月夜のドライブ

ラブレターバンバン書いて紙飛行機にして 宛てもなく空に飛ばすブログです。▶プロフィールの「このブログについて」をクリックで記事一覧などに飛べます。

今ここに響く音

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海へ行き、温泉に泊まり、花火を見て、盆踊りに参加したこの三日間。遊び疲れ、といえばある意味カッコイイけど、この歳の家族連れの身での遊びは、すなわち労働に他ならないということに気付く。ヘトヘト…。仕事もためまくりつつズルズルッと復帰したり納品したり。ズルズルッと、は治らないなあ。

 

そんなわけで、ずいぶん前に注文したCDがどかどか届くも、ちょろりちょろりとしか聞けないでいる。今日届いたのは、トラフィックの2枚「traffic」「John Barleycorn Must Die」、スティーヴ・ミラー・バンド「Fly Like An Eagle」、ゾンビーズ「Odessey and Oracle」。あ~ここ最近の私のブームを如実に反映したセレクト。もちろん今さらっていう名盤ばかりなのだけど、今さらでもハマるのは悪くないよね。30年以上も前の音楽が、2004年のある場所の空気を、実際ものすごく新鮮に震わすことができるんだもの。

 

今日は「Odessey and Oracle」をプレイヤーに載せた。ゾンビーズの「Tell Her No」は大好きだったし、「ふたりのシーズン」のシングル盤は10代の頃中古で買ったし、このサイケデリックなジャケットは目に焼きついてた。20年かけて買いたかったレコードを買った、に近いな。この「Odessey and Oracle」は、発売時あまり話題にならなかったそう。68年4月のその時既にゾンビーズは解散していたことが大きな理由だし、その頃にはサイケブームが去っていたことも不発の原因だろう、とインナースリーヴの解説に書かれている。

 

サマー・オブ・ラブ”の時代が翌年にはもう次のブームに取って替わられようとしている、そのヒリヒリした空気をリアルに感じることは、30年後に生きる私にはできない。でも、だから、音楽っていいんだよね。だから音楽は常に「今」鳴り響く意味があるんだよね。時代と切実にわたり合いながら、同時に永遠に近い何かも求めようとする、その矛盾した闘いをしている音楽だけが、色褪せない輝きを持つことができる気がする。その時代の「今」とどこかで果たし合う覚悟を持ってないと、永遠なんか到底手に入らないんだ。

 

30年前のそんな音楽を聞きたいし、今のそんな音楽を今聞いていたいって、思ってる。

 

*「Odessey and Oracle」The Zombies