月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

The Troubadours @ 渋谷DUO Music Exchange

画像今年のはじめにシングル「Gimme Love」のあまりの名曲っぷりに撃ち抜かれて以来、ナマで観てみたいなーとそこはかとなく思いつつ、サマーソニックもその直後のライブ(The Fratellisオープニングアクト)も行かずじまいのThe Troubadours(ザ・トルバドールズ)でしたが…。まさかの単独(というか対バンライブ)キター!!…ってことで、渋谷DUO Music Exchange、昨夜行ってきました!やー楽しかったなー。スグ目の前でMarkが歌ってた!ヴィデオクリップの怒ったような顔あのまんまだった!

 

2008/11/19 Wed.
THE TROUBADOURS JAPAN TOUR 2008
@ 渋谷DUO Music Exchange
[OPENING ACT] BRIGADE
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKET:ADV.¥5,500- ※1ドリンク別

 

このライブ、当初はザ・メトロスとの“W HEADLINE JAPAN TOUR 2008”と銘打たれていたのだけど、メトロスのボーカリストが体調不良で来日キャンセルになり、替わりに前座でBRIGADEというバンドが出演。チケぴから「払い戻しのお知らせ」のメールがきたときは、The Troubadoursが来れなくなったのかと思ってドキッとしたよ…。

 

「音楽酒場」のカナさんがこの記事で言ってたように、The Troubadours、「女の子人気となるとキビシイだろうなあ」と(笑)私も少なからず感じてたので、今日のライブも野郎ばっかりだろうと思ってたら、若い女子がけっこういてビックリ!「マーク~!」「トニー!」と黄色い声さえ飛んでたよ!?

 

整理番号はそんなによくなかったのだけど、平日で開場に間に合った人が少なかったのか、メトロス来たらずでキャンセルが多かったのか、入場してみたら最前列ゲット。うはー。DUOはesqで席ありのときしか体験したことなくてスタンディングは初めてだったけど、ステージ、近っっ!ふだんトーキョーとリヴァプールの距離を隔ててるふたり(…って誰と誰だよ)が、こんなに近くで会えるなんて…。

 

■BRIGADE

オープニングアクトのBRIGADEは、ロンドンの4人バンド。出かける直前にMySpaceでぱらっと数曲聴いて、キライな感じじゃないなというのだけ確認してきたんだけど。やー、ボーカルくんがむちゃくちゃカッコイイっす(そこか)!だって、細身に赤シャツ+ブラックジーンズ+コンバース、短めのブロンドに甘い笑顔、なんていう英国青年に目の前で派手にSGかき鳴らされてみなよ…、コレ、うっとりするなっていうほうがムリ!左側のギターくんも細身でカッコヨス。で、ふとベーシストを見るとドラゴンボールみたいなアジア系青年でへえと思う(今調べたら日本人っぽい名前)。ドラマーはこれまたPEANUTSにでも出てきそうなかわいいキャラ顔して、でもやたらパワフルなドラムを叩く。なんせ轟音ギターロック、音でけー!シンプルなバンドだけど、悪くない。せっかくのメロディのよさがもっと立ってくるといい気がしたけど、いや、ライブの演奏はこれでいいのかもね。

 

The Troubadours

BRIGADEの演奏はさくっと6~7曲で終わってしまい、セッティング替えのあと、待ってましたThe Troubadours!4人、出てきたー!ホンモノだー!真ん中にアコギを抱えたボーカルのMark Frith、向かって右にベースのTony Ferguson、奥にドラムスのElmo Nino、そして、これ直前まで知らなかったんだけど最近メンバーチェンジがあったようで、もうひとりのギターはLuke Thomson。1曲め、「Still Waters」。絶妙なアンサンブル、すばらしいコーラスワーク。至高のポップスをもっともいい形で鳴らそうとする職人的な一途さを感じる。

 

それにしてもこのバンドやっぱり、イマ風な洒落っ気ないんだな…(笑)。ボーカルのマークはヒッコリーストライプのパンツに投げやりめな黒いシャツ、ベースのトニーはボロいジーンズに黒ポロシャツ、ドラムスのエルモも日曜日のお父さんみたいなシャツだし、今後の外見値を上げる期待のかかりそうな新ギタリストのルークさえ、浪人生みたいなよれよれトレーナーにジーンズ…。しかもマークとトニーはバックステージパスを首からぶら下げたまま演奏してた、そんなミュージシャン見たことねーよ(笑)!

 

でも、いいんだよねー、音がとにかく。とんがっているわけじゃないけど、正統派で丁寧な演奏、出てくる曲出てくる曲、うつくしいメロディがうつくしく響く。The Troubadoursの演奏は、これまでもインタビューやスタジオライブの映像をいくつかネットで見ていたけれどアコースティックセットがほとんどだったので、ベースとドラムががっつり入る本格的なエレクトリックセットの演奏を観るのははじめて。やー、これが、予想をはるかに越えるよさだった!

 

っていうか…、この20代バンドの中でもいちばんおっさんぽい(と思ってた)ドラムスのエルモに、不覚にもヤラレてしまったよ…。エルモ、すっげーいいドラマーだ。これは今回の最大の発見だったかも。緩急を自在に操る、とても柔軟でポップなドラミング。リヴァプールの男の子がスティックを手にしたら必ずこうなるわけでもないだろうと思うのだけど…。天才メロディメーカー、マーク・フリスの曲を叩くのに、世界でいちばんぴったりのドラマーだと思った。トニーのベースもおもしろくって、なんというか、ゾウが複雑なタップを踏むような、ユニークでポップな音のベース弾く。なるほど、「Gimme Love」はマークの手だけから生まれたわけじゃなく、やっぱりバンド・The Troubadoursがあって形になったものなんだな…。「Deep Devotion」「Con Edison」「All The Kings Men」あたりのドラム、ほんとカッコよかった。エルモが曲の合間にくるくるくるくるスティック回すんだけど、それがぜんぜんロック的な仕草じゃないのが、またかわいいやらおかしいやら。

 

マークの歌は、やっぱり圧倒的な魅力に満ちてたな。PVで見て「ナマで見たい」と思ってたあのままだった。怒ったように天井のほう睨みながらマイクに噛みつかんばかりに歌う。かと思うと、曲の合間の態度はとても気さくで、メンバー同士ふざけて茶々入れあったり、客席に話しかけたり。そこからエルモのカウントが入ると、途端にきりっとした音楽職人の顔になる20代。「オレたち、バンドが、演奏が、音楽が、楽しくってたまらないんだ!」って誇らしげな気持ちが伝わってくる。

 

アンコールの「Gimme Love」はさすがにテンション上がったねー!あの曲を、目の前でナマで聴く体験、サイコーだった!!鳥肌立ちそうだったよ。♪Gimme Gimme Love, Gimme Gimme Love, Gimme Love, Gimme Gimme Love, Gimme Gimme Yeah Yeah Yeah!♪ ああ、楽しくていいライブだったなー。

 

今年メジャーデビューしたばかりの20代前半の若者たちを前にすると、私みたいな古くて小うるさいロックファンはつい口ぐせのように「さらなる音の進化を」なんて言いがちだけど、彼らにはそれこそ余計なお世話かもしれないね。むしろ、うわべだけの「工夫」や「変化」をし始めた途端に不味くなっちゃうラーメン屋の愚を犯さないことのほうが大事かも。それぐらい、すでに高いレベルで完成された世界を持つバンドだと思うから。

 

このあと彼らがどんなふうにバンドの進路を取るとしても---今のままポップスとロックのよき財産のもっとも正統な継承者であり続けるとしても、何らかのドラスティックな音像の変化を遂げていくのだとしても---マーク・フリスから生まれるこのメロディは、替えのきかない圧倒的な輝きを放ち続けるだろうね。また未来のどこかで、ナマのThe Troubadoursを観る機会が楽しみ。

 

私は行けないけど、今日と明日、インストアライブもあるって!

●2008/11/20(木) 19:00~ タワーレコード新宿店7Fイベントスペース

●2008/11/21(金) 19:00~ HMV渋谷3Fイベントスペース

ほかにも22日までの3日間で、ラジオ番組に出たり、無料ライブに出たりがいくつもあるみたい。働き者だなー。MySpaceに情報出てます。

http://www.myspace.com/thetroubadoursmusic  

画像

これがインストアライブの告知チラシに載ってた、最新(と思われる)アー写。左から、エルモ(Dr)、ルーク(G)、マーク(Vo,G)、トニー(B)。