月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

マスメディアの外でブツブツつぶやく

Yahoo!のニュースを貼り付けるというBLOGっぽいこと(笑)は、今までしたことないのだけど。「男女間で変わる欲しいCD」というトピック。(※追記 ゴメンナサイ、貼ってた記事がリンク切れしちゃったみたいです)

 

男と女で欲しいCDが違うのが驚くべきことなのか?という素朴なギモンや、そもそも「オリコン・モニターリサーチ」って、調査対象の抽出母体としてどうなのよ?という素朴なツッコミはまあ置いておくとして。この文章が後半「状況の解釈」に至ると、急激にすーっと現実から遠ざかっていくように思えるこの感覚、何だろう。『“音楽に対する飢餓”の表れと言っていいのかもしれない』ええーそうかなあ。『これまでのプロモーションの在り方を再考する余地があるということかもしれない』えええーーーそうかなあ。どうしようもなくあふれる内向き感。

 

このあいだ、フジテレビのライブ番組「FACTORY」の収録に行ったとき、入場整理に精を出すスタッフの姿をぼんやりと見ていて思ったことがある。今の時代、マスメディア警報、かもなあってね。いや別にFACTORYスタッフの方々が態度横柄だったとかギョーカイぶっていたとかそういうことでは全然なく、ね。

 

よい面も悪い面も両方あるけれど、ネットの発達で、とにかくリスナーとアーティストの距離って飛躍的に縮まった。アーティストが個人サイトで私的な生活を綴ったり、1ファンの質問にアーティスト自らが掲示板で答えてくれたり、なんていう、昔だったら考えられないことも今では起こる。

 

もちろん距離が縮まることはアーティスト側にとってはリスキーな面もあるしマネージメントに多大な労力が割かれるとも思うから、そのマイナス面を乗り越えてまでも、リスナーに直接アプローチを取ろうとしてくれるアーティストにはすごくアタマが下がる。

 

と同時に。ここまでなった時代に、もしかしたら、それまで送り手と受け手のあいだに介在してた「マスメディア」だけが、昔のままの感覚でいるんじゃない?って、思ったのだ。マスメディア自身が気付いてないうちに、送り手と受け手はものすごく直に手を取り合っちゃってるよ、って。「オレたちがいないと音楽は一般民衆に届かない」と思ってるうちに、アーティストとリスナーは駆け落ちしちゃってるかもよ、って。

 

マスメディアの中でもね。真摯な人は、鋭敏な人は、気付いてると思うけれど。アーティストの目とリスナーの目と、両方をちゃんとまっすぐ見ている人は。

 

ムーンライダーズ鈴木慶一さんが、先日大阪方面に10年ぶりにキャンペーンに行ったときのことを「メジャーでは出来なかった事なんですね、不思議と。」と公式BLOG (2005/05/13記事)に書いているのを読んだときも、やっぱり、おんなじこと感じたのだ。

 

マスメディアは、存在がマスであっても別に構わないけれど、そこにいるひとりひとりがマスの目線だと、きっと何かを見失う。音楽を聞くのは「個」であって、マスなんかじゃないわけだし。というようなことを、元々は音楽が好きでギョーカイに入ったはずのひとりひとりが忘れないでいてくれるほうが、きっと音楽の世界もステキでいられるはずだ。

 

 

…なんてことをブツブツつぶやきつつ。音楽好きな個人であり一般民衆であるところの私は、今夜ムーンライダーズのライブ@渋谷AXに出かけますよー。楽しみだーーーーっ。しかしムーンライダーズのリスナーって冗談でもマスになったことないね。よくも悪くも個の集団。マスには成り上がれず成り上がらず。