月夜のドライブ

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少年探偵団 1度きりの再結成@晴れたら空に豆まいて

画像07年に入ってからまだ数回しかライブに行ってないというのに、青山陽一さんのゲストで鈴木茂さん(いうまでもなく元はっぴいえんど、元ティン・パン・アレイ)見ちゃうわ、ジャック達の対バンで村松邦男さん(いうまでもなく元シュガーベイブ)見ちゃうわと、本棚からトツゼン昔のアルバムが雪崩れ落ちてきたかのごとき「私的ロック・レジェンド」の再来が続いてるのだけど、土曜日行ったこのライブでとどめ刺された。ものすげーメンツ…。

少年探偵団 1度きりの再結成~若林純夫に捧ぐ~
2007年3月10日(土)
@daikanyama晴れたら空に豆まいて 
【発起人・出演】少年探偵団 : 山本コータロー 徳武弘文 和田博巳 かしぶち哲郎 岡田徹
【友情出演】いとうたかお 小宮やすゆう シバ 鈴木慶一 中川イサト 中川五郎 渡辺勝 べすぱ ほか(50音順)(これは当初の告知で、当日は他にも出演してました)

もう何がなにやらスゴすぎて、私などには、ほぼ猫に小判状態。以下、小判を前にタメイキついてるような感想文ではありますがサラッと。

 

■レジェンド

やはりこの日も出がけはバタバタで、到着遅れちゃいました。tacarinさんのセットリストを拝見すると、最初の小宮さん×徳武さん見逃してるみたい、無念…。ともかく、初めての「晴れ豆」にたどり着いて「ここか~」とボードなんか眺めてると、なにやらビシビシ感じる色男ビーム。ふと見やると、地下の階段から長いコートを引っ掛けてフラッと上がってくる人、かしぶち哲郎さんじゃないですか…!私のすぐそばを風のようにすり抜けて代官山の街へ。もーイキナリ恋に落ちそうになる…。さらに、店の入り口に降りるとすぐそこに岡田徹さんはいるわ、中に入ると目の前に鈴木慶一さんはたたずんでるわ、もうこの時点で4000円のモト取ったかも…。(←ミーハーすぎ) もう開演してたので後ろの立ち見スペースで見てたんだけど、その後もすぐそばを、渡辺勝さんが!和田博巳さんが!山本コータローさんが!通る通る…。お客で来てた一色進さんにまで遭遇してしまったし、たぶん林敏明さん(元ハックルバック)もいらしたような。刺激強すぎ…。

 

今回のこのライブは、昨年5月に亡くなった、武蔵野タンポポ団~少年探偵団のメンバーだった若林純夫さんを追悼するために企画されたものだそう。私はもちろん少年探偵団なんてやっと名前を知ってるぐらいだし、シバ、中川イサト中川五郎いとうたかお、村上律、なんていう錚々たる名前も、ステージ上の顔とぜんぜん一致しねー(笑)。猫に小判すぎて申し訳なし…。でもね、このライブのこと聞いたときにどうしても見たい!と思ったんだよね。ハーフ・ライダーズ(慶一さん、岡田さん、かしぶちさん)が出演するという理由もあったけど、私にとってはずっと遠くのことに思える、はちみつぱい武蔵野タンポポ団がいたあの時代の空気を、少しでも感じられたらなって。

 

■ゲストコーナー

シバさんのやさぐれたギターと歌、よかったなー。若林純夫さんと仲良かったのだという若い男女のデュオ・べすぱも、女性ボーカリストのふくよかな声とクラリネットがとても印象的だった。初めてナマで見た渡辺勝さん(仙人みたいだった…)の「ぼくの倖せ」聴けて感激。そして、ゲストコーナーの最後となる慶一さんは、やはり圧巻だった。アコギ一本で「Backstage Pass」。この「ある日の午後A君が…」を聴くと、私はいつも、言いようのない思いに巻きこまれちゃう。日本のフォーク、日本のロック、中津川と天王寺、いろんな人といろんな歌とたくさんの月日と…そんなこと。

 

そのあとが、もう、すごかったんだよ。慶一さん+たくさんのメンバー(少年探偵団+はちみつぱい!)で、「煙草路地」。シュガーベイブの解散コンサート(※追記:解散コンサートではなく、最初のコンサート、だったそうです。コメント欄参照。はしばしさん、ありがとうございます)で少年探偵団&はちみつぱいで演奏したことがある、とか慶一さんがMCしてた。もう私のような者にはヨダレが止まらないエピソード…。それにしても、慶一さん、かしぶちさん、岡田さん、和田さん、それに渡辺さん、こんな、まちがいなくはちみつぱいそのもののメンバーで奏でられる「煙草路地」をまさか聴けることがあるなんて…。間奏の徳武さんのギターにも涙。それから、岡田さんが先のムーンライダーズの映画『マニアの受難』の中で印象的に語っていた、トム・ウェイツの「Grapefruit Moon」をピアノで弾き語ってくれたのも素敵だった。

 

■少年探偵団

そしてそこから先がいよいよ再結成「少年探偵団」のステージだったんだけど、ほんとに貴重なもの見たなー。山本コータローさんとかしぶちさん・岡田さんが同じバンドメンバーとしてひとつのステージに立ってるんだよ。なんかすげえよ。岡田さんと徳武さんのふたりは初めて入ったバンドがこの少年探偵団で、「下積みなしにいきなりプロになってしまった」(徳武)と笑ってた。ふたりはまだ学生だったので「就職どうする?」といつも話してたとか(笑)。実際、このメンバーの中に入ると徳武さんがしぜんに「若造」みたいな扱われ方になるのが見てておかしかったな。徳武弘文さんのギターは、個人的に今日のハイライト!あれだけいろんなところで耳にしている彼のギター、ナマで聴くのはじつはこの日初めてで、ほんとブッ飛んだー。マジあの音がしてるんだもん。感激。こんな狭めのライブハウスで聴くのは初めて(今後もまずないだろう)のかしぶちさんのドラムも堪能…カッコよかった。岡田さんの生ピアノも贅沢な体験だったし。若林さん(ウッディと呼ばれていたそう)の思い出を語るかしぶちさんや岡田さんの語り口が、いつになくリラックスした感じだったのも印象的だった。やっぱりここは彼らのホームグラウンド的な場所なんだろうなーとか。

 

少年探偵団、何曲か演ったのだけれど、中でも「怪人二十面相の恋」って曲がヤバイくらいカッコよかった!小粋なメロディ、イカシた演奏、シュガーベイブか初期ピチカートかってぐらいの。ま、歌ってるのは山本コータローさんなんだけど(笑)。他にも変拍子の曲があったりして、コータロー氏が「少年探偵団は曲が難しかった」とMCしてたのがなるほどと頷けたよ。本編ラスト、若林純夫さんの作品だという「雪の月光写真師」は、エンディングで当時の演奏&若林さんの映像とクロスするという演出も含めて、素晴らしかった。

 

■アンコール

アンコールは、若林さんが大好きだったというザ・バンドの「The Weight」、いとうたかおさんの訳詞で。こんな人たちが歌うこの曲の重み、もうカバーって感じがしなかった。いとうさんの歌の輝きと説得力には、この日ずっと驚きっぱなし。しかし…ステージ上は全員総出でとにかくすごいことになってたね。ギター弾いてる人何人もいるのに、エレクトリックギターが徳武さんだけ(しかも若造らしく後方で・笑)っていうのも、なんだかレアでおかしかった。私は若林純夫さんというミュージシャンのことをほとんど知らないけれど、彼への思いにあふれたこんなメンバーのこんな演奏を聴けたこと、本当に貴重な体験だったし、スゴク楽しかったな。

 

ぜんぜん書ききれてないけど、感想はこのぐらいで。あーやっぱり私、日本のロックを愛してる。今私が愛してるロックは、この成り立ちも内に含んだ存在なんだ。思いも知識もまったく足りないながら、過去も現在もせいいっぱい愛せたらいいな…、私なりに。いいライブをありがとう。

 

画像
私の持ってる『春一番ライブ'73』のCDに、若林純夫さんの「雪の月光写真師」が入ってた。今までぜんぜん気にとめてなかった…。これも、「出合い」。

 

【追記 2023.02.26】
昔のチラシなどを整理していたら、この日に配布されたと思われるペーパーが出てきたので、貼り付けておきます。