月夜のドライブ

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福島ピート幹夫 40th BIRTHDAY PARTY!Vol.1 @ 渋谷CLUB QUATTRO

画像2008年2月10日(日)
福島ピート幹夫 ~40th☆Birthday☆Party!Vol.1~(誕生日5日前) @ 渋谷クラブクアトロ
松永孝義 The Main Man Special Band
松永孝義(B)/井ノ浦英雄(Drums)/桜井芳樹(G)/エマーソン北村(Key)/ANNSAN(Perc)/矢口博康(Sax/Cl)/福島幹夫(Sax)/浜野謙太(Tb)/宮武希(Cho)/ayako[HaLo](Cho)/関口朋美(Cho)

ハシケン(フルバンドスタイル)
ハシケン(Vo.G.etc)/宮田繁男(Ds)/松永孝義(B)/太田惠資(Vln)/佐藤五魚(Keyb)/高田漣(SteelG)/朝倉真司(Perc)/福島幹夫(Sax)/関口新一郎(Tp)/梅澤伸之(Tp)/浜野謙太(Tb)

SAKEROCK + 高田漣&福島幹夫
星野源(G)/田中馨(B)/伊藤大地(Ds)/浜野謙太(Tb) + 高田漣&福島幹夫

KILLING FLOOR
福島幹夫(Sax)/関口新一郎(Tp) /浜野謙太(Tb)/ウッディ・モジャ(Stick)/中里敦(Ds)/竹ノ家智美(Perc)/伊藤大地(Perc-Ds)

●MC+歌: 桃梨/華村灰太郎/シゲキ(exトマトス)/河村博司(SOUL FLOWER UNION)
●DJ:MIZYZY

 

私にとっては“ジャック達のベーシスト”であるところの福島ピート幹夫さんの、40thバースデイライブVol.1。2/15(お誕生日当日)に下北沢440で開催のVol.2のほうは、ジャック達も出るので当然行くのだけど、こちらのVol.1のほうは、当初は行く予定にはしていなかったんだ。でもキリング・フロアーHPに出ていたピートさんの言葉「お祝とかじゃなくて、この機会に、この日に、とにかく音楽を楽しんでもらいたいです。」にグッときちゃったのと、あとはKILLING FLOORのナマを一回観たいなとは思ってたので、なんとか調整つけて、当日券でGO。

 

開演間際にすべりこんだら、クアトロ、大盛況。MIZYZYさん(ジャック達セカンドアルバムのアートディレクションなども手がけてる方ですよね)のDJがずっと入ってて、転換時の音楽聴くのも楽しかった。そしてこの日は、ステージ向かって右の、ふだんは客席になるスペースがサブステージに仕立てられてて、出演4バンドそれぞれの登場前に、ここで「MC+歌」が繰り広げられるという趣向。

 

■MC+歌: シゲキ(exトマトス)/河村博司(SOUL FLOWER UNION)/桃梨/華村灰太郎

(まとめ書きになっちゃうけど、)そのセッティング替え時間に披露された、ピートさんと縁の深い4アーティストのMC+歌、どれも味わい深かったな。とりわけ、ソウル・フラワー・ユニオンの河村さんはやっぱりものすごい存在感。それと、桃梨(ももなし)がよかった。名前と男女の二人組ということだけは知ってて、勝手に甘ったるいポップデュオを想像してたんだけど、ぜんぜんちがった!「唯一の演芸風のナンバーをやります」と、浄瑠璃の世話物のような男女の悲恋物語を、ベースとボーカルで。すばらしいエンターテインメント、おもしろかったー。

 

松永孝義 The Main Man Special Band

そのサブステージのシゲキさんに紹介されて現われたトップバッターは、松永孝義The Main Man Special Band。松永さんは、ロンサムストリングスや捏造と贋作など、とにかく日本にいて音楽聴いてるとありとあらゆるところで遭遇するスーパーベーシストなワケですが、彼がフロントとなるバンドを観るのは私はもちろん初めて。…と思ったら、フロントのはずの松永さん、どこ~? よく探したら、後ろのほうで椅子に座って控えめに演奏してらっしゃいました(笑)。しかも、あんな見ためおっかないのに、MCとか「慣れてないから駄目なんだよー」とすんごく照れ照れでかわいー。こんな人だったのか…。音楽は、ジャンルでいえばレゲエ、なのかな~。私が世の中でもっともソリが合わないもののひとつが「レゲエ」なんだけど、それって、レゲエそのものではなく「無理矢理レゲエっぽくアレンジしてるロック」などへの認識だったのかも…。と、今までの自分を反省してしまうぐらい、松永バンドのサウンドにはキモチよくノレました。桜井さんのギターはやっぱすげー。そして矢口さんはいつ見ても変わらずフレッシュでキュートだなー。

 

ハシケン(フルバンドスタイル)

ハシケンさんも名前は知ってたけど観るのは初めて。このバンドが凄かった…。ま、名前見りゃ当然のメンバーですが。私はそれを事前にロクに把握してなかったので、「うわ、このめっちゃ好きなドラム、誰だっけ」とか思ってたら、宮田繁男さんか~!!そりゃ好きにちがいないわ。ドラム、めちゃめちゃカッコよかった…。噂のハシケンさんは、ガタイもでかいし、声もストレートで伸びがあってガッツがあって、ものすごくスケールの大きさを感じさせるシンガー。このバンドのサウンドがとても不思議で、高田漣さんのペダルスティール(ときどきギターも)に太田惠資さんのヴァイオリンに朝倉真司さんのパーカッションに4人のホーン隊だなんて、それぞれがあまりにアクが強い音でバラバラになりそうなのに、ハシケンさん自身の音楽がそれを超えるスケールですべてを大きく包みこんでひとつになっていくんだよね。ロックでありビッグバンド的でもありフォーク的な意気もあり彼のサウンドアイコンである沖縄民謡的な要素もあり、そしてそのどれにも偏っていなくて、今までのロックの狭さをふわっと超えた「次のロック」ってこんな形なのかもしれないなーとか思った。すばらしかったです。

 

SAKEROCK

とうとう初めて観ることになったSAKEROCK。事前知識何もなし。いや、参りました…。カッコイイ。たぶんぜんぶで7曲ぐらい演ったと思うんだけど、ペダルスティールの高田漣さんとサックスのピートさんを迎えて演奏した最初の2曲と最後の1曲が、個人的にはツボすぎた。もんのすごく気味悪くて、偏執的で変態的なサウンド。あー、サイコー!伊藤大地くん、噂には聞いてたけど、なんて楽しそうに激烈なドラムを叩く若者なんだろう、すっげーな。また星野源さんのギターがえもいわれぬ魅惑の音色で驚愕。あ~、これがSAKEROCKなのね…。途中、メンバー全員捌けてのハマケンさんのピン芸(サンプリング音源とともに「行くぜ、最北端!」とかいうの)があっておおいに笑わされる。こんなセンスある人が芸メインでなくあくまでも音楽を志してることのほうにむしろ驚くなー。ハマケンさん×大地くんのバトル(ハマケンさんが言うフレーズをそのまま大地くんがドラムの打音で返す)もびっくり、なんて達者な。それにしてもこの4人…ギターベースドラムは見ためとても控えめな青年ぽいのにハマケンさんだけがあんなで、おもしろいバンドだね…。んーカッコよかった。最初にやったナンバー、なんて曲なのかな、CDに入ってるなら聴きたい。

 

KILLING FLOOR

そのSAKEROCKのハマケンさんと大地くんも参加してる、福島ピート幹夫さんのメインバンド、KILLING FLOORがトリの登場。それまでどのバンドでも、ずっとステージの脇のほうで吹いてたピートさん、ココで初めてステージの真ん中に。くー、カッチョイイ!!もーね、圧倒されたー。KILLING FLOORCDを聴いたときに、吹く人3人と叩く人3人っていうこのバンドスタイルは、ナマで聴いたら相当カッコイイだろうなーとは予想してたんだけど、もう、カッコイイなんてモンじゃなかった、あまりの圧倒的な音圧と疾走感に鳥肌立った!すげーすげーすげー。淡々とクールに見えるメガネの中里さんとパッションに突き動かされるかのような若い大地くんのツインドラムが、またおっそろしいカッコよさなんだー、イヤこりゃヤバいでしょ…。そこに絡む紅一点の竹ノ家さんのパーカスも熱く強く、ツインドラムに劣らぬ存在感。3人のソロの応酬なんて鼻血出そうだよもう!!ウッディ・モジャさんのスティックから出るベース音はおそろしく太く、このブッとび気味の打+管6人の音を、まかせろとばかりに確かな場所に繋いでる。かと思えば、不思議な音色で6人の遥か上を泳いでいたり、おもしろい~。そして、フロントのホーン3人!めっちゃカッコえー。ピートさんのサックス、炸裂してたー。テンション高いソロ吹きまくり!ピートさん、カッコよすぎ!!!!ふと思ったのは、KILLING FLOOR、曲がいいんだよね。ライブだから出せる迫力とかこの編成ならではのアレンジという以前に、曲単体がすでにすごくいい。だからぜんぜん退屈にならないしあそこまでブッ飛んだ演奏が奇異に終わらず説得力持つんだなー、とか。新曲「シーソー」もあまりにカッコよくてマイッた…。最初の3連を叩く中里さん+大地くんの動き見てるだけで、うっとり。ああホント、初めて観るKILLING FLOOR、ノックアウトです。またどっかでライブ観れたらいいな。あのナマ音、また浴びたい。

 

■ラスト

KILLING FLOORのラスト曲が終わったところで、晴れやかな表情のピートさんが「みんな出てきてー」と出演者を呼びこみ、明るくなったステージで挨拶。そのとき、どこからともなくピートさんへのアンコールの声がかかって、ハシケンさんに促され、ピートさんその場でサックスのソロを1曲。とても深く、温かみのある音だった。ソロが終わった瞬間の拍手が誰からともなく「Happy Birthday」の歌声に変わり、ステージと客席、全員での大合唱。ピートさん、おめでとうー!!あ、KILLINGのときの本人のMCにあったように「ひとこと言っておきたいんですけど…、今日はまだ誕生日じゃないんです」、ではあったんだけどね(笑)。

 

すばらしいミュージシャンたちのすばらしい音にあふれたクアトロの夜だった。ピートさんの「この機会に、この日に、とにかく音楽を楽しんでもらいたい」という思いは、会場中のリスナーに伝わったんじゃないかな。もちろん、私もしっかり受けとれたと思う。私はとても小心で狭量で腰重なリスナーなので、このライブ行くの、『若いギャル(死語)がひしめく中に出てくのもなー』と、じつはぎりぎりまで相当気後れしてたんだー。でも、この音の前には、当たり前だけど、そんなことどうでもよかった。なんだか、私のほうが、ピートさんからプレゼントもらっちゃった気分。

 

そう、でも、じーんとしきっちゃうにはまだ早い。まだもうひとつ、あるもんね。お誕生日当日の15日のライブも楽しみにしてます!!