月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

『MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006』

画像あーやっと買った。リリースラッシュに全然追いついてねーぜ…。というわけで、ムーンライダーズのCMワーク集『MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006』、遅ればせながらやっと聴きましたー。「本とCDの日々(仮)」のsktkshさんの素晴らしい記事など読むにつけ「早く聴かねば!」と思ってたブツ。やーほんといいっす、これ。

 

そもそも私、出自がナイアガラーなんで(笑)CM集、大好き。ちょうど高校1年のとき大滝さんの『NIAGARA CM Special Vol.2』(82年)が出て、昼休みの放送で自分でしゃべった「CM Special特集」番組流したなー(笑)。そのころまだ放送部では番組作るのにオープンリール使ってたんだよね。1曲の長さが数十秒とかなので、ミックスやってたT先輩に面倒くさがられたっけ。

 

…とそんな思い出話はどうでもよくって、このライダーズのCM集。52曲すべてが、ふつうに、いいメロディ、いいサウンド。何十秒という刹那の中で、くり返し追求される音楽の理想。ライダーズの30年は、ミュージシャン魂をかけた数十秒の集積でもあるのかな、なんて思うと気が遠くなるけど。

 

晴れわたる空のような良明さんのメロディ、洗練とポップの極みともいえる岡田さんのサウンドムーンライダーズ名義の作品で必ず現れる各人の個性が、「驚くことに」なのか「当然ながら」なのかわからないけれど、ここでもあまりにあからさまに出ていて可笑しい。CMなんて、画面にクレジットが出ることさえ稀だけど、その無名性の現場でこの記名性。音楽性の高いミュージシャンであればあるほど、メロディって、サウンドって、ホント「その人そのもの」なんだなー。それから耳が止まるのが、いくつものCMソングを自ら歌う慶一さんの声のキャッチーさ、だったりした。歌の手前の「声」の力がある人なんだな、とあらためて思う。

 

あと、湾岸バカ的小ネタとしてはやっぱり慶一さん作曲『明星一平ちゃん』で聴けるカーネーション直枝政広さんのシャウトでしょうか(笑)。直枝さん、ご自分の日記(ドンキー日記の12/23日記事)で「『キリン・ラガー'95』ではたしか青山くんと一緒に歌った」なんてエピソード明かしてくれてて、ギャー思わず耳澄ましちゃうじゃないですか!でもぜんぜんわからないけど(笑)。

 

CMの現場というのは純粋音楽(なんて言葉あるのか…)とちがって、まず商品とスポンサー、次に広告屋さんありき、のものなので、最終的にいいCM音楽ができるかどうかも、ミュージシャンの努力以上に、広告制作に携わるスポンサーとスタッフの野心やガッツにかかってると思うんだよね。つまり最終的には、商品を買うところの消費者の、クリエイティブへの自由度の高さが大事なのかなーなんて気もして、こういういいCM音楽集を手にするためには、まず消費者の私たちが、気持ちだけでもロックじゃないとね、って思うのだ。うんホントに。

 

*『MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006』