月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

♪ワォ ♪イェイ 『RUNNIN' WILD LIVE』!!

爆音で聴いてるぜー!カーネーション『RUNNIN' WILD LIVE』。カーネーション好き~と言いながら、結局今年のこの「RUNNIN' WILD」ツアーにはひとつも参戦できなかった私…。でもありがとー、こんなライブ盤届けてくれて。全7曲、あっという間ではあるんだけど、カーネーションの今の勢いと深み、ワイルドさとメロウさを、ギュッと凝縮して見せてくれるような、とっても濃いCD。

 

何しろもう!1曲めの「スペードのエース」で、いきなり彼方まで吹っ飛ばされるでしょ、これ…!直枝さんの噛みつくようなカウント、そして何、この3人の演奏のチンピラみたいな暴れっぷりは!これをガレージバンドと言わずして何と言おう、ああ40代半ばにしてこのジャンクさ落ち着かなさ、サイコー!20年やってても大御所の「お」の字も出やしない。ほんとサイコー。

 

で、2曲めの「気楽にやろうぜ」でメロメロにされる。ああこの甘さ、どういうこと。渡辺シュンスケさんのピアノが、ものすごく妖しさ加えてるよね。この、けっして派手とはいえない「気楽にやろうぜ」っていう曲、ライブで、レコーディングで、磨かれるうちにどんどん魅力的になってきた感じがする。直枝さんには最初からちゃんと、曲がこんなふうに色っぽく開花したときの姿が見えてるんだよな、んもー。

 

最後の“Shu Shu…”のコーラスが照れちゃうぐらいキュートな「サンセット・サンセット」、これまたカーネーションの幅広さを見せてくれるようなインストナンバー「さよならマーティン・デニー」、イントロの荒くれたギターにドキドキしちゃう「SUPER ZOO!」、どれもサイコー!なんだけど…。「ぼうふら漂流族」。ライブバンド・カーネーションの真骨頂。いやーもう、直枝さんの叫び声が!がぉーッ!って。なんちゅー46歳だ。矢部さんのドラムがまたおそろしいことになってるし。(でも本人涼しい顔で叩いてるんだろうな…いつもながら。)で、途中からゆっるーくなるとこがまた最高。エフェクトかかった大田さんのベースのリフが…ヤバい、どっか別次元に連れてかれそう…。けすいけさんも書いてたけど、まさしくデッド的、これもカーネーションのアナザーサイドだよね。あんだけポップな曲があるんだからそれだけやってりゃ一般受けもよかろうに、と思うけど(笑)、これもやっちゃうのが、カーネーションの業(ごう)っていうか。このすこぶるバランス感覚に欠けた突っ走りぶりがまた好きなのさ!

 

…と、ここまでの6曲でも十分素晴らしいんだけど、「PARADISE EXPRESS」!!ライブで先にこれを聴いた人たちのぶっ倒れぶりをあちこちで読んでいたから、いい曲なんだろうなと期待はしてたけど。これ、もう…イントロだけで名曲。胸の奥が痛いぐらいキュンとする。イントロのたった10秒余りの中に現れる、ドラムとギターとピアノとベースの音、完璧だって思わない?どっかシュガーベイブを思い出させる、せつなさとハッピネス。音楽へのピュアな衝動が閉じこめられた音。40過ぎのバンドが、今、こんな音を繰り出せることが素晴らしい。

 

メロディも、すごいよね。つくづく直枝さんにしか書けないと思う。官能から恍惚へスライドしていく旋律、終わりのないジェットコースターみたい。ちょっと待って、っていうぐらい。そして詞が、音と同時進行で胸に蹴りこまれる。言葉が持つ、“届きたい”って願いの強さが、そこらのロックもどきとはけた違い。「思い通りに景色変えてみせようか」「過ぎ去ったひとすじの風を俺は追いかけてんだ」…。そして、「考えこむ前に俺を見て笑って」。あー、また直枝さんに名セリフ飛ばされちゃった…。もうさ、抱きしめられるしかないじゃん、こんな言葉には。そしてこの歌は、またこの先ずっと、私を支え続けてくれるんだろうな。不安なとき、ふさぎこみそうになったとき、「俺を見て笑って」って。

 

 

私が最後にナマで彼らを見たのは4月のアース・デイのイベントだけど、そんときのカーネーションと、このCDの中のカーネーションは、もう全然別モノだもんね。これこそ、ローリング・ストーン。転がって転がって、どこまで行くんだろう。手に汗握りながら、ついていくしかないな、こりゃ。

 

 

*『RUNNIN' WILD LIVE』カーネーション