海外のすてきミュージシャンにキャーキャー言って元気を出すシリーズ。(…シリーズなのか?) サイキンものすごく気に入ってるPV、前にも書いたマンチェスターのインディーバンド、The Maple Stateの『Temperate Lives』です。Voのグレッグ、モッズコート似合うなあ…ギザカッコヨス(はぁと)。
何の装飾も無い、メンバー5人が淡々と演奏して歌うだけのフィルムなんだけどね。色を落とした映像の中、バンドとしてのたたずまいのカッコよさが際立つ。何より私が好きなのが、途中でふっとギターの音一本になって、バックライトに照らされたメンバー全員が♪Hey, we take it on the chin when they say /We don't, we don't, we don't deserve anything from anyone♪とユニゾンで歌いだすとこ(1'34"あたりね)。ここがもう、鳥肌立つぐらい好き。全員コーラスする男子バンド、とにかく好きなんです。日本でいえばムーンライダーズとかメトロファルスとかもそう。
なんというか…男の子が何人か集まっていっしょに歌をうたうって、ふつうはけっこう気恥ずかしいことなんじゃないかと思うんだよね。なんらかの価値観を共有してるっていうお互いの了解がないかぎり。そんな「価値観」や「信条」なんて青臭いモノを頼りに声を重ねる、そのバカバカしいようないとおしいような行為に、グッときちゃうんだなー。
The Maple Stateは、奇をてらったところのない、わりとシンプルなロックバンドだから、洋楽に詳しい人が聴いたら「こんな音、今までにもたくさんあったんじゃない?」って思うかも。じっさい、デビューのころはグレッグのボーカルスタイルとか「The Smithsに激似」とか言われてたみたいだし。私はThe Smithsを聴いたことないからそれについてはわからないんだけど、ただ、私にとっては、こういう音が「今」、私のそばで(いやマンチェスターだからそばでもないけど)鳴ってくれてることに意味がある。
彼らについては、ギターの響きを一発聴いただけで、心にストンと入ってきちゃったところがある。おもしろいよね、どんな長いプロフィール文よりも、ギターのストロークひとつで「確かに」わかってしまうことがある。それこそが音楽なんだなって思う。(ま、グレッグのカッコよさにも確かに参りましたが…。)(←説得力ナシ)