月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

また見てきた「FESTIVAL EXPRESS」

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先週の土曜からシネセゾン渋谷では「FESTIVAL EXPRESS」がモーニングショーでかかってる!レイトではなかなか行けないハハもこれなら行けるー、行く行くー。ってことでまた見に行ってきました~。半分くらいはボブ・ウィアーにキャーキャー言ってこようという邪心で…。(前回の記事は→コレ)

 

70年代のヒゲもじゃミュージシャン達の姿を平日の朝から見ようという人間はさすがに多数派ではないらしく、館内は20人くらいの入り。女子学生の二人連れや、外国人のおじさん、ロック好きそうな若者、少々高齢カップル、属性不明おじさん、属性不明主婦(私)、など…。1月のAXの上映イベントの時にはたくさんいた、筋金入りのデッド・ヘッズっぽい人はいず。

 

何しろジェリー・ガルシアの顔も知らずに見ていた前回と違って、今の私はガルシアの顔もわかる!デッドの曲もわかる!ビル・クルーツマンとミッキー・ハートの見分けもつく!1カ月半でこりゃすごい進歩ですよ。何の役にも立たない進歩だけど。そんなわけで前回見逃していた部分も今回はナルホドと見られてまたおもしろかった~。フィルムの最初に流れる「Casey Jones」も含めて、グレイトフル・デッドおよびジェリー・ガルシアのフィーチャー度がやっぱり全体的に高いと再確認。最初のステージ映像(たぶんトロント)もデッドで、アコースティックセットでの「Don't Ease Me In」。ガルシアとボブのハーモニー、このときはいたビッグ・ペンのブルースハープ、ゴキゲンなカントリーロック・チューン。こんときの、カウボーイハットかぶったボブ・ウィアー、カッコいいんだよな~~~。ま、前回見たこれで惚れてしまったわけだけど。

 

今日キたのはね、ザ・バンド!このフィルムの中では3曲演奏しているんだけど、最初の、リトル・リチャードのカバーだという「Slippin' And Slidin'」!これがもークレイジーで最高!パンフの中で音楽評論家の大鷹俊一さんが『まるで酒場のバンドが暴走したような』って表現してるんだけど、ほーんと、そんな感じ!ロビー・ロバートソンはシャツにジャケットにあの風貌で、田舎町の折り目正しい工科大学生のようなのに、まあもんのすごいアナーキーさですよ、演奏が!そして全員(歌ってるのは4人かな)が野犬みたいにマイクにがなるがなる!荒くれてるよ!もーステージ壊れそうだもん!かっけーーー!こないだ見たときもそう思ったけど、「ザ・バンド=落ち着いた渋めのバンド」という先入観は見事に崩れ去り、ですよ~ッ。(私の勝手な認識がそもそも間違ってたのかもしれないけど。)

 

あとはねー、やっぱ。ジャニス・ジョプリン。彼女の歌の場面になるだけで、涙が出ちゃって仕方なかった今日の私だ。なんてすごい存在感なんだろう。歌だけ取り出してももちろん不世出の人なんだけど、それだけではない、ものすごい何か。これだけの輝きを…人間ひとりでは支えきれないぐらいの強い輝きを、持ってしまったら、若くして逝くしかなかったのだろうかとさえ思える。ジャニス、決して美人じゃないんだよね、スマートでもないし。そんなちっぽけな美醜の基準を超える、根源的な美しさを持ってる。生きてるってこと。ロックってこと。ふと、20代の私がこのジャニスを見ていたら、何かが変わっていただろうか、なんて思ってみたりする。目に見える美しさばかりをうらやんで不自由になっていた20代の私が。まあ、そんな仮定は何の意味もないけれど、もし今、自分の価値に疑いを持つ若い女の子(や男の子)がいたら、このフィルムのジャニスを見て欲しいな、なんて、おせっかいにも思う。

 

当時のことを回想する、現在のボブ・ウィアーもフィル・レッシュもミッキー・ハートも、今回はちゃんと認識~。ボブ・ウィアーの声は、今も全然雰囲気変わっていなくて、目を閉じて聞くと20代のヤンチャなギタリストの表情が思い浮かんで、ラブ~。ま、目を開ければグレーベースのヒゲもじゃのおじさんなわけですが。この列車に乗り込んでた70年当時、弱冠22歳だった彼、車内で激しつつ論争するシーンなんかもあって、これがまたカッコイイ。いやもう、ダメですよホント。マジいいオトコすぎて。

 

…とまた、デッド、ザ・バンドジャニス・ジョプリンの感想ばかりになってしまったのは、映画の作りから言っても仕方ないか。その他のバンドもめちゃくちゃかっこいいので追々。帰りに、映画のパンフレットを売っていたので(CDやポスターや、デッド・ベアーまで売ってた)購入したら、鈴木慶一さんのインタビュー記事が載っていたのでちょっとうれしくなりました。 

 

*「FESTIVAL EXPRESS」パンフレット