月夜のドライブ

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90年の『ADVENTURES in “Turn To The Pop”』

画像10代の後半から20代にかけて、私がバイブルみたいにしてた雑誌が、「ミュージック・ステディ」、それから「IND'S」(のちの「POP IND'S」)あたり。特に、「POP IND'S」と名前を変えてからのソレは、私の音楽バカな青春とそのエモーショナルな部分でまでシンクロしてた。と、勝手にこっちは思ってた。世間的な影響力が実際どんだけだったかはわからないけれど、私にとっては、この雑誌がこのころ巻き起こそうとしてたムーヴメントは、心臓がきゅっと痛くなるぐらいリアルで切実な実感があったんだ。だから「Turn To The Pop」なんて名前のライブシリーズにも散々行ったし(そこではグランドファーザーズカーネーションオリジナルラブもB826も見た)、こんなCDも買った。久しぶりに引っ張り出したよ、『ADVENTURES in “Turn To The Pop”』、90年。その名のとおり、雑誌「POP IND'S」がプロデュースした2枚組コンピレーションで、同じアーティストによる、一枚はオリジナル集、一枚はカバー集というつくり。

 

計11アーティストが名前を連ねている中に、一色進さん(いうまでもなく、現「ジャック達」のね!)率いる「タイツ」もあり。クレジットに記されてるメンバーは「一色進(Vocal)、光永巌(Bass)、宮崎裕二(Guitar)、錦織幸也(Guitar)、中島勇二(Drums)」で、すでに、私が前に書いた『ラジオ・デリカテッセン』(89年)のときとも『GET CULT』(93年)のときとも違う。ホントにメンバーチェンジの多いバンドだったんだね…(苦笑)。そしてアーティスト紹介コメントには「サウンドは一貫してB級ポップ路線という貴重なバンド」って(笑)。「一貫してB級」今もなお。一色さん、男らしいな(笑)。

 

ここに入ってる、カバーの「Cecilia」もいいんだけど、オリジナルの「日向の出来事」が…。久しぶりに聴いたけど、ぶっ倒れた…。イントロのギターのフレーズだけで、音が届く場所の空気をすべて変えちゃう、このとんでもない魔法。せつなさと滑稽さの交錯するメロディ。一色進って人、やっぱり天才と言わざるを得ない。音符をこんなふうに自在に操れるなんて。いや、あまりのよさに目まいしそう…。

 

ああ、一色さんがジャック達というバンドを今やってくれてることのシアワセに、涙が出そうになる。こんな詞とメロディを内に持つ人が、黙ってていいはずないもの。そして、これは私の個人的な好みだけど、どっかガラス細工みたいな繊細さを感じさせたタイツの音(それこそがタイツの魅力だったと思うけど)と比べると、ジャック達の音ってずっとふてぶてしく、ずうずうしくなっていて、そこがサイコーにカッコイイと思うんだ!

 

…とまたジャック達への愛のコクハクになってしまった(笑)。

 

話をコンピレーションに戻すけど、タイツ以外もなかなかシビレるよ、このメンツ。元FILMSの赤城忠治さんの「CLEVER RABBIT」とか、和久井光司さんの「MOMENTS」とか。「N.O.T. with WEBB」っていうこのCD限定(だと思う)のユニットは、N.O.T.(成田忍、沖山優司、寺谷誠一)+メトロトロン好きにはおなじみのWEBB(綿内克幸、小池雄治)だって。鼻血出そうな名前ばっか…。あとはさ、The BennetsとMr.Christmasの両方に、あの川口義之さんが参加してることにも個人的にウケた。この両方とも、私ライブで見たことあるよ…。私いったい今までに、どんだけ川口さんのこと見てるんだろう…(笑)。それから、これも大好きだった「BL.WALTZ」。これはまた、ちょっと別の機会に書こう…。

 

画像2枚の盤が、赤と緑で、ちょっぴりクリスマス風味。たまたまだけど、取り上げるにはちょうどよかったかな。90年、あのころ追っかけてたものと今と、私、結局なんにも変わってない。

 

*『ADVENTURES in “Turn To The Pop”』