ジャック達、カッコよかったなあ…。ライブの記憶にぼーっとしちゃって、日常生活がちゃんと送れない…。彼らのライブの後はいつもこんな具合だけど。山積した未開封CDたちにもうちょい待ってねと目くばせしつつ、今はプレーヤーで『MY BEAUTIFUL GIRL』を。せっかくのライブの後だから、しばらくはどっぷりとね。
ジャック達のどこが唯一無二かって、巧さと素人っぽさの見事すぎる同居だと思うんだよね。つまり、B級ってことなのかもしれないけど(笑)。一色さんなんか、初めてお金もらってベースを弾いたのが中学生の時だっていうからもう軽く35年ぐらいは音楽生活してるんだと思うけど、この歌の一向に巧くならなさ、どうよ。普通はほっときゃいやでも上達しちゃうもんじゃん。ここまで初々しい稚拙さをこの年齢まで保持しうるって、ものすごいことだと思うんだよね。(ホメてます。)
その技巧レスで未熟フルな一色さんの存在と同時に、バンドとしてのハンパじゃない蒼さにも、尊敬の念をこめてつくづくあきれる。もちろん(平均年齢高いとはいえ)デビューアルバム出したばっかのアーティストなわけだから、途上感はあって当然なんだけど、どうもこの蒼さってそれだけじゃない。
だってね、それぞれがしたたかなキャリアを積んできたメンバーが音を出すとき、普通ならどっかに余裕が漂わない? もしくは、無理やり漂わせたくならない? ジャック達の場合、それがないんだよ、年齢や経験からくる余裕が一切ないの。いつもギリギリで不安定。もうそこがほんとに、果てしなく素晴らしい。(ホメてます。)
たぶんね、「テクニックで音楽を作ってない」んだと思う。4人の演奏は、このキャリアからしたら当然のごとく達者で巧みなんだけど、この4人はそんなことどうでもいいんだね、たぶん。それよりも「ドキドキするような音楽を生み出したい」「キュンとするような音を放ちたい」なんてことを、真剣に考えてるんだよ、4人が4人とも高校生みたいに。
普通の大人は馬鹿らしくて口にしないような、そんな「思い」でジャック達は走ってる。常に一発勝負で、「現在」とわたりあってる。だからこんだけ蒼くて、ロックなんだ。なんてバカバカしくって、なんてカッコイイんだろう。
私はふだん何かを人にすすめたりはうまくできないのだけれど、ジャック達っていうこのバンドを体験する機会は、できればたくさんの人に訪れるといいなって思う。圧倒的に強靭なバンドサウンドを鳴らしつつ、B級で素人っぽいっていう不可思議なねじれを、これほど鮮やかに体験できることって、そうないと思うから。…ってジャック達は異次元体験かよ(笑)!いやでもマジに。
惚れてるなあ、つくづく。どうしようもなく、好きなんだよね。