。パーカッションで演奏にも入り、フライダーズの世界にさざめきと彩りを加えていた。

 

「境界線上」やっぱり好きだったな…。超名曲なのでは…!?こんな何気ない曲をこんなふうに演奏してこんな空気を出せるバンド、そうはない、5人ともさらっと演ってるけど稀有だと思うのだよ…。(どの曲もだけど、)佐藤さんと青木さんの珠玉のツインギターが轟音でうなりまくるのほんとにたまらん…。青木さんのギター何であんな凄い音がするのか、毎回驚いて見入ってしまう。ギター…だよね?って。この曲でもびっくりするような音がしてた。相馬さんのベースも心に残るたまらなくいい音なんだよね…。「境界線上」個人的にちょっとチューインガム・ウィークエンドを思い出すところもある。とにかく言葉に尽くせないぐらい好き…!CDでは駒沢裕城さんのペダルスティールが鳴りまくっていて(駒沢さんが演奏を何トラックも送ってくれて、どれもいいので全部入れちゃったと夏秋さん 笑)、ライブとはまた違ってるそうなのでこれから聴くの楽しみだー。

 

最新のフライダーズ、最高にもほどがあった。フライダーズのライブはたった3回目の新参ファンだけど、歌も演奏もここにきてまた格段によさが増してると思う。次のライブは3月(!)の名古屋がすでに決まっていて、あとは計画中なので決まり次第告知しますとのこと。こんなにいい演奏をするバンド、ライブやらないともったいないし、もっともっと聴きたいし、もっともっとたくさんの人に聴かれるといいよね。私も(自分のアンテナの鈍さにより)つい最近やっとたどり着いた組なので、余計そう思う。早くまたあの5人のナマの演奏聴きたいな…。

 

発売日前日にとあるCD屋さんに電話かけて入ってますかと聞き(たまたま都内にいたのでフラゲできるかなと思ったのだけど残念ながらその日はまだ入っていなかった)、それ以来買いそびれたままだった新譜、やっと物販で手に入れられた。遅ればせながらになっちゃったけど、これからたくさん聴きます!


ほたるたちのMCにもあり、それをうけて佐藤さんも触れていた、コロナ禍の中でバンドを続ける大変さ。その困難さをおしてこうしてCDを届けライブを開催してくれること、バンドメンバーにもスタッフにもライブハウスにも、ほんとうに頭が下がります。(ミュージシャンのその努力に、リスナーとして応えきれてるとはいえないのがもどかしいけれど。)今回もすばらしいライブをありがとうございました!

 

公式よりセットリスト

1.東から西へ(佐藤ソロ)
2.Long Time Ago
3.Tell me why
4.春になれば
5.やさしい雨
6.境界線上
7.麦わら帽子
8.線香花火

9.ジメジメジトジト(アンコール)