月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

今さらだけどヴィレッジ・グリーン

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カカカカッコイイイイーーーーッ。「The Village Green Preservation Society」。The KINKSですよ。私がちゃんとキンクスのアルバム買ったのは実はこれが初めて。ロックな人には今さらすぎて笑われちゃいそう。でも、マジマイッてます。こんなカッコいいレコードが世界にあったなんてーっ。30代後半子持ち女子がこんなとこでキンクスに感激しててどーする。がしかし。んーヤバい。

 

洋楽オンチとはいえさすがにキンクスを知らなかったわけじゃないけど、これまでアルバム買うには至らなかったなー。なぜってね、キンクスといえば「You Really Got Me」あの印象が強すぎて。60年代モノのコンピレーションとかは高校生の頃けっこう買ったけど、キンクスといえば入ってるのは必ずアレなんだよなあ。確かにロック史に残る名曲なんだろうし、当時(64年)の音楽界に与えたパンチ力って相当なもんだったと想像するのだけれど、でもさー、この「The Village Green~」に入ってる曲の方が、何百倍もカッコいいじゃん!(もちろん発表年も違うわけだから単純に比べられないけれど。)コンセプトアルバムってことで、ここから1曲だけは抜き出しにくいとか、シングルヒットがないとか、(そもそもアルバム自体もヒットしてないとか、)いろいろあるんだろうけど。破格の大ヒット曲をひとつ持ってしまうことの幸福と不幸、みたいなものを考えてしまうなー。ぜんさんの言ってた「ロス・ロボスラ・バンバ」じゃないけど、「キンクス=You Really Got Me」で止まっちゃってる、私のような不幸な人って他にもいると思うもん。

 

そんな私が人生終わる前に不幸をひとつ減らすことができてよかった。つい最近このアルバムのことを私に耳打ちしてくれたのはフルサワさん。私がバカキュンBLOGに直枝さん+青山さんの幻のユニット「B826」のことを書いた(→コレ)ときに、そのとき彼らが演ったカバー曲とアルバムを教えてくれたのです(ひたすら感謝~ッ)。その1曲がこのキンクスの「Picture Book」。めちゃくちゃカッコイー曲だー。このイントロを、直枝さんと青山さんがギターで弾いたなんて、今考えても倒れそうだなあ。(私もそのとき見ているはずだから、その感動は記憶の底に息づいてると思うけれど。)

 

このアルバムは、発売までに紆余曲折があったということで、私が今回買った昨年発売の「40th anniversary」盤は、正規の15曲バージョンに加えて、正式には発売されなかった12曲バージョン+シングル「Days」の計13曲がボーナストラックとして入っている豪華さ!これが2000円弱で手に入っちゃうなんて、このアルバムのクオリティの高さを考えると、うれしいというより申し訳ないような気さえするのだけれど…。んーほんとにどれをとってもカッコイイ。ため息。並んでる曲のどれもが独自で、工夫に満ちたアレンジで、そして何よりも、気が遠くなりそうなぐらい素晴らしいメロディ。こういうメロディを聞きたくて、私は音楽聞いてるんだよなーーー。バタバタバタ…っていうドラムスの響きもいいよねー。30年経っても少しも輝きを失わないどころか、これからも音楽好きのココロを進行形で奪い続けるだろうこんな傑作アルバムが、発売当時は全英チャートにも入らなかったなんて聞くと、音楽を「量」だけで評価することの無意味さを、つくづく感じてしまう。

 

 

*「The Village Green Preservation Society」THE KINKS