月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

esqライブの記憶に浸る

先週末のesqライブ、ほんとうにすばらしかったな…。あの後からずっとプレイヤーでは、ライブで演奏されたナンバーを中心にesqの曲をとっかえひっかえ流しっぱなし。esqはカタログがすごく多いので、私のような後発リスナーは、古いアルバムを聴く取っかかりが意外に見つけにくかったりするのだけど、ライブの感動が火を点けちゃった感じで聴きまくってます。

 

esqの何が凄いって、デビュー(95年)から今に至るまでのオリジナルアルバムの録音メンバーと、ライブでの演奏メンバーが同じなので、CDの音とライブの興奮がストレートに行き来すること。CDに刻まれたクオリティの高い音世界がバンドライブでもそのまま構築されるし(それって腕利きミュージシャンだからこそできることだと思うけど)、逆に、記憶にしまわれたライブのエキサイティングな空気がCDを回すだけでリアルに立ち上がってくる。「ああ、夏秋さんのドラムカッコイイー…!」とか「これこれ、飯塚さんの超絶ギターーー!」とかCDプレイヤーの前で悶え死にそうになるワケです…(そんなんばっか)。

 

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『One And Only』は、97年のアルバム。このあいだのライブであまりにステキすぎて崩壊寸前だった「あいをしんじて」や、まさにスケールの大きいメロディを描く「Melody」、アンコールラストに演奏された「One And Only」などが入っていて、あらためて超名盤ですね、これ。そしてこの、録音だからこそ可能なんだろうと思える奇跡的な演奏を、あのメンバー、生でも平気でブチかましちゃうんだからおそろしい。たとえば「Melody」のこのイントロをナマで聴く高揚感って、ちょっと絶頂に近い体験。心底すっごいバンドだと思う。

 

前に“夏秋さんプレイリスト”にも入れた大好きな「砂の上のBlues」も、このアルバムの曲。うー、やっぱり好きだ…。繊細なドラムのパターン、囁くようなシンバルの音、もう夏秋さん以外の何者でもない。中盤の「チチチ、チッ…」っていうシンバルの音、ストンと刺さるようなスネアの音、聴いてるだけであまりに狂おしく、息が止まりそうになっちゃう…。飯塚さんのギターも肌をなでるような色っぽさで、BARAさんのベースはなまめかしく動き、公樹さんのサキソフォンはやわらかく艶っぽく、三谷さんのピアノはとっぷりとゴージャスで。もう、ホテルのスイートルームで口説かれてるような音楽。これは女子にとってヤバすぎる…。いつかライブでこの曲聴いてみたいなー…。

 

そしてもちろん、こうしていろいろな曲を聴いていて驚くのは、三谷さんが作る曲という曲のクオリティの高さ。三谷さんの頭の中にある「理想のポップス」って、ものすごく着地点が高く遠いんだと思う。それを、この手練のメンバーとともに実際の音にしていくのが、三谷さんにとってすごく楽しくてエキサイティングなことなんだろうなー。

 

それにしても三谷さんってもう40代後半だと思うんだけど、ほんとに素敵さが衰えないどころか、ますます磨きがかかってるみたい。ライブで間近に見て、魔法にかかったようにそう思った。声も少年っぽいままだし、見ためも爽やかでキュートだし、ね。終演後のサイン会に女子の長い列ができちゃうのもナットクだなー。

 

*『One And Only』 esq