月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

出合いの一枚

8月(ジャック達)、9月(西村哲也さん)、10月(ジャック達)、と、大好きな痩身ドラマー・夏秋文尚さんのドラムをナマで聴く機会に恵まれたのですが(あーさんざん騒いだなー…)、11月はジャック達のライブがないのでかな~り寂しい私…。で、CDプレイヤー上で勝手に夏秋さん祭りやってます(笑)。あらためて、私と夏秋さんの出合い(あ、一方的にね・笑)っていつなのかなあと考えたのだけれど、たぶん、このアルバムみたい。DARIEこと濱田理恵さんの『無造作に愛しなさい。』。なんと80年代ですよ、89年。夏秋さんがご自分のサイトのディスコグラフィーページで、“記念すべき初レコーディング参加CD”と書かれているので、私が出合った初めての夏秋さんの音は、これだと思う。

 

出た当時、リアルタイムで買って聴いたアルバム。そういう情報を、その頃私はいったいどこから仕入れてたんだろうね、「POP IND'S」とか熟読してたから、その辺からだろうか。ちなみに今、昔のレコ購入メモをひっくり返してみたら、このアルバムと同じ日に、中古でヴァージンVS『STAR・CRAZY』(LP)とリアルフィッシュの『ジャンクビート東京』(12inch)を買ってる。なんというか、笑っちゃうぐらいわかりやすい嗜好。

 

この『無造作に愛しなさい。』は、今聴いても、本当に新鮮な音。そして、DARIEさんにしか生み出し得ない、独特のメロディ、世界観。私は、女性のフシギ系ボーカル(そんな系あるのかわかんないけど)って実のところあまり得意ではないのだけれど、DARIEさんの声は、声というより、毒気をもったサウンドの中で鳴り響く、研ぎ澄まされた楽器のひとつのよう。

 

DARIEさんは全曲の作詞・作曲・アレンジとキーボードを担当という多才ぶり、そして、湾岸バカはまたこのゲストミュージシャンの音で悶えちゃう。夏秋さんはもちろん、湾岸ご主人であるところの鈴木博文さんのベース、のちの栗コーダーを彷彿とさせる関島岳郎さんのジャンクなホーン、この頃カーネーションのメンバーだった坂東次郎さんの涙モノのギターフレーズ、同じく棚谷祐一さんのアカデミックでありつつ尖ったアレンジやプログラミング。どの曲ももれなく素晴らしいのだけど、例えば「Bye Bye Black Bird」や「灰にもなれず 塵にもなれず」のクレジットなんか、「坂東次郎、夏秋文尚、鈴木博文」ですよ。ワタシ的にはミニマムでマキシマムの豪華さ…。

 

前にもいろんなとこで書いてる話だけど、このアルバムにいたく感激した私、当時大好きだったJFN系のFM番組「ナイト・ストリート」(伊藤銀次さんパーソナリティー)に、リクエストハガキ出したんだよね。(ほんとそんなことばっかやってんだな、私…。)「天は二物を与えずと言うけれど、このDARIEさんなど見るととてもそうは思えない」って書いて。そしたら銀次さん、インナーのダリエさんの写真を見ながら(ってラジオだからそこはあくまで想像ですが)「いやほんと美しい方ですねえ。ぜひ一度ゲストにお呼びしたいですね」とか言って盛り上がってた(笑)。そのときは確か「二月生まれ」をかけてもらったんだったかな。

 

というわけで、夏秋さんとの出合いを振り返ったとこで(私以外にまったく意味のない振り返りだ…)、新カテゴリーを作ってみました~、「夏秋文尚(ジャック達以外)」(笑)。どういうカテゴリーだ!“(ジャック達以外)”って注釈付き(笑)。でもさ、夏秋さんのドラムの音を聴くにつけ、そしてそのことを文章に書くにつけ、これ集めたくって集めたくってしょうがない、止められない衝動(笑)。えーと、しばらく見逃してください…。照れの値が衝動を越えたら、元に戻しますんで。しかし集めてみるとこのカテゴリー、すでにジャック達の記事数を越えている(笑)。

 

 

*『無造作に愛しなさい。』濱田理恵