月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

イエスとオブモンが好きな私が買ってみたBryan Scary&The Shredding Tears

画像ヘンなCDだけど、相当おもしろい。これもネット上をさまよってるうちに出合って買った一枚。どんだけさまよってんだよって感じですが。Bryan Scary & The Shredding Tears『Flight of the Knife』(08)。Bryan Scary、ぜんぜん知りません。「Bryan Scary」名のファーストが1枚あって、これがバンド名義で出たセカンドらしい。私が知っている音楽の範囲で言えば、パワーポップというのと、プログレッシヴロックというのが、いちばん近いかな…。オブ・モントリオールっぽいところもあり、ビートルズライク(私の感じでは特に『サージェント・ペパーズ』)な手ざわりもあり、クイーン的語彙が炸裂するところもあり。ポップでカラフルな極上メロと偏執狂的なサウンドスペクタクル。なにしろ過剰にゴージャスでもりだくさんできらんきらんなので、聴き手に元気のあるときじゃないとつらいかも。音の洪水を受けて立つ、ぐらいの気概がないと。

 

ほんとにおもしろい曲ばかりで、プログレ・サーフロックみたいな(そうとしか言いようがないよ、おもしれー)「The Purple Rocket」もいい、変態ポップのくせにボーカルの巧さとメロディのよさがやたらしみ入る「The Zero Light」もいい、シアトリカルでプログレッシヴで晴れ晴れと気味悪い「Mama Waits」もいい、何かに似てるなと思ったらどうにもムーンライダーズみたいな気がしてならない「Imitation of the Sky」もいい、全12曲、どれもどっかがもれなくいい。あふれんばかりのアイデアサウンドメイキングには驚くばかりだけど、強く魅きつけられる最大の理由は、シンプルに、メロディのよさだったりもする。「The Curious Disappearance of the Sky-Ship Thunder-Man」の美メロっぷりなんて、それだけ取り出してみれば60~70年代ソフトロックのオーソドックスな輝きを感じるほど。このメロディがしっかりと芯にあるから、包装紙も心おきなくきらびやかにできるってもんなんだろうな。

 

ネット上のレビュー見て興味持ってMySpaceで試聴、これは!!と購入、のパターンだったんだけど、購入の決め手になったのは「Son of Stab」という曲。これ笑っちゃうぐらいすげえ!「YESの未発表曲」って言われても信用しちゃいそうよ。リック・ウェイクマンがキーボード弾いてクリス・スクワイアがベース弾いてそう。これを試聴した瞬間、「私がこれを買わずして誰が買う!」(笑)と思ったのだ。正解。(あ、今気づいたけど私がMySpaceで試聴したのは、この曲のライブバージョンだったんだ!ますますすげえ!!!!)

 

アクが強いので、ハマリこむまでに少々時間がかかる気はするんだけど、上記の文章に反応しがちな人は、たぶん好きかも。

http://www.myspace.com/bryanscary

http://www.bryanscary.com/