月夜のドライブ

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カーネーション「ROCK LOVE」@渋谷AX

画像一昨年の九段会館、昨年の「HURRICANE NIGHT」に引き続き、恒例になってきた感のある年末のカーネーションスペシャルライブ。チケ代高めなので買うときいささかひるむんだけど、終わってみるとやっぱり来てよかった…といつも思う。以下、感想カンタンに。

 

カーネーション「ROCK LOVE」
日時:2006年12月9日(土) 
会場:東京 SHIBUYA-AX

 

今回のライブ、 何しろ編成がすさまじい。

カーネーション直枝政広(Vo&G) 大田譲(B) 矢部浩志(Dr)
西池崇(G fromセロファンタマコウォルズ
長見順(G)
渡辺シュンスケ(Pf from Cafelon)
ロベルト小山(Saxphone, Flute from THE THRILL
平田直樹(Trumpet from THE THRILL
小泉邦男(Trombone from THE THRILL
鈴木桃子(cho)
武田カオリ(cho from TICA)
山本ムーグ(DJ from buffalo daughter

うはー、すげーメンツ。前列に長見さん、大田さん、直枝さん、西池さん、コーラス隊の桃子さん&武田さん、一段高くなった後列にホーン隊と矢部さんとシュンくんという、まぶしいライトの中のそのセッティングを見てるだけで、えもいわれぬゼイタクさにいっぺんにシアワセになる。AX何度も来てるけど、あの広いステージが余りぎみに見えなかったの初めてかも…。

 

もうね、ステージ上豪華すぎてどこ見たらいいのか迷う迷う!(本日不参加の)とりりんには「シュンくん出るじゃん、いいなー」と言われており(笑・あなたはこないだシュンドウ行ったじゃん!)私の席もシュンくん寄りだったのでそちらに注目してみようかとも思いつつ、ギタリスト好きの私、ついその手前の西池さんにクギ付けに…(笑)。いや西池さんマジカッコよかった~!!前回私が彼を見たレコ発@恵比寿リキッドのときはツアー初日だったから、今思えば西池さんもまだ固かったんだろうね、昨日の西池さんはもう、同じ人?と思うぐらいのリラックスした弾きっぷりで、アクションもキマリまくってて、ほんとイカしてたー。どの曲も最高だったけど「アイ・アム・サル」のギターなんか、気持ちよすぎてクラクラした…。直枝さんひとりでギターがんばってるいつものソリッドな感じもいいんだけど、トリプルギター(しかもじつに三者三様な)で格段に自由度が上がった感じのこの日のサウンドも、ふくよかで魅力的だったな。

 

と、西池さんにココロ奪われながら、シュンくんもわりかし近くに見えたのでしっかり見ましたけど(笑)。途中、長見順さんの持ち歌を1曲演ったのだけど、これがシュンくんのピアノと長見さんのギターの即興っぽいかけ合いメインの演奏で、ほーんとイカしてた。長見さんの歌もおっそろしく素晴らしかったがシュンくんのピアノがそれに負けてない。若手ナンバーワンと直枝さんが言うのもしみじみ納得。それに加えて、あのルックスだものねー…(タメイキ)。ま、私の好みからするとちょっとスウィートすぎるんだけどね…ってハイ、私の男性の好みの話はどうでもいいっすね…。

 

で、その、ブルースマン長見順さんですよ。女性だけどまちがいなくblues “man”。ギター、やっぱすげかったです。昨年のなんちゃってブルースセッションでちらっと拝見したときすっかりノックアウトされて、今日のカーネーションとの絡みもいったいどうなるんだろうと相当楽しみにしてたけど、想像以上の相乗効果!長見さんほんとギターも本人もカッコよすぎ!女を惚れさす女だね…。と思うとともに、長見さんを今回のバンドに引き入れた直枝さんのセンスにもあらためて唸る。普通だったら、カーネーションとはちょっとテイストがちがうなと思っちゃうもんなのにね。未踏のその地にトライするカーネーションのスピリットがやはり素晴らしい。

 

ホーンズ&コーラス隊がまたゴージャスで。私は5人時代のカーネーションがすっぽり中抜けしてる人間なので、こういう編成のカーネーションライブってじつは初体験。豪勢な音をバックに歌う直枝さん、気持ちよさそうだったなー。ギター持たずにハンドマイクで、という曲もいくつかあったしね。コーラスの鈴木桃子さん&武田カオリさんがまたとてもキュートだった。じつは桃子さんは私が最初に勤めた会社で同じ社員だった人で(笑)、…といってもいっしょに仕事をする機会はなかったのであちらは私を知らないと思いますが、ほんとあのころとまったく変わらぬパンチのある華やかさに見とれてしまった。クールビューティな武田さんとのバランス(声も見ためも)もお見事でした!

 

…と、サポートメンバーの印象を語るだけで字数が要るわけなんだけど、何よりやっぱりこの大所帯バンドの要になるカーネーションの3人、だよね…。大田さんは席から逆方向だったので、ときどき西池さんのほうにまでおりゃー!と(笑)やってきたときに「大田さん相変わらず動きまくってんな~」とかニヤニヤ見てたぐらいだったんだけど、矢部さん!ライダーズのライブでいまいち視界に入らなかったぶん、この日はガン見しちゃった~。今さら言うまでもないけれど、無敵の音を淡々と繰り出すその姿、カッコイイとかを超えて、もう、うつくしいです。

 

そして直枝さんの歌。カーネーションのライブの醍醐味って、どんなに広いハコのどんなに大勢のオーディエンスの中にあっても、その喧騒を突き抜けてふと、直枝さんの歌が「私」個人に迫ってくるところにあると思っていて、この日も、その瞬間は何度か訪れた。たとえば、直枝さんが「PARADISE EXPRESS」で「考え込む前におれを見て笑って…」と歌う瞬間に。本編最後だったこの曲、やっぱり、あらためて素晴らしくって涙が出そうだった。それまでマイクにはときどきしか向かっていなかった西池さんやシュンくんまでもがいっせいに楽しそうにコーラスするのといっしょに客席も「Oh!Yeah」と口ずさむ楽しさったら!

 

と、また書ききれないのでいいかげん切り上げるけど…。個人的に特にブッ倒れたのは、「地球はまわる」と「未確認の愛情」。あのころのナンバーには、リクツを超える思い入れが存在してしまってるから…。特に「未確認の愛情」は、聴いててもタイトルが思い出せないぐらい意外な選曲で、それだけにウレシかった。しみじみ、ケッタイな歌だよねー、ほんとカーネーション最高!あと、最後の最後「煙突」で、シュンくんがイスで鍵盤弾いてたクレイジーぶりに大ウケしました(笑)!最高!

 

これだけのツワモノ大所帯バンドを率いて、歌い演奏するカーネーションは、11月に見たムーンライダーズよりもむしろ貫禄感じるぐらいだったな(笑)。非の打ちどころのない、完璧なバンドだと思う、今のカーネーション。それはね、アルバム『WILD FANTASY』にも感じることなんだけど。

 

バンドのアイデンティティが揺らぐぐらいのメンバー再編をして、トリオの新しい音を模索して、CCCD問題の渦中で身を削るような悩み方をして、大資本から離れて自分たちで歩く道を選んで。そんな考えられる限りの雨風を受けるだけ受けて今やっと彼らがたどり着いてる場所は、何度めかの、そして本当に久しぶりの、見晴らしのよい踊り場なんだと思う。アルバムにも、その、何からも自由になった奇跡的な視界が見事に映し出されているし。そして、ここが安定した素晴らしい土地であるだけに、ここからどっちにどう踏み出すのだとしても、ラクな道はないだろうなということは、なんとなく感じるんだよね。でも、カーネーションの三人がここにとどまっているような人たちではないのも明らかで、彼らはたぶん、この踊り場から、登坂するのか滑降するのか渡河するのかわからないけれど、またカラダ中に傷を作って歩くんだろうな、って。「完璧」に思える今のカーネーションを、壊しにかかるんだろうなって。

 

で、私はものすごく個人的にかつ勝手にだけど、その、「次」のカーネーションが楽しみでしかたない。やっぱり、あがいてるバンドがどうしようもなく好きだから。「次」のための強い踏切板として、カーネーション自身にも、この最高の一夜が必要だったんじゃないかな、なんて。かなり妄想ぎみながら、感じたライブだった。ほんとにありがと、カーネーション。またよろしくね。

 

PS これを書いてる途中にものすごくショックなことに気付いてひとり落ち込む…。かなりショック。ここまで気付かなかった自分にもびっくり。でも、しかたなし。未来の自分への申し送り事項だな…。世間の動きとは何ひとつ関係のないことです、はい…。いずれそれも書くかも、やー私ってほんと馬鹿だなー。

画像
*一応いつもながらのピンボケAX写真も撮ったのだけど、あまりに見飽きた画像なので(だってこれ、キリンジのときと何がちがうんだっていう…一応12/9その日の画像だというところに価値があると言えなくはないが…)、TOPはムーグさん作成ロゴのTシャツ画像にしてみました~。