月夜のドライブ

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青木孝明さん『声』レコ発ライブ @ 神保町試聴室

試聴室に足を運ぶのも久しぶりなら、青木さんの生歌を聴くのもとても久しぶり。もともと私はそんなにライブに行けているほうではないけれど、コロナ禍になってもう丸2年、誰のどんなライブでも2年以上ぶりなのは当たり前の世界なのだよな…などと思う。だから余計に、この日のライブ、とても楽しみにしていた。

 

「声/青木孝明」CD 発売記念ライブ
2022年1月16日(日)
神保町試聴室
出演:青木孝明 (Vocal,Guitar & Piano)、伊藤隆博 (Piano & Trombone)
開場 17:30 / 開演 18:00
■料金:予約 3,000円 (1ドリンク,スナック込)

 

 


水道橋駅を降りて人気の少ない日曜の街をずんずん歩いていき、試聴室の前の小さな列に加わる。開場時間になり、代金を払いスナック(キャベツ太郎!)を受け取り、中へ。コロナ禍で予約は20名限定だったので、小さいハコだけれど席はゆったりめ。すぐ目の前には青木さんのギターとアンプ、そしてグランドピアノ。楽器がセッティングされている空間にいられるこの時間だけでも心が満たされる…。

 

青木さんは袖にフリンジのついた黒のジャケットで登場。カッコイイー。青木さんはエレキギターを抱えて、伊藤隆博さんはピアノの前に座って、オープニングはインストゥルメンタルの1曲。とっても不思議なメロディで、『よくこんなむっずかしそうな曲ナマで1曲目に弾こうと思うなぁ…!』とシロウトの私は心から驚きつつ、青木さんらしいとしか言えない、ふくよかで複雑な音の世界に浸る。

 

「今日は新旧取りまぜながら、新譜の曲は全曲やります!」と言い、次々と演奏していく青木さん。ひとつひとつ大切に歌い、嬉しそうにしゃべる青木さんを見ていると、こちらもニコニコしてしまう。10年ぶりの新譜ということだけど、「新」も「旧」もひと続きに、ひたすら青木孝明さんらしいメロディと言葉。ここを訪ねないと聴くことのできない、オリジナルな音楽だなあとあらためて思う。

 

それにしても!青木さんのギターとたかたかのピアノ、たった2つの楽器から、なんという豊かな音がこんこんとわき出ることか。伊藤隆博さんを観るのも私は久しぶりだったけれど、重々わかってはいたもののやっぱりヒクほど天才…!何をどうするとあんな想像を絶するセンスの大洪水のようなピアノが弾けるのか。(たかたかの音を聴いているあいだじゅう、以前くまーちゃんやけいすけくんと話した「たかたかの演奏は土橋の守備に似てエロい、どっちも見た目は全然エロくないのにそこがまたエロい」をずっと思い出していた。笑) でも、たかたかの指先からあんな極上の旋律を引き出すのも、青木さんのメロディのチカラなのだよなあと思う。あのすばらしいピアノの音をも、青木さんのつくる歌は内包しているということだものね。かと思うと、青木さんがピアノ、たかたかがトロンボーンで「One Day」。これも素敵だったなあ…。今、遠くに出かけることができない私たちを一気に別の世界に連れて行って、真新しい風に当ててくれる。気持ちよく、ワクワクして、元気が出る!

 

「今回初めて楽器を弾かずに歌う歌を録音しました」というMCで「邂逅」。青木さんが「ハンドマイクで歌います(ニッコリ)」と曲の前にちょっと断ったときに、たかたかが「練り歩く…?」と返して思わず客席に笑いがこぼれたのだけど、青木さんとたかたかのこの何でもない会話を聞いた瞬間に、なぜか急激にこみ上げてくるものがあって…。私、(というかここにいるみんなや配信を観ている人もきっと、)音楽もだけど音楽の向こうの人柄を聴いているのだよなあと思って。いい音楽の向こうには必ず青木さんや伊藤さんのような音楽家がいて、絶やさないようにそっと音楽を鳴らし続けてくれている。音の焚火を燃やし続けて、いつでも来ていいよって開放してくれていて、私たちはいつでもあたりに行ってこうして温めてもらえるんだなって。そんなふうに思ってちょっと泣きそうになりながら「邂逅」を聴いていた…。

 

「ライラ」の心地よいメロディと軽やかに転がるピアノ、超ゴキゲン。そして次の「Switch」がとんでもないことに!青木さんの熱がこもったストローク、たかたかのピアノがそれを超える熱量で爆発して、カッコイイのなんのって。途中あまりにアツくなりすぎて青木さんのギターの弦が耐え切れず(笑)やり直し。聴き手はちょっとトクしちゃったかも。はーーーすごかったなーーー、青木さんをさえ危うく「拍とれなくなりそうに」しちゃうたかたかの自由さ、天才の軌跡…!ふたりの音は試聴室じゅうを巻きこんでどっかへ旅する竜巻みたいになってた!

 

ニューアルバム、よい曲がたくさん、あらためて盤で聴くのも楽しみ!大好きな「サーカス」も聴けて嬉しかったー、はーーーかっこよ!かっこよ!(バッタリ。)いやしかしよくこんな曲つくるしよくこんな曲ナマで演奏するな~(Repriese)。アンコールで、歌詞間違えた曲もリベンジして満足そうな青木さん。大ラス曲をすっかり忘れて演らずに帰ろうとする一方、きょとんとした様子でピアノの前にいるたかたかもおもしろかった。

 

コロナに見舞われてからいっそう、こうしてライブに出かけていい音を聴いて帰る時間が、どれだけ大切で自分を満たしてくれるかって感じる。私は言うほどはライブにも足を運べていないし作品も聴ききれてはいないリスナーで、大変な思いをしてすばらしい音楽を生み出し続けてくれるミュージシャンの苦労に報いることまではなかなかできないけれど、ありがとうの気持ちをせいいっぱい拍手にこめた、いや、勝手にこもっちゃった!大きく深呼吸して心にフレッシュな空気をいっぱいに吸い込んだような時間。楽しかったー!青木さん、伊藤さん、スタッフの方々、ありがとうございました!

 

セットリスト
(青木さんのブログの記事より転載させていただきました)
1.Bruno
2.病院のプラネタリウム
3.僕は待っている
4.All Around The World in A Day
5.君がここにいる
6.休まない翼
7.僕は何も惜しまない
8.旅立ち
9.声
10.お墓
11.明日(Instrumental)
12.One Day
13.Whistle Step
14.邂逅
15.ライラ
16.Switch
17.流星塵
18.君の名前
19.光の約束
20.サーカス

アンコール1.夕闇のパビリオン
アンコール2.休まない翼(2回目)
アンコール3.ドライヴ
https://mcrandom.exblog.jp/30947180/

購入した新譜、おまけのボーナスディスク、ハガキとチラシ