月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

ヤバいくらいにグレイトフル・デッド

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グレイトフル・デッドのことを何も知らない私が、先日の映画「FESTIVAL EXPRESS」での彼らにブッ飛び、熱がおよんで手に入れたグレイトフル・デッドのDVDに今、倒れ伏してる最中です。78年、「The Closing of Winterland」。んもーパソコン(=わが家の唯一のDVD再生機器)の前でひたすら「カッコイイーッ!」「ヤバい、カッコよすぎ…」とか独りごと言いまくってます。ウィンターランドという有名ホールの閉鎖に際しての、彼らの大みそかライブだそう。2枚組で27曲も入ってるよ…。しかも1曲が並の長さじゃないよ…。なのでまだ通しでは2回ぐらいしか視聴できてないのだけど。

 

こないだの映画で、ジェリー・ガルシアの顔はわかるようになったけれど、そしてボブ・ウィアーが私好みということはわかったけれど、相変わらずその他に役立つような知識はナシ。コーラスのねーちゃんがずいぶん出ずっぱりよのぅと思っていたら、メンバーでしたか!こりゃ失礼。FESTIVAL EXPRESSの記事にも書きましたが、私、このバンドに対してずーーーーっと大きな誤解をしてましたよ。骸骨とか薔薇とかドラッグとかいうイメージから、もっとこうハードロックっぽいバンドを想像してたのだ、革ジャンに長髪に化粧、みたいな。ところがどっこい、派手なアクションもなければジャンプもしない、奇抜なファッションに身を包むでもない、こーんな大人のロックバンドだったなんて~!っていうかむしろ、もう少々カッコつけたほうがよいのでは?と助言したくなるぐらいの飾りっ気のなさだ…。紅一点のドナ・ゴドショウ以外は、みんなその辺にあったものを適当に着てきたみたいなTシャツやシャツ姿だし。あーこの外見アピール度の低い人たちが音出したらこれですよ、マジカッコイイーッ!

 

ギタリスト好きでギターサウンド好きだけれどギター好きというわけではないので(ややこしい)、普通のデッドファンの惚れポイントなのであろうギターの「各論」にはあまりピンとこない不幸な私、でもその分グレイトフル・デッドという「総論」に倒れてしまう。例えばね、さっきからここばっかりリピートしちゃってるんだけど、Set1で披露される「Friend Of The Devil」のイントロのカッコよさったら、もうーーーーッ。その前の曲「Big River」が終わって、しばしの小休止、メンバーのチューニングなのかなという小さな音がランダムに鳴る中、ジェリー・ガルシアのピッキングが軽く拍子を取り始める。ボブ・ウィアーのギターがさりげなくそれに合わせてくると、奥にいたキース・ゴドショウが吸いさしの煙草を持ったままピアノの前に戻ってきて指で鍵盤を軽く撫でる。ふっと、ガルシアのギターがメロディラインをはじき出すと、それとほぼ同時にドラムのカウントが入り、エレピの転がるような旋律が追いかけ、ボブ・ウィアーのギターの響きが加わり、ベースがブーンと唸る。これが瞬時に起こってひとつにまじりあい、曲が始まる様といったら!もーーーー鳥肌。ステージに無造作に散らばってた音がひとつに集まって、圧倒的な音世界が立ち上がる、奇跡的なマジックを見るよう。ほんと、ひざまずきたくなるぐらいの素晴らしさ…。あーこれがロックバンドなんだなあ。声を張り上げなくても、派手なアクションがなくても、先端のファッションでそそのかさなくても、これこそがロックだよー。この曲、メロディもすっごく好きだし、微妙に合ってるような合ってないようなハーモニーもいいし、キース・ゴドショウ→ボブ・ウィアー→ジェリー・ガルシアと披露される途中のソロも美しく絶妙で、もーサイコーッ。あーもうほんと泣きそうなぐらい。

 

…と、全部がこの調子だから、とてもとても語り切れない。うーカッコイイーッ!ほんと、参ってます。もっと早く知ってればよかった、と思ってもみるものの、たぶん若いときの私じゃこの魅力わかんなかったな。10代20代でこの良さがわかる人の音楽センスって素晴らしいしうらやましい。私は今やっと知った。まあでも出会えたから良しとしよう。音楽を聞くのにイッツ・トゥー・レイトってこともないって信じてね。ということでわが家に引き続き到着予定は、76年のライブアルバム「Steal Your Face」、それから名盤の誉れ高い「American Beauty」、「Wokingman's Dead」。首洗って待ってるぜっ。ああ今ゴロ40手前の子持ちハハ、デッドに夢中になる…のか?

 

*「The Closing of Winterland」Grateful Dead