月夜のドライブ

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よく聞く、あるいは特別な思い入れのあるカーネーションの5曲

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さんざん逡巡したすえにやっぱ選んでみようと取りかかったはいいけど、ヤバイよ、この企画…。聴きこんじゃって聴きこんじゃって全然前に進みません!カーネーションで5曲、難しいとは思ったけどこんなに難しいとは…。だってアルバム1枚から好きな曲ピックアップしてるとそれだけでもう5つ越えちゃうんだもん…。何よ、何なの、この名曲度!

 

でね。逡巡してたのは、選ぶのが難しいせいもあるんだけど…。(ここでも何度も書いてるので、そこまで読んでくれてる奇特な方ならおわかりかと思うのだけど、)私、カーネーションに関しては(というか他のアーティストについてもだね)本当に申し訳ないほどのへタレファンでね。何しろ90年代中ごろから2000年代に突入してしばらくぐらいまで、ほんっとにまったく音楽から離れてた空白時代があって、カーネーションで言えばとうとう鳥羽さんを生で見てないぐらいだものね、そのヘタレぶりがわかろうというもの。

 

そんな大いなる中抜けのある私に、「カーネーションの5曲」を選ぶ資格なんてあるかなあと思い巡らせていたのだけど。でも、恋って時間の長さでもない、何よりそのときの瞬間風速。昨日恋して今日熱く語ったって別にいいんだものね。と開き直って、5曲、いきます。ただどうしても、中抜け以前と以後に思い入れは集中してしまう、かなり偏った5曲だけれど。

 

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1.「ごきげんいかが工場長」
うーんやっぱり出会いのアルバムなので、思い入れは格別。88年の暮れに買ったんだ、なんと先にアナログを。「Angel」のPVでこのジャケットが映し出される印象的なシーンを見たとき、じーんとしてほんと泣きそうになった。彼らのはじめの一歩は、やっぱりここにあるんだなって。直枝さんの心のどこかに、このジャケットはいつも大切に飾られてるんだなって。前に書いた「恋は底ぬけ」(出会いの曲)と「Young Wise Men」(Musical Batonの5曲に入れた)はもちろん大好きなんだけど、この「ごきげんいかが工場長」の蒼さが好き。「堂々と、不器用である」カーネーションの生き方の、高らかな宣言。効率から遠く離れて、プリミティブに、どこまでもロックなんだ。

 

2.「おはよう」
なにげない曲なんだけど、ものすごく大好きなの。「胸が痛い/声が出ない」…の箇所から次へ至る部分のドラムとギターとベースのドライブ感は、ロックが私たちにもたらしてくれる、考えうる限りの幸福なひとしずくだと思う。いや、なにげない曲なんだけどね。直枝さんの囁き声コーラス「こうなるの」の色っぽさで、胸撃ち抜かれ、立てず。ダメだ…。

 

3.「The End Of Summer」
私、ほんとにこの曲好きなんだよー。何度聴いても、そのたび泣いちゃいそうなんだよ、何でだろう?青春の情けなさ、バカバカしさ、狂おしさ、そしていとおしさがこの1曲に凝縮されている。そしてそれは青春を抜け出した今も、ずっと続いてて、終わらないんだ。「ぼくのなにかひとつを信じてほしい」、そう、ひとつでいいんだ、きみのいちばん大切ななにかを、私は信じられるかな。イカレた視界。最後のコーラスで、私はいつもどろどろに溶けちゃう。永遠のサマー・オブ・ラブな曲。

 

4.「やるせなく果てしなく」
もうここではいやというほど書いているのだけれど、ずっとカーネーションの音から離れていた私を、彼らは、たった一発のライブで、また荒れ狂うような恋に引き込んだ。去年の3月、高田馬場クラブフェイズでのこと。再び落雷に撃たれた私は、買ってさえいなかった前年発売の「LIVING/LOVING」を、息せき切って手に入れたんだ。そして、1曲目のこのイントロが飛び込んできたときの衝撃、想像できる?長いこと彼らから離れた場所にいたことをすごく後悔したし、再び出会えたことを心から感謝した。こんなメロディ、世界で直枝さん以外の誰が書けるっていうんだろう?どこまでもやさしくて、どこまでも強い、こんな歌。

 

5.「十字路」
これも前に書いたんだけどね。勝手に、私がすごく思い入れちゃってるんだ。「どんなことが これから起こるんだろ?/どんな意味が あれば気がすむんだろ?」問いかけの言葉は不安げだけど、直枝さんの声の強さは、もう「次」を決心してる。鳥の翼のように広がるサウンドの、強靭なうつくしさ。直枝さんが音楽を通じて私たちにいろんなものを与えてくれるのと同じように、直枝さん自身を「先」へ連れていくのも、きっと、音楽に他ならないんだろう。「十字路の孤独な黒い鳥/くたばるなよおれも同じなんだ」…そうつぶやく直枝さんの、私は、せめて10分の1の強さでも携えて進んでいけるかな。その覚悟があるかな。

 

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はー…。書いてみたはいいけれど。無理ですよ、無理!不可能!カーネーションから5曲は!ディスクを聴きながら、曲目を紙に書き出したりしてたんだけど、紙が真っ黒でスゴイことになっちゃいました。今日の気分はなんか、「天国と地獄」でねー、いやあらためて名盤すぎてコワイくらい…。で、こんな選曲になったけど、「GONG SHOW」からも「エレキング」からも選びたいのに~~~。ああ、5曲よ、あなたはどうして5曲なの?でも私の場合、「思い入れ」重視で選ぶと、やっぱり情けなくも中抜けになるのは致し方なし。“あれもこれもそれも入ってないじゃん!”状態。あーこれまたやりたいです、別の視点でね。

 

このたびこんな苦しくも楽しい企画にそそのかしてくださった、けすいけさんや祥さんやあやさんには感謝です。アリガトー!またこりずに他アーティストまで手を伸ばしちゃおうかな。実にシアワセな消耗が訪れる。