月夜のドライブ

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THE SUZUKIを見た!

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26日、今年初のライブに行ってきました~、渋谷AX。といってもこの日のイベントのメインはライブでなく、映画「FESTIVAL EXPRESS」の上映なんだけど、ゲストライブにHEAT WAVEの山口洋さん、そして鈴木慶一さん+博文さんの兄弟ユニット・THE SUZUKIですよー。もう大好きで大好きで聞き倒してるTHE SUZUKI、でも生で見るのは初めてなのでものすごくウレシイー。

 

AXで初めてのイス席。着いたのは開場後だったけれど、前のほうに座れた。最初に出てきたのは山口洋さん。ギターやハーモニカや口笛を巧みに操り、ストリートな感じの持ち歌を4~5曲披露。30分ぐらいかな。こういう直球なスタイルのアーティストは久しぶりに見たなー。

 

セッティング替えを挟み、THE SUZUKI登場~。ヒューヒュー。鈴木兄弟、そしてサポートの川口義之さんも、シャツ+ジャケットに中折帽というスタイルで、シックでもあり、どことなく怪しい紙芝居屋のようでもあり(←一応ホメてるつもり…)。慶一さんはエレクトリックギター、博文さんはアコースティックギターという組み合わせ。慶一さんのこれが、ご自慢のNewギターなのかーとまじまじと見つめる。

 

最初に「この映画に敬意を表して」という慶一さんのコメント付きで「どですかでん事件」(タイトル、自信なし)。私は慶一さんのオリジナルなのかなと思ったのだけれど、あとでフルサワさんの日記でグレイトフル・デッドの「Casey Jones」のカバーなのだと教えていただきました。詞はたぶんこの「Festival Express」のことを歌っていて、すごく楽しい~。ホント慶一さんの訳詞って独特の軽みがあって好きだなあ。(追記:「Casey Jones」は元々、アメリカの鉄道の歌なのですね。だから映画のことを歌ったんだろうというのは私の思い込みでした。となると、これが慶一さんの訳詞かどうかもハテナマークですね、すみません。)

 

2曲目は「悲しい午後」。生でこの曲聞くの、初めてかもしれない。博文さんと慶一さんのユニゾンの歌が、広い空間に贅沢に響きわたる。博文さんの声にこうやって包まれるのって、私にとってはこれ以上ない幸せ。またソロライブやって欲しいなあと、ひっそり願う。

 

「悲しい午後」が終わったところで客席から「元気がないぞー」とヤジが飛ぶ。そしたら慶一さんが「元気が必要かなあ」とトボけて、さらに博文さんが「もっと元気のない歌もあるよね」だって。クスクス。そして慶一さんが「元気なくやりたいと思います」と前置いて「燃えつきた家」。さすがだ。

 

それから、CRAZY HORSEのカバー「I Don't Want To Talk About It(もう話したくない)」。うーん、渋い曲に次ぐ渋い曲。今回けっこう意外な選曲だったけれど、THE SUZUKIの、よりディープな“ダウン・トゥ・アース”サイドを感じた。

 

5曲目、「大寒町」。あー今年最初のライブでこれを聞けるなんて何だかとてもうれしい。博文さんの歌、今日はいつもにも増して冴えわたっている印象で本当に素敵だった。慶一さんとのハーモニーも堪能。何だかね、兄弟ユニットって、見てるほうはすごく楽しいしうらやましい。ミュージシャンとしての歴史の向こう側に、さらに他人には立ち入り得ない家族としての歴史があって、それが絶対どのようにか音にも出てきているわけでしょう、その辺を勝手にいろいろと想像しながら聞くのがスゴク楽しいのだ。(ってそんなの私だけか…。)同じ遺伝子を持ってる人の、どこかに共通項のある声の重なりというのにもたまらなく魅かれる。

 

慶一さんが「見るのは今日が3回目になるけど素晴らしいですよ」と映画の紹介をしたあとで、最後の曲は「Backstage Pass」でした。あーこれこそ、なんて今日の映画にふさわしい1曲なんだろう。慶一さんが歌う「ある日の午後 A君が…」で、私の勝手な思い入れは、一気に心の中からあふれ出してしまう。有名な人も無名な人も、成功を手にした人もそうでない人も、ただ音楽が好きでい続ける人もそれよりお金が好きになる人も、音楽を始めるときの衝動、その初めの地点ってきっと同じシンプルなものなんだよね。その原点を心の片隅に持ちながら、バックステージパスを握りしめ続けるには、人知れぬ苦しみや闘いがあるはずなのだけれど、でも、やっぱりその原点こそが、ミュージシャンをいつでも最も輝かすんだ、とも思う。このあと、映画を見て、心からそう感じた。この曲、博文さんのアコースティックギターの旋律も、ものすごく素敵でした。ああもっと聞いていたい、と思ったけれど、今日はこれでおしまい。今年はTHE SUZUKIのソロライブも聞けるといいなあ。


で、このあと、本日のメインである「FESTIVAL EXPRESS」の上映があったわけなんだけど、これがもータイヘンなもんでした。ひたすらブッ飛んだ。この辺の音楽に疎い私でさえ、です。ほんとに、スゴかった…。というわけでその感想はまた別記事で。うまく書けるかわからないけど。

 

*「THE SUZUKI '95」THE SUZUKI 「悲しい午後」収録。