月夜のドライブ

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ムーンライダーズ@ライブビートのオンエアをやっと聞いたよ

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やっと聞きましたよ、ムーンライダーズ@NHK-FMライブビート」のオンエア録音を。23時20分なんていうのは私は通常寝ている時間なので、水曜夜に祈るような気持ちでタイマー録音をセット。このステレオコンポと私は相性が悪く、タイマー録音は概ね2回に1回ぐらいしか成功しない。こないだなんか説明書見ながらセットしたのに、慶一さんゲストのオールディーズの番組録れなかったし…。機械のくせに人間に対する敬意が足りなすぎる。まあともかくも祈った甲斐があってか(祈ったせいかよ!)今回は成功したエアチェックMD、遅ればせながら聞きましたよー。

 

ああ、毎週のようにムーンライダーズのライブやインストアがあったあの頃…。つい最近のことなのに、まるで遠くに過ぎ去った眩しい夏を振り返るような思い。そんなに秋風モードになってどうすんだ、まだ7月の私。まいいや、「イェーッ!ライブビーーーッ!」と番組開始だ。DJ古閑さんのトークムーンライダーズの紹介が。いつも思うんだけれど、この番組のアーティスト紹介ってとても誠実で真摯だよねえ。番組公式サイトで毎週アップされるゲスト紹介ページ見るたび「書くの大変だろうなあ」とため息出るのだ。知らない人にもアーティストの魅力を伝えたいっていう熱意を感じる。ムーンライダーズの紹介も「PAST GUESTS」に集録されてるので味わいましょね。っていうか、この集合写真の博文さん、カッコイイ…。そっぽ向いてるのはいつもどおりだけど。

 

オンエアは8曲、当日演奏したとおりの順番(だと思う)。実際にはこの他に、途中でインストの「Waltz for Postwar.B」と、アンコールで「Frou Frou」があったのだけど、それはオンエアされず。「Waltzs for~」の矢部さんのドラム、めちゃタイトでカッコよかったんだけどねー。

 

1曲目「Who's gonna die first?」。良明さんのギター、かっけーなー!スタジオ505、やっぱ音がいい~。良明さんはもちろん、慶一さんのギターもバリバリ存在感ある。しかし、このビートのきいたロックチューンを、まさかギタリストその1とバイオリニスト以外が座って演奏してるとは、ラジオを聞いてる人は思わないだろうなー…。

 

2曲目「ヤッホーヤッホーナンマイダ」、良明さんのギターのエフェクトがうつくしく、すいこまれそう…。博文さんのベースが全体をグイッとリズムに連れこむのがカッコいい。「ヤッホー」は2度ほどコールのない箇所があったけど、これはラインの不調でも放送事故でもなく、良明さんが忘れただけ(笑)。でも、武川→博文→良明というこのコーラス、なんだかすんごいシアワセになるんだよねえ、これこそムーンライダーズ!って気がしてさ。

 

3曲目は「銅線の男」。あー、マジ今回のアルバム&ツアーでワタシ内不動の第一位ですよ。このイントロの妖しさ、良明さん+慶一さんのギターのうつくしさ、博文さんのベースの狂おしさ…もう、どうにでもしてくれー…!続いて「夢ギドラ85’」、もうこの2曲をつなげてやられたら卒倒しちゃうじゃん。歌後のインプロ部分のカッコイイこと!この日は今までのツアーの感じともやっぱちがってたと思う、すんごいアグレッシブさが増していて。「銅線」や「夢ギドラ」のこういう演奏で、メンバーが6人いることのスリリングさをまざまざと感じる、楽器ひとつひとつが相手と切り結ぶ気迫と緊張感、そして拮抗しながら「ムーンライダーズの音」になっていく昂揚感。あー習慣性中毒性依存性の高い音だ…。合法だがキケンだ…。

 

5曲目「スペースエイジのバラッド」、白髪ダンディな岡田さんの声がエフェクトで女の子ふうになっちゃうのがカワイくてね。見ようによっちゃイロモノだけど。見なくていいのか、ラジオだから。6曲目「Wet Dreamland」、これは、前にも書いたけど、ライブでのゴツゴツしたコーラス(武川さん+博文さん、かな)が好きなのだーーー。で、ライブで聞き重ねるにつれて、私の中で“Fab Four”感が増してる1曲。せつなくて、圧倒的でね。今回は岡田さんの生ピアノの音にもドキドキする。

 

7曲目「地下道Busker's Waltz」、最初のティンホイッスルのふらついた足どりは楽器の味なのか慶一さんの味なのか、どっちにしても味わい深くてイイ。そして公共放送でも「米の国の糞野郎…」、うつくしいハーモニーで下品な歌を歌い続けるのだなこの兄弟は。ああバスカーズ。最後は「BEATITUDE」、こういう曲での矢部さんのドラムのカッコよさったらない!慶一さんの声も冴える冴える。

 

最後にDJ古閑さんによる曲目紹介があったのだけど、慶一さん以外がボーカルをとった曲はそれぞれ、博文さん、良明さん、武川さん…と紹介があり。つくづくこんなバンドって珍しいよなあ、たった8曲のオンエア中、3曲もメインボーカリストが変わるなんて。(かしぶちさんがいたら、さらにここにひとり加わるよね。)でもね、思ったんだ、これは偶然ではなくてたぶん必然なんだと。はちみつぱいムーンライダーズと自分のバンドを作っていく中で、慶一さんはただの「演奏者」ではないメンバーを、ずっと探し続けてきたんじゃないかなって。だからここに、それぞれがとんでもなく表現者であるムーンライダーズというバンドがあるんだろうって。それは、(偶然もちょっとはあるかもしれないけれど、)やっぱり慶一さんが、自分の思い描くバンドの理想を、29年間かそれ以上、苦しみながら追い求め続けてることの結果なんだって思う。最近怒濤の更新なった慶一さんの「暮らしの手帖」(http://www.moonriders.net/)読むにつけても思う、馬鹿馬鹿しいほどにまっとうなこのバンドの「民主主義」の意味と、そこに慶一さんがこめる思いを、ね。

 

と、またしても暴走ぎみな私の妄想…。そしてこんな記事に一日を費やしてる私のバカさかげんよ。いいんだ、もう私の一生はムーンライダーズに捧げておしまいで。捧げられても困ると思うけど。あーそれにしても、生ムーンライダーズ禁断症状だー、どうすればいい?この音のいい505スタジオ録音、CDにして出してくんないかなあ。そしてかしぶちさんが完全復帰したらもういっかい、この番組に出てくれー。「P.W Babies Paperback」全部演奏してくれー。切望。