月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

近くもないけれどそう遠くもない

画像

高田渡さんの歌をナマで聞く機会は、これまでなかった。生きていればいつかはそんな巡りあわせもあるんじゃないかと思っていたら、高田さんは逝ってしまったので、私がこの世にいる限りは、かなわぬこととなった。

 

そもそも私は高田渡さんの熱心なリスナーではない。というか、ただのリスナー、でさえないかもしれない。「高田渡」名義のレコードは一枚も持っていないから。でも、はちみつぱいはっぴいえんどが好きだと、高田さんの姿はあちこちにひょいひょいふらっと現われるので、私にとっては、ずっと、なんとなく、近からず遠からずな人。私の好きな人たちが、大切に思ってる人。そんな人だった。

 

はちみつぱいの音源が聞きたくて買いあさった「春一番」や「フォークジャンボリー」といったライブ盤で、高田渡さんの声が聞ける。例えばこの「1971フォークジャンボリーVOL.1」の中には「コーヒー・ブルース」「ワイセツな唄」「結婚」「ゼニの効用について#2」の4曲。それにしてもこの頃の高田さん、20代前半なんだよねえ。しゃべる声も歌声も、すでに惚れ惚れするくらいの枯れっぷりだなあ。

 

ただのリスナーでさえないかもしれない私に悼まれても、高田さんも困っちゃうかもしれないけれど、私の敬愛する音楽家や身近なリスナーたちが心の奥に高田さんの人と音を刻んでいる限り、やっぱり高田さんは相変わらず私から近くもないけれどそう遠くもないところにい続けるような気がして、そんな私が、安らかにとここで呟くのも、まあいいかなと思って、言います。「どうぞ安らかに」と。

 

これらの盤を聞き返していて、新発見、高田さんも参加していたという「武蔵野タンポポ団」って、なんか、イイ音ですね。けっこう好きー。名前は知っていたけれどちゃんと聞いたことがなかった。それから、「フォー・ジョー・ハーフ」っていうあのバンドの名前が「四畳半」から取られているってことも今日初めて知った!30年以上前のことを個人的に新発見するなんていう今日の楽しいねじれも、高田さんのおかげ。

 

*「1971フォークジャンボリーVOL.1」