月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

ジャック達@新宿ニューベリー

画像ジャック達、ってバンドに関して冷静な文章なんか書けないこともわかっていながら、つとめてフラットにものを言おうと思うんだけど…、マジすげーよこのバンド…。一色進という人が書く、日本人には(というかたぶん世界的に見ても)たぐい稀なセンスの楽曲と、その曲が目指す高みを、さらに想像を超えたとんでもない演奏でカタチにしていくバンド。一色進のメロディはこんなバンドに出合えてつくづくシアワセだと思うし、このミュージシャンたちのこれほどのセンスと力量を勢いよく引き出せるのも、一色進の曲あってのこと、と思う。奇跡的。昨日のライブほんと凄すぎて、バラバラになりそうだった…。一夜たった今もね。

NEWBURY Presents 2007
ALCOHOILIDAY SHOW TIME Vol19
2007/5/13(日)
出演:「ジャック達」 一色 進/宙GGPキハラ/福島ピート幹夫/夏秋文尚
(※いつものことだけど、以下、ひたすら長いだけで何かの役に立ったりはしないラブレター兼個人用メモです~)

 

昨年3月の初ワンマン、12月のクリスマス・イヴライブ、に続き、ジャック達3度めのニューベリー。よく、スピーカーや楽器って鳴らすほど音が良くなっていくって言うけど、ライブハウスにもそれって当てはまったりするのかな。そう思うぐらい、とんでもなくイイ音が鳴ってたよ、昨日のニューベリー。また昨日のジャック達のマッシヴな音ったらちょっと呆然とするぐらいだった。重くラウドにドライヴしていく轟音の塊!よけきれなくて危ねー!終演後あやさんと「ニューベリーでのジャック達の演奏、回を重ねるごとにぜったい音デカくなってるよね?」と確認しあったぐらい(笑)。たぶんぜったいそう。こんなハコであんな音ぶっ放すなんて信じ難い。

 

■第一部

1曲め、何をやるのかなと思っていたら、夏秋さんのカウントが入って「乙女座ダンディライオン。うわ、のっけからコレやっちゃうとは、出し惜しみしないにもほどがあるぜーーーッ。このドラムのフレーズのカッコよさったらほんと尋常じゃない、しかもこの距離でそれを浴びたら瀕死ですよもう…。そして、一色さんのMCにかぶってくる夏秋さんのバスドラがカッコイイ「オンボロ」。嵐のような間奏に至って、また体温が上がり心臓がドキドキして止まらなくなる。ヤ・ヤバイ…巻きこまれて帰れない…。

 

で、たしかここで一色さんのMC…だったんだけど、「ここはさくさくっといこうか」と一色さんがひとりごとのように言うと、待ってましたとばかりに夏秋さんがさっさと次の曲のカウント取り始めて、しゃべろうとした一色さんとかち合い「あ…」(笑)。で、一色さんが夏秋さんに「『さくさく』っていうのは、(全然しゃべらないっていう意味じゃなく)ちょっとしかしゃべんない、っていう意味だから!」って(笑)。微笑みつつハイハイと頷く夏秋さん。まあだいたい基本的に夏秋さんのカウントは一色さんのMCに対して傍若無人だからね(笑)。のっけからこの調子で爆笑MC&爆笑バンド内やりとり多発。とても書ききれないけど。

 

次が「I KNOW,SHE KNOWS」、そして「MOTORCYCLE JUSTICE」。一色さんもMCで言っていたけど、ファーストの曲は今や“新鮮”な感じ。だってこの1年ぐらいライブでやる曲っていったらほとんどセカンドからなんだもん、まだセカンド出てないのに(笑)。考えてみりゃすげー大胆な話(笑)。ああ、「I KNOW,SHE KNOWS」の間奏のピートさんのベース、果実のようにメロウで、哀しく甘い。涙出そう…。

 

ここで一色さんの「今日のスペシャルゲスト~」のMCに導かれ、一色さんの妹にしてニューベリーのママであるるり子さん、登場~。「一色兄妹50周年」、つまり、るり子さんがつい最近50歳のお誕生日を迎えられたとのことで、記念して13(ワンサン=一色進+河合徹三の同級生フォークデュオ)のナンバーである「50才」を、るり子さんのコーラス+ジャック達の演奏のスペシャルバージョンで。13をいまだ未見の私は初めて聴く曲だったんだけど、イントロでブッ倒れる!なにこのカッコよさーーー!「50才」ってタイトルで、どうしてこの爆裂ストレートロックが出てくるのか謎すぎる…!ま、サビは「ごーじゅっさいったらごーじゅっさい♪」って、カワイイんだけど(笑)。

 

「ロッカバラッド・クロック」、また間奏がバージョンアップしてカッコよくなってたよ!?進化論さえ追い越していったいどこまでカッコよくなっちゃうんだろう、ジャック達のレパートリー!?そして第一部の最後「Strange Move」だったんだけど、曲前の一色さんのMC「これが終わったら休憩ってことで、オレも下のほうの処理をしたりしますんで…」って(笑)。そんなMCで曲に入るロックバンドいねーよ(笑)。しかも、爆笑してる客席にかまわず雪崩れこんでくるドラム、ギター、ベースのイントロのカッコよさったらないんだよ!MCと曲の落差、破壊的…。いろんな意味でやっべぇーよ、このバンド…。

 

第一部、1時間もなくてあっというまだったんだけど、もう私、音のカタマリにぶっ飛ばされて息も絶え絶えの状態。でもこの先、第二部でさらに粉々になるまでぶっ飛ばされ尽くすんだけど。よく生きて帰れたと思う…。

 

■第二部

だって、あの曲もこの曲も第二部なんだよ?メンバーがステージ(っていうか地続きだけど)に戻って、まずは「MY BEAUTIFUL GIRL」。この曲が最初の糸となって、ジャック達というバンドの物語が紡ぎ始められたこと(その話はココに)を思い、聴きながらまたじーんとする。

 

さあ、こっから先はもう問答無用のセカンドアルバム曲ちぎっては投げ!まずはスーパーソニック・トースター」!そして「キッチンでデート」!ジャック達のブリティッシュ魂全開!!カッコエエーー。「スーパーソニック・トースター」の演奏が終わったとこで、一色さんが思わず「シビレるね~!」とひと言放ったんだけど、この曲演ったあとっていつも一色さんこの手の台詞が出るんだよね(笑)。たぶん相当気持ちいいんだろうと思う、「スーパーソニック・トースター」演奏するの。そりゃそうだろうな、ミュージシャンにとって、こんなイカした曲をこんなイカした演奏でぶちかませるほどの快楽ってないと思うもん!さらに続けて、まだ出てないセカンド通り越して「サード用の曲」(笑)、「Easy To Fall」「ジャンパー」。前回のライブの記事にも書いたけど、この「ジャンパー」って曲もとんでもなくカッコイイなあ、Rhinoのコンピ「Nuggets」シリーズに余裕で入ってそうなナンバー。

 

で、ここまで演っていないあの2曲。まさかまた続けて演奏するのでは…と思ったら、ほんとにそうだった。「キャンセル」、そして「水溜り画廊(ギャラリー)」。今のジャック達の、まちがいなくツインピークス。「キャンセル」、この演奏の壮絶さは、(アルバムが出る前からこんなこと言うのも相当失礼だとは思うけど、)究極にはライブでしか体験できないものじゃないかとさえ思う。目の前の音の塊に、ほんとに意識ふっ飛ぶからね、おっかないよ…。そして「水溜り画廊」。今、私をもっともとらえて離さないジャック達は、これ。こんな名曲あるものだろうかって、初めて聴いた12月からずっと思ってる。やさしさとせつなさと、強さと情けなさと、うつくしさとどうしようもなさと。地上のすべての微笑みとため息を抱きしめてるような音。一色さんのせつなくささくれた歌とギター、やわらかな甘さがふっと壮絶な表情へとスイッチするキハラさんのギター、静かなたたずまいから抑えきれないパッションがこぼれるピートさんのベース、やさしくたしかで、どこか強情な夏秋さんのドラム。ああ、ジャック達、なんておそろしいバンドなんだろう。凄い、凄い。もう、ただ、泣けてくる。演奏終わっても、呆然としてしまって、しばらく拍手もできなかった。

 

■アンコール

ここまででもう私は完全に粉々になってたのだけど、アンコールの拍手に応えて、再び現れてくれた4人。「WHAT'S NEW LOVE SONG」そして「月光」を。4人の歌、ギター、ベース、ドラム、そのどれもがそれぞれに魅力的な動きをし、素晴らしい音を出す。どこを見たらいいかずっと悩みながら聴いてた。ジャック達、大好きだ…。

 

もうすでに120%の燃焼ぶりだったから、再度のアンコールはないと思ったんだ。でも、客席の拍手は止まらなかった。本当に、止まらなかった、というのが正しい。すると、まさかと思ったけど、ステージに出てきてくれたメンバー。「ちょっと待ってね、楽譜探すから…」と言いながら4人とも後ろ向いてガサガサとファイルをめくってたから(笑)、ほんとに予定外のアンコールだったんだろう。そして、このアンコールがまた、凄かった…。「それではみなさんに、“ジャック達に2回もアンコールなんかするもんじゃない”ってことを7~8分かけてこんこんと教えたいと思います」という一色さんのとんでもないMC(笑)から始まった曲は、「みみずく」。昨日のこれ…私が今まで聴いてきた「みみずく」の中でも、もっとも壮絶だった…。ほんとに今のジャック達、とんでもないバンドになっちゃってるんだ。一色さんの、生傷みたいな音したギターが場を割り、キハラさんの泉のように甘いトレモロギターがそれをやわらかく受けとめ、微熱をはらんだピートさんのベースが浮かんでは沈み、夏秋さんの壊れそうなほど狂おしいドラムが、音をひたすらに孤高な場所へと牽引していく。そうやって、この曲が巡る旅の長さと果てしなさったら…!一色さんがメンバーひとりひとりの名前をコールしたクライマックス、背筋が凍りそうなほどの悲しみに満ちた音だった。そして、すべての夢がさめて熱が引くように、静まり返るラストのいとおしさ。こんな壮絶な音を出すバンド、どこにいるだろう?こんなバンドが目の前にいることを、どう考える?こんなバンドが出そうとしてるセカンドアルバムを、どうやって受けとめればいいんだろう?ジャック達、凄すぎるよ…。

 

■タメイキ

もう、ほんとに。バラバラです。見事に破砕された。とても元になんか戻れないよ。タメイキ、そして涙涙涙。今もまだ粉々のまま、夢の中を漂ってる。ただひと言、ジャック達、確実にまた「最高のライブ」を更新しちゃったな、ってこと。そして、ジャック達のライブを観られるって、こんなバンドと同時代にいられるって、なんて貴いことなんだろう、ってこと。

 

なんかね、もう私、セカンドは「楽しみ」というか、むしろ、こわいぐらい。彼らのそのアルバムが、私をとんでもない嵐に巻き込むことが確実に予感できるから。「乙女座ダンディライオン」が入ってるアルバム。「スーパーソニック・トースター」が入ってるアルバム。「キャンセル」が、「水溜り画廊」が入ってるアルバム。さあどうしよう?どうすればいい?

 

だって…どうなると思う…?

 

*セットリスト

【第一部】
乙女座ダンディライオン
オンボロ
I KNOW,SHE KNOWS
Motorcycle Justice
50才
ロッカバラッド・クロック
Strange Move
【第二部】
MY BEAUTIFUL GIRL
スーパーソニック・トースター
キッチンでデート
Easy To Fall
ジャンパー
キャンセル
水溜り画廊(ギャラリー)
【アンコール1】
WHAT'S NEW LOVE SONG
月光
【アンコール2】
みみずく


■Here are 感想ズ!

勝手に引っぱるtacarinさんの記事→http://d.hatena.ne.jp/tacarin/20070514

勝手に引っぱるすなっぷすてぃっくさんの記事→http://snapstick.blog3.fc2.com/blog-entry-910.html

勝手に引っぱるSugarさんの記事→http://pink.ap.teacup.com/sugartimes2/675.html

勝手に引っぱるJUNままさんの記事→http://sky.ap.teacup.com/junmama/962.html

(みなさま勝手にスミマセン~)