月夜のドライブ

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さねよしいさ子さんのライブ盤『チェリー!』

画像ライブ会場で買った、さねよしいさ子さんのライブアルバム『チェリー!』が、素晴らしい。もう何度も何度もくり返し聴いちゃってます。いったん聴き始めるといつまでもずーっと聴いていたくなるような、強く不思議な磁力があるみたい。

 

収録曲は「アゼリカ・アゼリコ」「The Charming Story」「いとことふたりで」「仔馬」「月といもうと」「One Note Samba」の、全部で6曲。クレジットはまとめてしか書かれていないんだけど、たぶん前半3曲がバンドセットでの吉祥寺MANDA-LA2のライブ音源で、後半の3曲がショーロクラブ笹子重治さん(a.g)との下北沢ラ・カーニャの収録なのかな。で、私やっぱり、前半の3曲がメチャクチャ好きー!

 

このとき(05年9月25日)のバンドのメンバーは、宍戸幸司(e.g)、西脇一弘(e.g)、鎌田ひろゆき(a.g)、神島正樹(b)、夏秋文尚(ds&perc)。これもシビレる…ギタリストが割礼×さかなって、どんなクセモノ感だよっていう…。でも、これが、すっごくいいーーー!いやもう、悶える悶える。こういう音、好きだー!!たぶん右から聴こえるのが宍戸さんのギターじゃないかなと思うんだけど、アシッドで気味悪くて最高~。真ん中辺から聞こえる鎌田さんのアコースティックギターは、そんなこと意に介さず、あくまで勝手に力強くクリアに。そしてたぶん左から聴こえてる西脇さんのギターがまた、マイペースに美しいひとり旅してる。この3本のギター+ベースが、不思議にひとつに解け合っちゃってるんだから、音楽ってスゴイ…。夏秋さんのドラムとパーカッションがまた素晴らしい。たぶん夏秋さんみたいな繊細さがないと、いさ子さんの音って生きてこないんじゃないかなって。例えば最初の「アゼリカ・アゼリコ」の小気味いいシンバルワーク、いろんなところで飛び出すSE、どっかユニークなドラムパターン。「The Charming Story」のスティックのリズム、軽快なスネアの音、「いとことふたりで」の、途中からブレイクしていくドラムの狂おしさ。あーもう、いちいち泣きそうなぐらい、いい。逆から言うと、夏秋さんみたいなドラマーは、いさ子さんのような音楽の中で、自由に泳げるのがすごく幸せなんだろうなって思う、「ロック」の枠も越えてね。

 

そして何をおいても素晴らしいのは、言うまでもなくいさ子さんの曲と歌で。これだけの偏屈な(いい意味で)ミュージシャンたちに気持ちよく音を鳴らさせて、しかもチャーミングな仕草で配下に従えることのできるいさ子さんの曲と歌ったら、ほんとタダモノじゃない。なんてかわいくてなんて底知れない歌の力なんだろう!才能と無鉄砲さで、「ジャンル」なんて軽々と飛び越えちゃってる、その勇敢さこそがロックじゃん!って思うんだよね。ロック魂感じるんだよ。

 

私が、聴く前に持っていたさねよしいさ子さんのイメージといえば、どちらかというと後半3曲で見られるようなアコースティックな感じだった。これももちろん素晴らしいんだけど、今の私の勝手な好みでは、バンドセットのいさ子さんにシビレちゃうなあ。めっちゃカッコイイ。ライブ、また見に行きたいなー。

 

*『チェリー!~さねよしいさ子ライブレコーディングVol.1~』さねよしいさ子