月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

「SUPER ZOO!」を聞いている

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ただひたすら圧倒され続けていて、なかなか言葉にならないのだけれど。カーネーションの新譜「SUPER ZOO!」。直枝さんの言葉が、深く、ストレートに心の奥に刺さってくる。ときにやさしく、ときに激しく。私、リアルな日本語にこんなに飢えてたんだ、ってハッとする。問題なく毎日を泳いでるはずの自分が、すごく浅い呼吸しかしていなかったことに気づかされる。私が思い切りすいこみたいのは、こういう言葉、こういう音なんだ!

 

全部が、シンプルで骨太でストレート。3人でライブをこなしてきたこの2年間の、進行形のドキュメントのような音。ゲストミュージシャンを迎えた曲も、幾つかの楽器を重ねた曲もあるのだけれど、口火を切る「SUPER ZOO!」のクレジットは、『直枝政広:Vocal,Guitar 大田譲:Bass 矢部浩志:Drums』、ザッツ・オール。ああ、なんていう潔さ。これが1曲目でありタイトル曲であるところに、彼らのストレートな自信が見えるような気がする。これが今のオレたちだぜ、文句ある?ってね。

 

タイトな音と色気のあるボーカルに載せて描かれるのは、どうにも情けなくてしょうがない2004年の世界と45歳の現実で、ちっともパッとなんかしてないくせに、ムチャクチャカッコいい。何だよ、これ。すげー泣けてくる。世の中をあきらめたり人を突き放すことで済むならカンタンだよね、癒すポーズでやり過ごせるならラクだよね、でも直枝さんの言葉は、カーネーションの音は、風の中ドカドカ飛んでくる物にぶち当たったり落とし穴に片足突っ込んだりしながら、この場所から逃げないで、何とか前に進もうとしてる。そのカッコワルイあがき方のなんとカッコイイことよ。この音と、とりわけ言葉を生むために、どんな血を吐くような闘いを彼らはしてることか。それじゃなきゃ、こんなにやさしく、言葉で人のことを抱きしめられない。

 

直枝さんに「もう少しここにいようよね」なんて言われたら、「なんとかなるさ うまくゆくはず」なんて言われたら。もう他のすべてがどうでもよくなっちゃうよ。あーもうどうにでもして。崩壊。

 

それからね、初回限定盤のDVDが、もーカッコよすぎ!ヤバイです。若さ+ギターがほどよくカッコイイのはまあ一般的な事例でわかるとして、どうなの、この3人のワン&オンリーの立ち位置ったら。40代バンドがここまでイカしてると、価値観見事にひっくり返っちゃう。ちょっとやそっとじゃ、この場所にはたどり着けないもん。ああ、直枝さん、ずっとギター弾き続けていて。いつまでもマイクに向かって歌い続けていて。

 

…30代後半女子がこんなにクラクラしてていいんでしょうか。すっかりダメ人間です。12月に九段行ったらさらに決壊か。

 

*「SUPER ZOO!」カーネーション