月夜のドライブ

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今年最後のライブだ!ムーンライダーズ@渋谷AX

画像昨日、今年最後のライブに行ってきました!ムーンライダーズ@SHIBUYA-AX。ぎりぎりまで、行けないかも…って状況だったのだけど、なんとか行けた。やっぱり行けてよかった、ほんとに。私にとっては、2005年を締めくくるにふさわしい、楽しさいっぱいのライブだったな。もう大みそかで感想なんか書いてる場合じゃないんだけど(笑)、カンタンに。

 

まず、最初の「親愛なるBlack Tie族様、善良なる半魚人より」で、イキナリ悶えた…。中央のマイクで慶一さんがエレキ一本で歌い始めたんだけど、途中の「ビビって行こうぜ…」のコーラスのところで、右側のマイクにスポットライトがあたり、博文さん、良明さん、武川さんのコーラス、さらに岡田さんとかしぶちさんが加わってコーラス!きゃ~、ロスインディオスかっていうこのアダルティな(笑)声の重なり!「ムーンライダーズのコーラスフェチ」の私、いきなり腰砕け状態…!もーこのありえないぐらい怪しいおじさん6人組、私やっぱ大好きだーーー。このコーラス、ナマで聴きたいなーとCD出たときから夢想してたんだけど、6月のレコ発ツアーではこの曲やらなかったのだ。イキナリ夢がかなってブッ倒れそう…。

 

で、次の「ニットキャップマン」で、各自が自分の持ち場に戻り、暗かったステージが明るくなったんだけど、そこで初めて私は、右側だけじゃなく左側にもドラムセットがあるのに気付いたのだ!ええっ!?(他のお客さんは最初からわかってたのかも。)うわ~!右に矢部っち!左にかしぶっちー!ですよ!!ぎゃーーーーー、どうすりゃいいのよ、このツインドラム!予想もしてなかったので、マジブッ倒れそうに。うへーーーカッコイイイイイイ!!!!だって、かしぶちさんと矢部さんだよ? ドラムもカッコイイが見た目も女泣かせ(笑)。ヘルプがあったということは、やっぱり100%本調子ではなかったのかもしれないけど、もーそんなこと全然かまわない!かしぶちさんがドラム叩いてる姿見て、ほんと泣けてきた。これだよね、これがなくちゃ、やっぱムーンライダーズではないんだー、ああかしぶちさん、ウェルカムバック!

 

サポートミュージシャンに、フルートの国良静治さんとサックスの矢口博康さんという豪華さ!ドラムの矢部さんを含めて、3人ともムーンライダーズの音を、メンバーと同じぐらい知り尽くしてる人ばかり、ほんと贅沢なイイ音出してた。国良さんのフルート入ったライダーズって、すごく好きだー、めちゃアシッド風味濃くなって。矢口さんのサックスはもう今さら言うまでもないぐらいイカシてるし。(それにしても矢口さんって、いつ見ても全然年とらないなー。)矢部っちのドラムもマイッたよ。かしぶちさんがキーボードに回って矢部さんが全面的に叩いてた曲も多かったけど、このムーンライダーズっていうバンドの一筋縄じゃいかない音のカタマリを、力強く見事に引っ張ってたものね。

 

Beep Beep Be オーライ」が飛び出して、もー大好きな曲なんでまた泣きそうだったんだけど、このドラムもカッコよかった。この時代の曲ってレコードではわりと繊細な印象があるけど、今日のバージョンはツインドラムの激重たいラウドなロック!でしたよ。めちゃカッコええーーー。

 

それから、かしぶちさんがアコギ弾きつつ「さすらう青春」。これこそリベンジ!だよね。今年の5~6月のツアーでは、かしぶちさんのこの曲を、かしぶちさんの回復を祈るように、5人でボーカル回してたなーなんて思い返して、グッとくる。いつもお互いに対して素っ気ない感じのバンドだけど、こういうとこ、実はスッゴイ人間味があってね。本人たち、照れ屋だからそんなことゼッタイ表に出さないけどさ。そういうとこがまた大好きだよ。引き続きかしぶちボーカルの「砂丘」も、じーんとした。

 

この日は、6人ともまんべんなくボーカルとってて、それもひとつの趣向だったのかな。ライダーズの底知れなさというかとんでもなさというか(笑)、が堪能できたよ。かしぶちボーカルの「砂丘」、武川さんの「A FROZEN GIRL,A BOY IN LOVE」、良明さんボーカルの「夢ギドラ85'」…。岡田さんボーカルの「週末の恋人」は、会場内どよめいてたね、たぶんステージではスッゴイ久しぶりだったんだと思う。岡田さん、声ステキなんだからもっと歌えばいいのにね。

 

そして。個人的にこの日いちばんきちゃったのは…「僕は負けそうだ」。イントロが始まった途端、クラッとした。博文さんの曲。大好きな大好きな歌。『Bizarre Music For You』(96年)に入ってるこの曲は、でも最近のライブでやることは(私の知っている限りでは)なくて、この曲をナマで聴くのが、私の勝手な悲願だったんだ。だから、うれしかった。手帳にも書きとめてある、大好きな言葉たち。それが、博文さんの声で、放たれる。「そんなに近寄るな きみにはかなわない 花のようなにおいがして 僕は負けそうだ」…こんな言葉遣いをする人、他に知らないよ。

 

「夢ギドラ85'」の最後のインプロビゼーションは、相変わらず凄まじかったな…。「今」のムーンライダーズの空恐ろしさを、まざまざと感じる。今回は、ここに、各パートのソロが盛り込まれてて、もーブッ倒れた。博文さんのベース!うなりまくってた!超カッコよかったよー。あとね、矢部×かしぶちのドラムソロ!もー、きゃーーーと叫んだきり、どうしようもなかった!ほんと、最高におっそろしい「夢ギドラ」だった。バンドの出す音が、あんな場所まで駆けのぼれることが信じられない…。

 

「酔いどれダンスミュージック」が、また素晴らしかった。このバンドはさ、30年前の曲をやっても、絶対「今」の音にしかならないんだよね。常に現在進行形で「そのときの音」を出し続けてる。ムーンライダーズってバンドにとって、同じ音なんて、たぶん一回もないんじゃないかな。30年ただ「続けてる」ことが、彼らのすごいところなのでは、全然ない。どんなに認められた音でもどんなに賞賛された方法論でも、さっさと脱ぎ捨てちゃうその潔さが、マジ尋常じゃないんだ。30年間、泥まみれになりながら転がり続ける覚悟なんて、普通持てないよ。

 

「ダイナマイトとクールガイ」も、初めてカッコイイと思ったかも(笑)。デカイ音の矢部ドラムがきいてたなー。ここ最近のムーンライダーズ、特にライブではおそろしくストレートにロック度増しててさ。50代のおじさん集団のくせして、その辺の若者じゃ出せないような図太い音を鳴らしてる。カッコよすぎ。「ヤッホーヤッホーナンマイダ」も、けったいでバカバカしくてどこまでもライダーズらしくて。

 

アンコールの「冷えたビールがないなんて」はお腹痛くなるほど笑ったー。矢部ドラムと博文さんのベースを従えて、左から、ギターを持ったかしぶち、武川、慶一、岡田、良明が並ぶ図のスゴさ!ギター5人ってどんなバンドだよ(笑)!ほんと、この自分勝手でワガママなおやじたちに付き合わされる矢部っちは大変だと思った(笑)。でもみんなすげー楽しそう。矢部さんも世話のしがいがあっただろう(笑)。

 

大ラスはこれまたどことなくラウドで太い印象の「大寒町」。カッコよかった。そういや私、今年最初のライブは、やっぱりこのAXでThe SUZUKIの「大寒町」を聴いたんだったけな。今回のライブ、『P.W Babies Paperback』寄りになるのかなと思っていたけれど、この日はこの日だけのスペシャルイシューだったね。懐の深いバンドだなあ。表現の壮烈さでは、やっぱりレコ発ツアーだった5~6月のライブの方が上だと私は感じたけど、この日のは、それとは別にスッゴク楽しかった。何より、6人のムーンライダーズだったしね。来年は30周年。告知ですでに、すごいことになってそうだった…。どうなる、来年の私!?

 

(ライブの話、他にもいろいろ書きたいことまだまだあるんだけど、それはまた。とりあえずこれにて。)