月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

hi-posiイベントライブ@小野梓記念講堂

画像もう土曜日のことになるけれど、さくっと行ってきたのだ、昼間のフリーライブ。hi-posi@早稲田大学小野梓記念講堂。今、世の中は学祭の時期なんだね、このライブも大学の広告研究サークルの学祭イベントの一環、ということみたい。ハイポジいちど観てみたかったし、夏秋文尚さんサポートだし、ということで足を運んでみたよ。

 

この講堂って、たぶんふだんは講演会とかに使う場所なんだろうな。こじんまりとした新しく綺麗なホールで、こんなとこでフリーライブって、申し訳ないようなもったいないような感じ。最初にイベント関連の短いトークがあったあと、ハイポジこともりばやしみほさん登場。ポップな青い水玉の着物に茶のチェックの帯、アップにした髪にブルーの花の派手めヘアアクセサリー、だよ~。さっすがのトんだカワイさ。見惚れてしまった。サポートの赤井よしえさんもオレンジっぽい着物姿で合わせていて、夏秋さんはポーダーシャツに黒ジャケットといつもより少しだけきっちりめの格好、うふふ、素敵~。演奏はもりばやしさんがキーボードを弾き語り、赤井さんがおもに鉄琴、夏秋さんはシンセパッド&音響いろいろ、という編成。だから、ステージは広いのにセッティングの見栄えは少々地味(笑)。夏秋さんなんて、シンセパッドとシンセ系の機材(?よくわからないんだけど…)に囲まれてるだけだから、まるで実験室みたいな感じ。ご本人の見た目もあんなだから、ミュージシャンというより工学系の学生みたいだったよ(笑)。このライブだけ観た人は、夏秋さんが実はロック系ドラマーだなんてまず思わないだろうなあ、とおっかしくてしょうがなかった。

 

もりばやしさんの歌、初めてナマで聴いたけど、やっぱり唯一無二の個性、すてきだった。やさしくて水分をたっぷり含んでいて、でもどっか消えない痛みを感じるような、そんな歌声。赤井さんの鉄琴やオルゴール、そして夏秋さんのもとから出るSEやパーカッションの音が、もりばやしさんの声と相俟って、心地よくも不可思議な異空間を作り出してた。夏秋さんのシンセパッドは普通にスネアの音やブラシの音も出すんだけど、それ以上にピヨヨーンとかヒュイーンとかカシャーンとか、ヘンテコな音がいっぱいでにぎやかなことこのうえない。夏秋さんがこういうとこで発揮する、うつくしくて同時にユーモラスなセンスにも、私やっぱり魅かれるんだなー。途中の猫の歌だったと思うけど、あんまりいろんな音が出るんで、私の周りの人たちがかなりビックリして夏秋さんのほう注目してたのがわかった(笑)。

 

三人が口笛でハーモナイズする曲もいっぱいあって、カワイくてよかったな。夏秋さんが口笛吹くのにスタンドのマイクを引き寄せるとき、(それってふだん見ない仕草なので)いちいちドキドキしちゃった(笑)。ステージはフリーのわりにはたっぷりで、1時間近くあったと思う。もりばやしさんという歌い手さんを中心とした小宇宙を覗きこむような、素敵なライブだった。個人的には、もりばやしさんの声ってぶっ飛んだテクノサウンドとかぶっ飛んだロックサウンドとかに乗っかってるとき最高にキュートだと思うので、そういううるっさいやつもいずれ聴く機会があればうれしいな。

 

 

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このライブイベント、「しもきたのぉと」と名付けられていて、今進んでいる東京・下北沢の再開発計画に“ちょっと待って、もう一度考えてみようよ”という動きをしているいくつかの活動と、足並みを揃えたものらしい。そのひとつである、曽我部恵一くんやハイポジやその他の多くのミュージシャンが音楽で参加している「S.O.S(The Sound Of Shimokitazawa)」の動きなんかは私も知ってた。そんな主旨のイベントだったので、この日のトークではS.O.S代表(で「ミュージックマシーン」の管理人でもある)タクヤさんが登場したりしてた。

 

再開発にまつわることって、全国共通の問題だけど、特に下北沢という街に限って言えば、他の街がどんなにうらやましがっても手に入れられないあれだけのアイコンを、見す見す手放すような再開発をするならこんなにもったいないことはないって、単純に思うよね。自然発生的にあの土地に集まっているライブハウスやレコードショップや小劇場や古着屋や食べ物屋や飲み屋、それらは役所の号令ではけっして作り上げることのできない、カタチのない「文化」だから。下北沢にはやっぱりいつまでも、私を迷子にさせる街でいてほしいな。…と、さすがに最近CLUB Queに行くのには迷わなくなったけど(←って駅からまっすぐだ)leteやラ・カーニャのときは相変わらず迷いそうになった私は思う(笑)。迷子になれる街って貴重だよね、だって、まわり道でよけいな拾い物がたくさんあって、それが人生を面倒におもしろくしてるんだもん。