月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

ズルズルっとしたロックを愛してる

何の役にも立たない独りごと。洋楽の知識のない私が、これまでグレイトフル・デッドという名前について知っていたことと言えば、かの「はちみつぱい」(かの、といっても知らない人も多いだろうけれど)が「日本のデッド」と言われていた、なんてことぐらい。ずいぶん偏った知識だけれど。今ほんの少ーしデッドの音に直接触れて、それをなるほど、とも思うし、「火の玉ボーイとコモンマン」の中で慶一さんが「はちみつぱいというバンドは、本当にワン&オンリーのバンドだなと思った」と(88年のはちみつぱい再結成コンサートのときに殊更そう思ったと)語っていることにも、深くうなずく。レベルの高いミュージシャンであればあるほど、その音楽は他の誰にも替えられない、独自なものになっていくはずで。

 

ただ、今、グレイトフル・デッドの音や映像の中、ジェリー・ガルシアとボブ・ウィアーの、どちらが主役ともつかない、お互いに個性的なギターが絡みあって生まれる恍惚感を目の当たりにしていると、鈴木慶一さん、本多信介さん、渡辺勝さん(彼は主にピアノを担当していたかもしれないけれど)という、まったくタイプの違う3人のギタリストを擁していたはちみつぱいサウンドを、ふっと重ねあわせてしまうのも事実。それが「バトル」というのではなく、なんとなくゆるく絡みあう様が。

 

あと、グレイトフル・デッドの映像を見ていて私がどうしても思い浮かべてしまうのは、グランドファーザーズなのだ。音楽のタイプはグレイトフル・デッドともまた違うのだけれど、青山さんと西村さんという、上手いだけじゃなく、それぞれにその人でしかありえないギターの響きが絡みあって、音の空間を緊張させたり弛緩させたりし、さまざまに変容していく感じ。それが、似ているって。

 

90年ごろ、好きなアーティストを3人挙げよと問われると「ムーンライダーズカーネーショングランドファーザーズ」と答えていた時代(まあ今もあまり変わっていないけど)、私がずっと勝手に思ってたことがある。グランドファーザーズはちみつぱいサウンドを継承していて、カーネーションはっぴいえんどの系譜を受け継いでるバンドだ、って。もちろんご本人たちはそんなふうに思ったことないだろうけれど(あ、でもその後カーネーションは風待ミーティングではっぴいえんどをカバーしたね)、私は今もこれ、あながち妄想でもないな、なんて思ってるんだ。

 

グレイトフル・デッドはちみつぱいグランドファーザーズ。私のごくごく個人的な感じ方では、「ズルズルっとしたロック」。タイトなロックやシャープなロックや激しいロックを演奏するバンドはいくらでもいるけれど、ズルズルっとしたロックを魅力的にやれるバンドって、なかなかいない。あーものすごく愛してるのだ、こういう感じ。まだまだ深みにはまります。今はもうないバンドばかりだけれど。