月夜のドライブ

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ジャック達『LEMON』全曲語り!(2曲しかないけど)

画像発売して10日間、ほぼこの2曲しか聴いてないかも…。落ち着くどころかますますマイッてるので、まだ喋り倒します。

 

「JUMPER feat. 光永''GUN''巌 (from METROFARCE)」

いやホント、なんど聴いてもすっげえな…。「JUMPER」のイントロアタマの10秒。ひずんだギターが鳴り、重たいドラムが炸裂し、我の強いベースがカラダをねじ込んでくる。前々記事にも書いたけど、まさに、バールでガラスを叩き割って歩くような凶暴さ。…こんな音を出したくて、ロッカーはみんなロックをやってるんじゃないの?はー…。すげえ。ギターのリフ、強力だねえ。もう、しちめんどくさい説明とか何にも要らないもん。こんぐらいシンプルで強力で破壊的な音楽のこと、「ロック」って呼ぶんだよね。もうさ、ロックじゃない音楽はロックと名乗るのをやめようよ、そろそろ。こんなの聴いちゃったら、ねえ。

 

「JUMPER」の、この威風堂々たる貫禄は、たとえばローリング・ストーンズとかレッド・ツェッペリンとかディープ・パープルとかレインボーとかジャーニーとかエアロスミスとか、そういう王道ロックバンドのそれ。有無を言わさぬスケールのデカさ、逃げも隠れもしない轟音ハードロック真っ向勝負!ギター持ったからってだれもがこんな音出せるわけじゃない。もうこうなったらジャック達も観念して、名実ともに世界のロックバンドの仲間入りすべく「名」のほうの底上げ…、革ジャン着てみたり髪伸ばしてみたりシャツをへその辺りまではだけさせたりしてみたらどうよ?ま、音がこんだけハードなのにメンバー弱そーなのがジャック達のいいところなんだけどね…(笑)。

 

「Arcade Cascade

と、「JUMPER」にフッ飛ばされながらも、ここにきて、リピートがやめられなくなってるのは「Arcade Cascade」のほう。「JUMPER」はそれこそ、ドメスティックなレベルをすっとばして世界と肩を並べる(というか、並べざるをえない)ナンバーだと思うけど、「アーケード・カスケード」に至ると、もうこれは世界中でもジャック達にしか辿りつけない境地というか…。

 

一色進のの切り出しがすげーよ。

ロック・ミュージックは
鳴り止んだのか

ってコレ!!!!く~、シビレる、ヤバイってほんと!歌の1行めをこう書き出せる作詞家が、世の中にどれだけいるだろう? 「謎の帽子屋」に引き続き、完全陥落…。一色進が「イントロの天才」なのはまちがいないと思ってたけど、同時に「1行めの天才」だな…。しかもそんだけじゃない、「サビの天才」でもあるから恐ろしい。たとえばこの「アーケード・カスケード」の、「場末の娯楽施設の…」から始まるメロディがもたらすエクスタシーったら、ちょっと毎回失神しそうなぐらい。一色進、つくづくポップミュージックの勝負どころを知り尽くしてるミュージシャンだなあ。そう、イントロと一行めとサビ、これがすべてでしょ!

 

それから、ずっと書こうと思っては筆力足らずあきらめてたんだけど、でも書くけど、「アーケード・カスケード」のこのドラム、何これ!?!?どこをどうすると、こんな桁外れなドラムが出てくるんだろう!?なんというか、古今東西にすごいドラマーっていくらでもいると思うんだけど、この曲のドラムをこう叩けるのは世界中にただひとり、夏秋文尚だけだろうなって思う。パワーだけでも技術だけでもない、独特のすさまじいセンスというか。むしろパワーや技術だけで押したほうがよほど一般的かもしれなくて、夏秋さんの場合この独特のセンスがあるために、上手くてパワフルなのに加えて孤高の地を踏み分けていかざるをえないドラムになってるんだなぁ…。コンポーザーも、自分の作った曲がこんなふうに叩かれたら、あまりの事態にゾクゾクしちゃうだろうね。

 

また、ギターがね~。(ってもう、1つの楽器につき1つ記事書けるな…。)キハラ宙というギタリストを見ていていつも驚くのは、繊細さと豪胆さを行き来するそのレンジの広さなんだけど、まさにその両極の魅力が出ているのが「アーケード・カスケード」だと思う。ソリッドなアコギの音色が埃っぽい風を吹かせるイントロ~Aメロの世界は、まるでハードボイルド映画の長回しのワンシーンを見るみたい。その緊迫感あふれるアコースティックギターが、サビに至ってまさに“急行列車”のように乱暴に軋むエレキギターにバトンタッチする、そのあざやかさ!いくらなんでもカッコよすぎでしょ…。

 

さらにそこに乗る一色進のボーカルたるや、他のどんなバンドも持たない、ヘンな種類の破壊力持ってるからね。架空の生き物の躍動感だよ、コレ。考えられない動きする、予想つかない行動する、まわりのもの破壊する。でもその存在感は不思議にキュートでチャーミングで、何だかぜんぶ許せちゃうんだな。一色さんの歌って、そんな感じ。

 

「Arcade Cascade」、もうほんとに、これこそが私が心から聴きたい音で、こういう曲聴くと、私はジャック達のことをこれ以上どれだけ好きになればいいんだろう?と思う。「好き」の絶対量をいくらでも要求してくるバンド、まだまだいくよ、って。一色さんがBBS

もうジャック達は孤高の極み目指してます。 自分達でも完全にたがをはずしちゃってます。

と書いてる(09/03/03のカキコミ)ように、ジャック達というバンドが打ち出す「最高ポイント」は今やどんどんエスカレートしてて、すでに、ふつうのモノサシじゃぜんぜん測れなくなってる。いつも新しい世界のドアに立つように「ジャック達、最高!」と思うけれど、その「最高」が、すぐ次の「最高」に駆逐されてく様子を見るのは、凄いを通り越しておそろしい。シングル第3弾にしてこんな曲がまだ出てきちゃうのを見てると、ジャック達というバンドの限界はもうだれにも(メンバー自身にも)測れないんだな、と思う。

 

これだけぶっ飛んだメロディメーカー&ボーカリスト、ぶっ飛んだギタリスト、ぶっ飛んだドラマー、でできてるバンドだもんね…。この先、どこまで行くんだろう、ジャック達!?