月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

moonriders Shibuya Cine 7_2010 @ PLEASURE PLEASURE

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ムーンライダーズの今年初となるライブ、2日連続の2日めのほうに行ってきました。ほぼ日で録画映像をまるまる無料放映中(太っ腹!)なので、特に詳しく書かなくても、ね。私的な感想だけちょっとキロク。

 

moonriders Shibuya Cine 7_2010』
3月23日(火)
SHIBUYA ENTERTAINMENT THEATER PLEASURE PLEASURE
開場18時30分 開演19時
全席指定 6,300円(税込) ※ドリンク代500円別途必要

 

個人的に土日祝のそして2日連続の家庭離脱が困難を極めるので、二夜連続のうちの平日の2日めしか行けなかったのだけど、『Tokyo7』の全曲演奏はこの日だけだったみたいなので、私の場合はこちらを選んでおいてよかったかな…。この日は、ムーンライダーズ6人にサポートドラムの夏秋文尚さんを加えた7人編成で。

 

第一部が『Tokyo7』全曲演奏、第二部が映画音楽のカバー、第三部が『カメラ=万年筆』から、という構成だったのだけど、今いちばん好きなアルバム『Tokyo7』の曲を聴けたのがとにかくうれしかった!昨年のツアーでは演らなかった「SO RE ZO RE」「Small Box」「旅のYokan」、どれもよかったね。特に「SO RE ZO RE」は生で聴きたかった1曲。岡田さんのスマートなボーカル、エンディングのどろっとした演奏、すごくよかった。

 

私なぜかライダーズのライブではくじらさん側の席が多いのだけれど、今回はめずらしく良明さん側だった。で、かしぶちさんのドラムがとてもよく見えたんだけど、もーーーとにかく凄かった!やられた!かしぶちさんってこんなにパワフルにドラム叩く人だったっけ?って目を疑うぐらいの、強力な叩きっぷり。雷に打たれるような衝撃があった。圧倒された…。かっちりしたシャツとジャケットが激しいドラミングでやや乱れ、静謐な横顔に汗がキラリと光って、ロマンスグレイの前髪がはらりと顔にかかっちゃったりして、もーソレ、必殺すぎるから!!私はムーンライダーズに関しては大きな空白期間があって90年代のライブをまったく知らないのだけれど、私が観てきた00年代以降のライブでは、まちがいなく、この日がいちばん激しいかしぶちさんだったと思う。還暦まであと少しっていう年齢でだよ、ありえるのかそんなこと…!

 

そのかしぶちさんと、私が世界でいちばん好きなドラマー・夏秋さんのツインドラム、もうそんなの、うっとり恍惚に身をまかせたまま身投げしろって言ってるようなもんです…。かしぶちさんと夏秋さん、それぞれに独特なドラムの音とパターンが、複雑に交差しながらバンドを破壊せんばかりに発熱していくプロセス、たまらなかった…。前日の“正統派6人ライダーズ”も観たかったなと思うけど、この今の“ムーンライダーズ・ツインドラムVersion”、かなり好き。ライダーズのもともとの複雑怪奇さが、あろうことかリズムの面でまでおそろしい氾濫を見せてるようで、ね。ほんとこんなロックバンド他にいないって。ヤバいよ。

 

というわけで、かしぶちさんと(あまり見えなかったんだけど)夏秋さん、後方のドラムばっかりついつい観ることに…。「タブラ・ラサ」「笑門来福?」あたりのアッパーな曲たちの疾走感ったらハンパない。「パラダイスあたりの信号で」は、うまく言えないんだけど…、いつもべりっと何かを引き剥がされる感じがする。喜怒哀楽とはちがう感情で胸いっぱいになってしまう。大大大好きな「夕暮れのUFO、明け方のJET、真昼のバタフライ」、最高にチャーミングなポップチューン!!!!この曲のドラムはほんとうにカッコイイな…。

 

第二部のはじめ、慶一さんのMCがあったあと、「ブォー……」って入ってきたのサンプリング音源だと思ってたら、なんだか音がリアル……あーーーっ!!夏秋さんディジュリドゥー吹いてるーーー!!!!ココにいちばん持ってかれました(笑)。ムーンライダーズのステージで、ナマで夏秋さんのディジュを聴くとは…。去年の夏秋さんのコメレレ@「青空のマリー」('09年4月のAXライブ)と同じぐらい驚いた…。ホールを包むようなディジュの音、すっごくよかったなー。(※マニアックBLOGなので「夏秋さんのディジュリドゥー」という記事が過去にあります) ムーンライダーズの映画音楽カバーは職人芸。ふわっと楽しく、ぎゅんとねじれてうつくしかった。

 

第三部『カメラ=万年筆』のナンバーは、最近の“ライブバンド”・ムーンライダーズのセットリストではむしろ定番だから、これが30年前の曲だといわれるととても意外な感じがする。古さなんかひとつもない、まあたらしい切り傷みたいな曲たち。「水の中のナイフ」カッコよすぎ…ブッ倒れる…!!

 

会場でナマで体験した印象では100%ロック!なライブだった。『Tokyo7』と『カメラ=万年筆』のナンバーは特に。みんな座っての演奏だったし、楽器だけみればベースもギターもアコースティックなんだけど、それでもひたすら激しくロックだったなあ。良明さんのギターは完璧にロックな音がしてたし、博文さんのベースも「アコースティックベースってこんなに激しい音が出るの?」って驚くぐらいだったし。

 

だからね、会場の「PLEASURE PLEASURE」の座席のあまりの居心地よさが、逆にちょっと歯がゆかった(苦笑)。目の前でとんでもなくエキサイティングな音が大音量で鳴ってんのに、リラクゼーションシートみたいなのにゆったりさせられちゃってるっていうギャップがね。まあ第二部はそういう趣向だったんだとは思うけど。でもムーンライダーズってやっぱり、ゆったりした気持ちで聴くような音楽じゃないと思うから。もっとひりひりして切実で居心地悪い、それゆえにたいせつな音楽。私にとっては。

 

まとにかく、かしぶちさんに完全降参!!!!そしてツインドラムに全面降伏!!!!の一夜でした。はーほんとかしぶちさんと夏秋さんカッコよかった。今年はソロワークが多くてムーンライダーズとしてのライブは少ない予定、と慶一さんがMCしてたけど、この日のかしぶちさんほど叩けるドラマーがいるバンド、今ライブしなくてどうするよ?ってすっごく思うんだけど。ちょっと他に見ないほどの複雑な演奏力とストレートなライブ力あるバンドだよ、今のムーンライダーズ。ぎゅいんぎゅいんにエレクトリックでゴリゴリにロックなムーンライダーズのライブを、今すぐ、何百回でも、観たい!!!!

 

鈴木兄弟+ツインドラム、キャプチャーしちゃいました。カッコいいなあ…うっとり。これは「インテリア」のとき。 

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