月夜のドライブ

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山下達郎 PERFORMANCE 2008-2009 @ 中野サンプラザ

画像木曜日の夜、タツローさんのライブ行ってきました。中野サンプラザの一夜めのほう。(以下、感想というよりほとんど自分語り…。)

 

TATSURO YAMASHITA PERFORMANCE 2008-2009
2009/04/16 THU
中野サンプラザ
18:00 open / 18:30 start
The Band
小笠原拓海(Drums)
伊藤広規(Bass)
難波弘之(Acoustic Piano & Rhodes)
柴田俊文(Keyboards)
佐橋佳幸(Guitars)
土岐英史(Saxophone)
国分友里惠(Background Vocal)
佐々木久美(Background Vocal)
三谷泰弘(Background Vocal)

 

今回は12月を皮切りに全47公演(その後追加公演が増えて全50公演)、と、久しぶりの大規模なツアー。でも、チケ運的に、ファンクラブ優先で申し込める1回が足を運べる唯一のチャンスだろうと思っていたので、じゃあやっぱり中野サンプラザしかないだろう!とこの日を選んでた。私がはじめてタツローさんのコンサート見たの中野サンプラザだし(83~84年のツアー、なんと25年前…)、当然ここで一番見てるので。やっぱり思い入れがね…。で、12月からひたすら待って、やっとこの日。

 

サンプラザ2日あるうちでも初日を選んだのは、2日めよりは1日めのほうがいい席が取れるんじゃないかなというあまり根拠のない予測の元にだったのだけど、チケットが届いてみたら、ちょっと目を疑うような良席が取れてて、ハイ、もう今年のチケ運はここにすべて使ったってことで了解です…。

 

とはいえ、じつはここ数年はタツローさんの活動をあまり追いかけていない不届きなファンだったので、それほどの思い入れはないつもりだった。わりと軽い気持ちで席に着いたつもりだった。ところが、客電が落ちてメンバー入場のイントロダクションの音楽が会場に響いたら、途端にぶわっと涙があふれちゃって。さらに、バンドメンバーの最後にタツローさんが登場して、テレキャスかついで鳴らしたあのイントロで、もう涙がボロボロ止まんなくなっちゃった。もう、なんだよこれ!

 

タツローさんがいなかったら、タツローさんのこの音がなかったら、私は今の私じゃないだろうな。私がいまだにこんなに音楽を好きで好きでしょうがない大人でいるのは、あのとき、タツローさんがこの場所に連れてきてくれたから。10代半ばだった私にとって、大滝さんが扉で、タツローさんがその先へと私を連れ出したピーターパンだった。タツローさんがいなかったら、今の私はここにいない。

 

彼に導かれて音楽をディープに聴き始め、この中野サンプラザではじめて彼のナマの音に度肝を抜かれた高校生が、あのときと同じ音をこうして同じ場所で聴いてるなんて…。

 

…そんな思いが一気に私の中を駆け巡って、自分でもビックリしちゃうぐらい心が揺さぶられてしまった。当然のことながら思いの外深かったよ、タツローさんの存在は…。また目の前のタツローさんのカッティングがかっこよすぎだし!

 

それにしても、セットリストの特に前半、はげしく私好みだったーーー!中でも特に最初の3曲!!超好きすぎる!!っていうかそのソレ3曲め!!!それ、私のためだよね!!!???やーもう悪いけどそうだと思います(キッパリ)。ほんと予想外のことで倒れそうになった。私が、タツローさんのレパートリーの中で、ほぼいちばん好きな曲。どちらかというと地味めなこの曲を、まさかライブで聴けるなんて思ってもみなかった…。ほんとうに、かけがえのない至福の時間だった。

 

なんだかいろいろな意味で、高校生から大学生時分の、私がいちばんタツローさんに参ってた頃の気持ちを思い出しちゃったようなライブだった。セットリスト(特に前半)のせいかもしれないし、私自身がこの2~3年、びゅんと音楽に飛び込める体勢を戻してきてるからかもしれない。でも何よりも、ステージの上のタツローさんが、20年前と何も変わらなく見えて驚いた。ギターのタフな弾きっぷりも、声の響きも弾力も、負けん気にあふれたステージングも、何もかも!私が本気で結婚したいと思ってたあのころとひとつも変わってない!あー、今もやっぱ結婚したいかも、タツロー!

 

私、こういうタツローさんがほんとに好きなんだよね。バンドサウンドの中でひたすらカッティング刻む、ただのロックンローラー山下達郎が。彼がいちばん輝いてるのって、シュガーベイブのときからひとつも変わらない、ここの部分なんだと思ってるから。

 

そのバンド、ね。今さら言うのも野暮だとわかってて言うけどすごかったよ!私高校生のとき広規ギャルでもあったから(笑)、まずは広規さんのベースというか広規さんの姿見るだけで無条件にドキドキしてしまう。ベースのネックから布たらりんと垂らしてて、あー広規さんだー!って(笑)。佐橋くんはちょうど見えない位置で残念。佐橋くんのギターの音久しぶりに聴いたけど、なんだか大河ドラマみたいだと思ったなあ。スケールでかくて、いい意味で王道なんだよね、すばらしい。あと難波さん、あいかわらずの愛らしさ。難波さんがいて、あの5曲め、というのにはグッときちゃった。それからコーラス隊の三谷さん、ここ何年か彼のライブを見る機会がとても多くて私にとっては近しい人に(勝手に)なってるので、彼の姿をタツローさんのステージで見るってダブルでうれしい。三谷さん(も国分さんも久美さんも)楽しそうだったな~!そして何よりも、ドラムスの弱冠24歳小笠原くんの凄いこと!なんというセンスよく技量のあるドラマーなんでしょう。これはタツローさん惚れるわけだ…。間違いなく、彼こそがこのバンドのサウンドを引っ張ってた。やっぱりドラマーって、バンドのエンジンなんだな…。と最近強く感じることを、ここでも心底感じた。

 

私、タツローさんのバラード曲はそれほど好きじゃない場合が多いんだけど、ライブで聴くと、断然ロックンロール成分高いんだよね。好きじゃない宣言を撤回しようかと何度も思わされた(笑)。後半は怒涛の定番曲パレード、これがまたタツローさんが言うとおり「ロックンロールは演奏して命を吹き込み続ける限り懐メロにはならない」わけで、このメロディとこの演奏とこの歌が強いテンションで結ばれ駆けていく高揚感と緊迫感は、マンネリという言葉のつけ入るスキなんかまるでない。たとえこの先何千回聴いたって、そうだと思う。

 

ほんとカッコイイよタツロー!年齢のわりには、とか、大御所のわりには、なんてエクスキューズ、もとより思い浮かびもしない。高校生のときそう思ってたのと同じように、ただ好き!ただカッコイイ!ただ結婚したい!と思う。ロックンロールのカッコよさに理屈なんかないのさ!

 

何がうれしかったって、タツローさんが「いいメンバーが見つかったし、この先はしばらく、頻繁にライブやろうかなと思ってる」と言ってくれたこと。うん、それだよ!そりゃヒットはあるに越したことないしタイアップだってたくさんあったほうがいいだろうしCDは売れたらいいに決まってるしスタンダード曲だってたくさん生まれたほうがいいだろうけど、でも、そんなの、究極にはどうでもいいんだ。バンドのグルーヴにノッて汗まみれでギターを弾き、メンバーと目くばせしてエンディングを派手にキメ、客の熱気に応えながら心底楽しそうに歌いまくる、そんなタツローさんの、保存のきかない「瞬間」が好き。ただの、そしてそれゆえに“最高の”、ロックンローラー山下達郎を、もっともっと見たいんだ。